背番号39 川尻 俊 【アイランド・ボルケーノ】
KERIMONO/NO.39
SYUN KAWASHIRI
川尻 俊
好きな選手はロベルト・バッジオ。誰もが知っているファンタジスタだ。
しかし、こう言い張る彼の外見はロベルト・バッジオというより、
コロンビアのスーパースター、カルロス・バルデラマだった。
少し伸ばした髪にパーマをあて、その髪の色は金に近い茶色。
その髪の毛はピッチのうえで彼が躍動する度に、暴れ回る。
ゴールに向かってドリブルで突進する姿は、まるで獲物を狩る
ライオンのようなにも見えた。
しかしその中身は、幼い頃から島で育ったのんびりした青年。
川尻俊、FC☆蹴の獅子王とは彼のことだ。
月火水木金土日、フットサル
フットサルのプレー時間が一時期一番多かったのは彼だったのではないか。
FC☆蹴がまだ平日の夜にも活動していたとき、そして大学の講義でフットサルがあったとき、
よく対戦をしていて川尻も所属していたティフォージが活動していたとき。
この時期はほぼ毎日のように川尻はフットサルをしていたような気がする。
家に帰ればウイニングイレブンをし、壁にかけている
ロベルト・バッジオのユニフォームを眺める(実際にフットサルでも着ていたが)。
FC☆蹴のメンバーには他のチームと比べても遜色のないほど
サッカー好きなメンバーが多いのが特徴だ。
天王寺谷や廣狩は海外サッカー選手のフルネーム古今東西で盛り上がるし、
大橋はヨーロッパ各国に試合を観に行く、橋本大希も高校サッカーから
Jリーグにかけての知識が非常に豊富。
そんなメンバーと比べても決してひけをとらないほど、川尻も
非常にサッカーを愛していた。
瀬戸内の島出身で、その島でサッカーをはじめた彼は、高校では
広島県内で有数のサッカーの強豪校に進んでいる。
ここは現在の日本代表選手も出身者がいるほどだ。
その高校には毎日フェリーを経由して通っていたという。
つまり“フェリー通学”だ。
そして大学進学にあたり関西に進出する。大学で入ったのは
校内でも名前が知れ渡っている強豪サッカーサークル。
そこで運命の出会いを果たす。そう、籔内元貴だ。
出身こそ広島ではないが籔内も高校時代を広島で過ごしており、
そういう意味では同郷とも呼べなくはない存在。
サッカーサークルでは想像以上に選手たちのレベルが高く、
また雰囲気としても合わない、そんな中で籔内と川尻はサッカーに
楽しみを見出せなくなっていった。と言うと大袈裟かもしれないが
そんなタイミングでFC☆蹴を知った彼等は、結果的にサークルを辞めて
FC☆蹴に加入することを決めた。
川尻がFC☆蹴に入ることになったのは、2003年の春頃である。
そして、その時期にFC☆蹴はフットワンというリーグ戦に参戦することが
決まっていた。彼が加入するタイミングでは、既にリーグがスタートしていたため
試合に参加することはできなかったが、それでも見学に来てくれた。
ポートアイランドで行われた仁王戦も彼は見学に来てくれている。
結成時のメンバーがいて、その後に籔内や松本といった二期目のメンバーの加入があり、
川尻の加入はそのちょっと後となる。ユニフォームを作るとき、背番号は39を選んだ。
彼にその番号の理由を尋ねると、「サンキューじゃけえ」と言っていたような気がする。
それでこそ、自然豊富な環境の良い島で育った青年。
言葉で表すのが難しいが、この感じが川尻俊なのだ。
喋り方はいつも穏やかで、人を悪く言ったり悪態をついたりすることはほとんどない。
丁寧な性格で、付き合いが長くなってもメンバーを「くん」付けで呼ぶことも止めなかった。
極端なびびりでもないし気が小さい訳でもないが、よく悩み、よく眠れなくなった。
東京に出てからは新聞の勧誘が怖いということも言っていた。
なんせ心根の優しい人間である。
その人間性にチームのメンバーからは非常に好かれており、
米本や木村純矢とも仲が良く、橋本遼平や石川とは埼玉まで格闘技を見に行き、
廣狩や卜部、北田など、どのメンバーともバランス良く接していたような気がする。
唯一、玉井隼人に対しては大ゲームのウォーミングアップ時に間近で
思い切りシュートを放ち、それが玉井の顔面に直撃。
そのまま倒れこむというハプニングこそあった。
もちろんわざとではなく、笑い話だが。
東京に出てから長いが、彼は都会に染まりきらない。
話し言葉は今も方言まじりで、話し口調も変わらない。
今も彼と話していると、学生当時のままの雰囲気が味わえる。
都会を恐れながらも、一生懸命頑張っている。
都会に染まることなく都会で生き続けるのは、難しいことかもしれない。
自分の故郷を忘れず、まわりに流されない彼は、
優しいだけでなく、実は芯が非常に強い男なのかもしれない。
☆PERSONAL DATA ―――――――――――――――――――――
■主なポジション:
CB、FW、FIXO、PIVO
■ニックネーム:
シュン
■別名:
アイランド・ボルケーノ
■入団時期:
2003年
