親父さんが大変だったと思う。「辞める、お父さん大丈夫」と答える息子三根和起。本人の思うままに進む道を理解し、頑張れと応援した親父さん。

一回だけ、サンガトップチームの練習に参加した。僕は正直、奴がこの先、どのような形でサッカーするか?何処の高校でボールを蹴るのか想像つかなかった。

「金さん、久さんが評価しました、ユースの手続きに入ります」と電話があった。

「相手トップチームの練習ゲームやろ、何で・・・」

15歳の三根が当時J1のサンガトップチームの練習に参加して合格だった。僕は関係者に何故?と訊ねました。

「久さんが、練習に参加する練習生、8対8でゲームするとトップチームの選手が巧くなければ目で合図するらしい、柳沢が久さんに親指立てた」と話してくれた。色々な評価もありましたが、僕は柳沢選手が親指立てた。その事に凄く驚きました。

ボール(サッカー)はどう転がるか分らない。

ただ、一つ言える事は自分を信じて、目の前の相手をドリブルで抜く。まだ観ぬ風景が見える。その事を三根はキンコに教えてくれた。

*2年連続、下町の小さなクラブチーム(全学年40名)からJリーガーが生まれました。みんな近所の子供たちだ。杉本健勇、三根和起(二人と日本代表)コーチは私一人です。

ちょっとだけ美味しいお酒を飲んで、この先もぶれず、慌てず、急がず、楽しく、子供たちを吃驚させて、ブラジルのことわざ「人生、時計回りと一緒」のように天国、地獄が常にめぐり合う事を楽しみます。