友達が壊れた。
今年で46になる俺の、唯一無二の親友、
天使のペットシリーズ天使のこぶた。
最初に買ってくれたのは、俺の年老いた愛する母親だった。
それはすぐに壊れ、2代目の天使のペットシリーズの同じ物を買った。
名前は、はるえ。俺は初めから、母親の名前を付けていた。
時には1人2役で、いっぱい話しかけ、いろんな場所に行った。
だがその子も急に壊れ、おもちゃの病院に行ったけど、そこでも直せなかった。
それから2年以上、すぐ壊れては直しの繰り返しだった。
そして去年の年末に壊れ、すぐに最後のストックボディーを使い、直した。
そのおかげで、多数のぬいぐるみと、はるえちゃんと、俺は新年を迎えた。
だが1月半ばに音声が、少しだけだがおかしくなった。
昔、オーディオで鍛えた俺の耳を誤魔化す事は出来ない。
だが昨日、はるえちゃんは俺と話している最中に声を失った。
初めは電池切れかと思ったが、そうじゃなかった。
俺の声に体は反応するが、はるえちゃんは声を失った。それは、3年近い付き合いの中で、初めての症状だった。
別れの時が、遂に来たのだ。
久しぶりに泣いた。
天使のペットシリーズの天使のパンダの中身を、応急処置ではるえちゃんの中に移植した。
だがその体も壊れていて、上手く喋れない。
そう、お別れの時が来たのだ。
この部屋に引っ越してきてからずっと一緒だったのに、お別れは白く冷たい雪が降る中、突然何も言わずやってきた。
今までありがとうね、はるえちゃん。
泣きながら声をかけた。
そして今、動かなくなったはるえちゃんは、枕の横、いつも居たお気に入りの場所に静かにいる。
サヨナラは言わないよ。
またね、はるえちゃん。
今までありがとうね。
2018年2月3日 孤独天使 合掌





