この前、10年ぶりに高校の同級生に桃谷商店街で声をかけられた。

一方的にしゃべってくる。「やっと古物商の展示会に商品を並べられるようになった。先月の売る上げ○○○○あった・・・」

別にこっちはそんな事、聞いてもしないのに。姿格好も毛糸の帽子をかぶってマントをあおっていた。顔はたけし軍団お元総理鳩山さんのそっくりさんに似ている。

同級生には二つ年下の可愛い妹がいた。高校時代サッカー部キャプテンだったので、ちょっとは後輩の女の子には人気があった。卒業式に妹さんは僕に写真を2枚くれました。写真の裏に「忘れないでください」と書いて。
僕の母親はその写真を大事にアルバムに貼っているので今もその時の事を思い出す。

「妹、元気?」

「うちの妹、東京で○○の店を出し、月○○○売上を上げている」

「弟は何しているの?」

「うちの弟はテレビで素人カレーライス選手権で優勝して、カレー屋3店舗。月の売上○○○・・・」

あかん。「今はお前より俺の方が立派や」と言っているみたいだ。(笑)

10年前、古い時計を集めて商売をしていたことは知っていたが、「古物商の展示会で明日から一週間、東京に行く・・・」

僕は心の中で「展示会?ガレージセールで古い時計を売りさばいてるのと違うのか」と思った。

明日、高校の同窓会準備の会合がある。彼の携帯番号を教えてもらう絶好のチャンスだったが、私は彼の名前を思いだせなかったのでそのまま別れたのだ。