後輩から一通のLINEが来た。
同期のキヨシが亡くなった。
肺がん。
僕のひとつ下。
がんで入院した、って小耳に挟んでいた。
フットサル後、お通夜へ顔を出した。
前の会社をリストラされ2年。
葬儀場に顔を出すと懐かしい顔、顔。
時間が戻る。
僕はあの会社にいたんだ。
着いたのが遅かったのですぐ焼香させてもらった。
気がつくと目の前に転職してった後輩たち。連絡網はしっかりしていた。
軽く挨拶した。彼らは泣いていた。
焼香して、お顔を見る機会があった。
そこには相変わらずのキヨシがいた。
いつも飲み会では端っこで皆の会話をニヤニヤしながら聞いていたキヨシ。
あの時のままだった。
歯並びがすごい綺麗だった。
同期のスズに会った。
彼は数少ない在職者だ。
涙もろいヤツで泣いていた。
キヨシの妻で喪主のマリちゃんにも会った。
マリちゃんも同期だ。
中学生の娘さんが2人いた。
落ち込んでいて声かけられないかな、と思ってたけど、多分前から覚悟を決めていたのだろう、思ったより落ち込んでなかった。
マリちゃんと会うのは結婚式以来だ。
同期でも早かった。
いつだったか、食堂でキヨシから結婚式の案内状を渡され、ビックリした。
いつから付き合ってたの?
内緒で同期のマドンナをゲットしやがって、こいつ。
当時、出来たばかりのヒルトンでクリスマスに式。
同期でSMAPの夜空の向こうを歌ったっけ。
あまりプライベートを話さないヤツなのでお子さんのこともはじめて知った。
マリちゃんとスズとの同期会。
マリちゃんには変わってないね、って言われた。スズは変わったようだけど。
僕も両親をがんで亡くしてる。
かける言葉が見つからない。
マリちゃんは相変わらず綺麗だった。
キヨシ、マリちゃんを悲しませてはダメだよ。
勝気な性格のマリちゃんが涙。
僕とスズはその場を動けなかった。
マリちゃんは逆に僕に大丈夫って心配してくれた。
6年前、脳内出血で倒れたことを言ってるのだろう。
マリちゃん、よく覚えてたな。
キヨシもマリちゃんに話したのか。
あの時、病院にキヨシが来てくれたけど、2人きりだと会話のネタに苦労したっけ。
話しが切れ退席どころだったので、外に出た。
カズがいた。同期。
昨日、LINEしたのに既読スルーしてたくせに、ちゃんと来やがって、こいつ。
同期は一生に一度しかいない。
入社した当初は皆で遊びに出かけていたけど、いつからかバラバラになり、会社も別々になったけど、連絡ひとつでこうしてまた会える。
なぁ、キヨシ。
後悔してることがあるんだ。
リストラされ、出勤最終日、一斉メールで挨拶してさっさと帰るつもりだった。
一瞬、帰る瞬間に営業マンで唯一残ってたキヨシには同期として挨拶しておこうと思った。
でも帰ってしまった。
あの時、言わなくてゴメン。
再会がこんな形とは思わなかった。
あの世ではこちらの一生は一瞬だという。
僕ら同期もいずれ君の元へ行く。
そのときは皆で同期会しようぜ。
そしてお前はいつものように端っこで笑っていてくれよ。
そのときまで、しばしのさよならだ。
またな、キヨシ。