以下は、西部鉄道の公式ホームページにあった事業計画をまとめ、考察したものです。
赤字になっている部分は、まとめた部分の下に考察が書いてある項目です。
1.安全対策
○内方線付きの点字ブロックの整備
・国土交通省の指針に沿っての整備
・内方線は目の不自由な方に対してホームの内側を知らせるもの
・ホーム上での安全を提供することが目的
・鷺ノ宮、下落合、東村山、玉川上水など計8駅に設置予定
○池袋駅のホームドア設置に着手
・ホーム上からの転落や電車との接触を防止する設備
・さらなるホーム上の安全を提供することが目的
・今年度から設計に着手し、2017年に整備完了予定
○ATSの更新
・2013年までの更新に合わせ、カーブでの速度制限の追加は完了
・今年度からはポイント通過時の速度制限を追加(更新)
・2016年度までに整備完了予定
○橋梁や駅舎などの耐震診断・設計・補強
・国土交通省の指針に沿っての整備
・鉄道施設の耐震性を高めることが目的
・2017年度までに対象となる橋梁・駅舎などを補強
○法面の改良
・斜面の安定化を図ることによる列車の安全走行が目的
・土砂崩壊を防止する
・今年度は高麗~武蔵横手で実施
○変電所の機器更新
・供給された電力を安定的に電車や鉄道施設に送ることが目的
・昨年度から実施している山口変電所、拝島変電所、入間川変電所、久留米変電所の更新を続行
・飯能変電所、田無変電所の変電所機器を更新
・田無変電所の更新は、電力量と CO2 排出量を削減するための電力貯蔵装置※1を導入予定
・今年度から着手し、2016 年度末に整備完了予定
○立体交差事業の推進
(1)石神井公園駅付近駅高架複々線化工事
・池袋線の高架複々線化工事は、2003年3月に桜台(新桜台)~練馬高野台が完成
・石神井公園付近は、2007年度に工事に着手、2012年11月に練馬高野台~石神井公園が完成
→事業区間内の 6ヵ所の踏切を除却、複々線化が完成
・石神井公園は「エミナード石神井公園」を部分開業し、にぎわいある街づくりに寄与
・現在は、石神井公園~大泉学園を施工中
→2013 年 11月には下り線の高架化により踏切の遮断時間が約 4 割減少
・引き続き上り線高架化工事を進めて、早期に残り 3 ヵ所の踏切を除却
(2)中井~野方駅間連続立体交差事業(地下化)
・2008年5月に国土交通省より新規着工準備採択、2011年8月に都市計画決定
・2013年4月に事業認可を取得、2014年1月に事業に着手
・7ヵ所の踏切が除却されると、、踏切での慢性的な交通渋滞の解消、道路と鉄道の安全性が向上
→鉄道により分断されていた地域が一体化、これ契機とした駅前広場などの整備が促進
(3)東村山駅付近連続立体交差事業(高架化)
・2009年4月に国土交通省より新規着工準備採択、2012年10月に都市計画決定
・2013年12月に事業認可を取得
・今後、事業の早期完成を目指し、工事に着手
・完成すると5ヵ所の踏切が除却される
※1電車がブレーキを使用した際に発生する回生電力を、吸収・貯蔵し、力行時に放電できる装置。環境負荷の低減に貢献
2.サービス向上
○池袋駅の改良
・地下1階、地上1階を全面的にリニューアル
・詳細が決まり次第、追って知らせるとのこと
○駅のバリアフリー化
(1)中井駅
・新宿区が行う南北自由通路の整備に合わせて
・エレベーターを4基、エスカレーターを4基設置、旅客トイレをリニューアル
・南北自由通路は線路下の地下に整備、改札口も地下に移設
→線路で分断されている南北の往来がスムーズになり、北側からも駅をご利用可能に
・2016年度までの完成を目指す
(2)西武園駅
・国及び、東村山市から補助を受ける
・ホームにエレベーターを1基、スロープ1ヶ所、機能トイレの改修
・内方線付きでJIS 規格対応の点状ブロックの整備
・バリアフリー向上が目的
(3)新小金井駅
・国及び、小金井市から補助を受ける
・スロープ2ヶ所、機能トイレの改修、内方線付きでJIS規格対応の点状ブロックの整備
・バリアフリー向上が目的
・旅客トイレのリニューアル、看板表示の更新
○車両の新造・更新
(1)30000系の新造
・昨年度に新造した30000系は好評
・今年度も28編成(10両編成×2、8両編成×1)を新造予定
・2016年までの3年で、64編成(10両編成×4、8両編成×3)を新造予定
・新造されると、昨年度にグレードアップした30000系は10編成92両となる
(2)6000系へのLCD設置