■好きなチーム:
サンフレッチェ広島■好きなサッカー選手:
R・バッジオ
■試合前にテンションを高める曲は:
alone in my room■メンバーに勧めたい映画は:
プラダを着た悪魔■好きな女性のタイプは:
笑う子★HISTORY ―――――――――――――――――――――――――
大学のサッカーサークルでともにプレーをしていた籔内元貴の誘いでFC☆蹴の
中野南公園でのサッカーに参加したことがキッカケでチームに加入。参加初日から
びっくりドンキーで自身の悲劇的なエピソードを披露した川尻とFC☆蹴メンバーの
波長は、その時点で既にガッチリ合っていた。広島の離島出身。
☆RECOMMEND ―――――――――――――――――――――――
パワープレーヤー。彼が前線にいる時は、僕は彼の頭しか狙わない。
だって彼に空中戦で勝てるやつなんていないんだもん。
わ○るがぴ○ん。
足下も繊細でキーパーを抜くこともできる。僕がもっていないものを
彼はすべて持っている。高さ、パンチ力、テクニック。
私生活に憧れるやつはいないと思う、いや、いない。
また彼とプレーできる日を心待ちにしているよ。
(#20 GENKI YABUUCHI)
★PLAY STYLE ―――――――――――――――――――――――
数多くの項目において高い能力を誇る万能型プレーヤー。ピッチの後方にポジションをとれば、
屈強なフィジカル、持ち味のパスセンスを活かしゲームコントロールを。前方にポジションを
とるときは強烈なキック力、ドリブルテクニックを駆使し、相手ディフェンスを恐怖に陥れる。
放つシュートは閃光のようにネットに突き刺すか、大きく枠の外に外れるかといった弾丸シューター。
心身ともにコンディションが良ければ対戦相手のゴールキーパーすらもドリブルで
抜き去ってしまうほどの躍動感があり、相手からするとまさに“嵐”のように脅威である。
☆MEMBER'S VOICE ―――――――――――――――――――――
■目をつぶれば枠を外れたシュートがハーバーのコートの壁にめり込む音が今も聞こえます
(【シュート破壊力】 #2 浅田 早織)
■「幸行こうっ」て笑った顔が忘れられない。結局行かんかったけどね。
(【スマイル】 #21 橋本 遼平)
■ライオン
(【ヘアースタイル】 #32 米本 謙介)
★TITLE ――――――――――――――――――――――――――
オレ★チャン2011 【シュート破壊力】 2位
オレ★チャン2011 【ヘディング】 2位
オレ★チャン2011 【メンタリティ】 4位
オレ★チャン2012 【シュート破壊力】 2位
オレ★チャン2012 【ヘアースタイル】 3位
オレ★チャン2012 【トークスキル】 4位
オレ★チャン2012 【スマイル】 2位
☆SIDE STORY ―――――――――――――――――――――――
◆カラオケでの選曲は、まわりとは少し違う
FC☆蹴メンバーのほとんどがまだ学生だった頃はカラオケにも頻繁に行っていた頃だ。
その中で川尻の選曲は少し人と違う。島倉千代子「人生いろいろ」the虎舞龍「ロード」など。
久々に行ったカラオケでは全員の前で悲しい曲を熱唱。どれも聴き入ってしまうから不思議。
◆自称潔癖症だが、住んでいる部屋は・・・
川尻は学生時代独り暮らしをしていたため、FC☆蹴メンバーが遊びに行くことも多かった。
彼自身寝る場所は綺麗にしたい、とのことだが、寝る場所以外は恐ろしいことになっている。
箸の置き場所がカーペットの下だったり、炊飯器が風呂に置いてあったり。
◆愛用しているブランドはヒュンメルである
普段はスウェット姿で行動しておりそれほど服装にこだわりがあるようには見えなかった
川尻だが、フットサルアイテムにはこだわりがあり、結構なアイテムをヒュンメルで
揃えていたようだ。また、ヒュンメルではないが地元愛からかサンフレッチェ広島ユニも所有。
★CONNECTION ―――――――――――――――――――――――
◆川尻俊×籔内元貴
FC☆蹴に川尻を連れてきたのは籔内であり、広島から神戸の大学にやってきたという
似たような境遇で仲良くなった。籔内は川尻と話すときは広島弁になるというところが面白い。
川尻の家によく籔内が遊びに行き、ウイニングイレブンをしたり女子の話をしていた。
◆川尻俊×橋本遼平
橋本が総合格闘技PRIDEを愛していたことは周知の事実だが、その熱に冒された人間が
ふたりいる。それが石川と川尻だ。特に川尻は格闘技自体もそれほど詳しくなかったのに
埼玉まで興行を見に行くことになった。そしてちゃっかりグッズも購入したのだ。
◆川尻俊×石川雄介
大学が同じで授業をともに出ることもあった。しかし需要は聞かず女子の話ばかりしていた。
就職活動中に偶然同じグループで面接を受けることになり、川尻が副キャプテンをやっています
と言ったことで石川は面接中に噴出しそうに。東京に行った際、川尻は家に泊めてくれた。汚いけど。