17日にFIFA(国際サッカー連盟)からFIFAランキングが発表されましたが、日本は順位を2つ下げて44位となっています。さて、このFIFAランキング、日本のメディアでは親善試合などを行う時も相手国のFIFAランキングが併記されますが、これはあまり正しい使い方とは言えません。


スペインでは相手国をランキングと共に紹介することは少ないですが、そもそもFIFAランキングが重要なのは国際大会のグループ分けの基準になるからであり、その他では必ずしも「順位=その国の強さ」とはなりません。


各国がまず目指すべきは、自国がある地域の予選や地域内国際大会で第1シードに収まるための順位です。日本は現時点でアジア諸国で一番順位が上なので、このハードルはクリアしていることになります。


その次に目指すべきは、ワールドカップ本大会での第1、第2シードでしょう。そういう観点から見ると、ワールドカップ本大会に参加する国の中でFIFAランキングの上位7ヶ国(+開催国)は第1シードなので、その範囲に収まっていればランキングで1位でなくてもよいことになります。


この順位は親善試合での勝敗もポイント化され対戦相手が順位が上であるほど試合結果がFIFAランキングに反映するので、マッチメイク力で好カードを組める日本は順位が実力よりも上にランクされることがあり、東南アジア、中米、東欧の財政力に乏しい国は親善試合でポイントを稼げないので実力よりも下の順位が付きがちです。


一方で、ポイント付けで一番重視されるのはワールドカップなどの公式戦であることは間違いないので、そこで結果を出していれば親善試合でポイントを稼いだ他国に抜かれることはあまりありません。いずれにしても親善試合の相手をFIFAランキングと共に紹介するのは、視聴者に間違った印象を与えることになります。