・相互直通運転に使用している6000系のドア上にLCDを2画面設置
・今年度は4編成に設置予定
3.環境対策
○LED照明の導入
・LED照明は消費電力が低く、CO2排出量削減の効果を期待
・石神井公園駅や所沢駅では、新しいコンコースに LED 照明を導入している
・今年度は、西武新宿、練馬高野台、富士見台などの計8駅と29ヵ所の踏切でLED照明を採用
→照明器具の取り換えに合わせて施行
・西武新宿駅はLED照明化と合わせ、周辺施設の雰囲気に合う調色ができる照明の設置を検討中
○車両用空調装置の更新
・クーラーの冷媒として使用しているフロンが、故障などで大気に放出されるとオゾン層を破壊する恐れ
→オゾン層を破壊せず、地球温暖化への影響が少ない代替フロンを使用したクーラーに置き換え
・今年度は72台を取り換え
考察
○池袋駅のホームドア設置に着手
この「ホームドア」が2014年2月まで新所沢駅で試験が行われていた移動式ホームドアなのか、東京メトロなどの他社が使っている固定式ホームドアなのかに注目したい。
固定式だとするならば、6000系を除く全車両にTASC化工事を行わなければならないことになる。一般的に、ホームドアに対して車両の停止位置は、±50cm未満の誤差の範囲でないと、ドアを稼働させることができないからだ。±50cmを超えてしまうと、ホームドアと車両のドアの位置がずれ、乗客は乗降することができなくなってしまう。その誤差を修正する装置として、TASC(定位置停止支援装置)である。この工事を行うだけでも、相当な値がつくはず。20000系や一部の2000系のように池袋線と新宿線の間で貸し出しや転属が頻繁に起こり得る車両にもつけるとなると、値段だけでなく時間もかかってしまう。
移動式ならばその点問題ない。設置の完了する2017年には3ドア車の3000系は全廃されているだろうし(国分寺線用の6連は分からないが)、一部報道では2~6番ホームのみの設置ということだから、7番ホームで4000系
の客扱いをするのならば、移動式のメリットはTASC工事をしないで済むこと以外にない。そもそも、移動式ホームドア自体は実験段階にあるのではなかっただろうか。それとも新所沢の一件でデータが得られたことによる、今回の設置決定なのだろうか。
新所沢駅での移動式ホームドアの実験では、ドアと車両との誤差を車掌が目視で誤差を把握し、ボタンを押してドアを移動させることで調節していた。そうなるといくらターミナル駅で時間があるとはいっても、乗降に時間がかかってしまうのではないだろうか。そもそも車掌のいる車両がホームドアとピッタリ合っていても、他の9両ないし7両がピッタリ合っているとは限らないし、それを確認するための人員もかかってしまう。固定式のように「D」マークを表示させるのにも、車両の更新が必要ではなかっただろうか(ここは曖昧)。
これから追加の情報も出ると言うので、楽しみにしていきたい部分である。
○6000系へLCD設置
現在、相互直通運転対応のステンレス車は6112Fを除いてLCD(3:4)の設置が済んでいる。今年度は4編成への設置が進むため、6112Fは確実に対象に入っていると思っていいだろう。先日偶然乗り合わせたため、6112Fの撮影は済んだ。できれば「豊洲ゆき」の車内LED表示器の表示も撮っておきたいところだが……。それはさておき、6112Fへの設置は確実だし、恐らく3:4のモニターであろうと思う。
では、残りの3編成はどうなるのか。文章は「相互直通運転対応の6000系に」となっているので、6101Fや6102Fへの設置はあり得ない。仮に設置されたとしても1編成はアルミ車(50番台)への設置がある。3編成も設置されるのであるが、この場で取り上げておきたいのは3:4なのかワイド(16:9)なのかという点だ。わざわざアルミ車だけを残しての設置ともなると、30000系で好評だったワイドを発注・設置するとも十分考えられることである。アルミ車だけを残してきたことを考えると、そう思えてくる。アルミ車は製造時期がステンレスに比べて遅いため、鉄道ピクトリアルで取り上げられた「6000系の車齢も鑑みて、次の車両は地下直車両も考えないといけない」という旨の話でステンレスだけが廃車になって、対象外かもしれない。そうなると長く使う車両に好評のワイドLCDをつけておきたいという魂胆はあるのかもしれない。
そのため今の内から、後悔しないようにアルミ車のLED車内表示器の撮影もしておくとよいだろう(アルミ車のLED車内表示器はステンレス車とは別のもの)。