チャンピオンズリーグ準決勝の第1戦、バイエルン・ミュンヘン対バルセロナは4-0でバイエルンの勝利となりましたが、この4-0というスコアは両陣営にとって驚きのスコアだったのではないでしょうか。

試合前からバイエルン有利の声が多かったですが、前線での崩しに難がある今季のバルセロナは、負傷が完治していないメッシを先発させたものの効果的なプレーは生まれず大敗を喫してしまいました。

チャンスと得点シーンに関してみれば、前半にピケとアレクシスのPKに相当するハンドが見逃され、バイエルンの1点目ではダンテがアウベスを押さえこんでジャンプしているのでファウル、ゴメスの2点目はオフサイド、ロッベンの3点目の直前にはミュラーがアルバをブロックし倒しているのでファウルだったという分析があります。

バルセロナの地元紙はこの点に言及はしていますが、試合全般を通してバルセロナが劣勢に立たされていた現実を受け止めており、バイエルンの勝利に納得はしています。審判のジャッジにミスはつきものですが、注目すべきは上記のファウルは全てバルセロナのバイタルエリアで起きており、良くも悪くもバイエルンのチャンスの多さを反映したものとなったこと。

各国リーグで強豪クラブが審判に贔屓されているという声がありますが、実際にそういう部分があったとしても、多くのエピソードが生まれる背景にはそのチームが多くのチャンスを作っている(=審判の誤審の件数も増える)という事実があります。

バルセロナは特殊なチームで、守備に他の強豪チームにはない弱さをいくつか抱えていますが、常識以上のボールポゼッションと攻撃力で敵に攻撃のチャンスを与えないことでその弱点が晒されるのを防いできました。しかし今季のバルセロナはその強みが低下したがゆえに、元から抱えていた守備の脆さを露呈しています。

パリ・サンジェルマンとの第2戦では体調が万全ではないメッシが均衡を破り、メッシ、ビジャ、ペドロというラインでゴールを決めましたが、あのような形でのメッシの活躍を私は予想できませんでした。一方で今回のバイエルン戦ではその作戦が不発。5月1日までにメッシのコンディションが完全回復しミランとの第2戦のような逆転劇が繰り返される可能性も無きにしも非ずですが、今週いっぱいはバルセロナの街は元気を取り戻せないでしょう。

ところで今回の試合では好調なテージョがベンチ外だったのは意外でした。

また、バイエルンはこのまま優勝してしまったら、来季グアルディオラを招聘する決断を早期に下したことが批判されそうですね。