ヴェジット4年生になった少年がいる、3年前に山口から大阪に引越ししてきた。新6年生チームと一緒に行動している。

身長は120センチぐらい、体重はしっかりある(笑)走る時、太ももが上がらない、1メートル横のボールを取ろうとしない。走る事を嫌がる?と思っていたが追いつかないボールを追っかけようとしない。学校のサッカーで先生に走れ!と言われると露骨に顔に出る今風の子供ではない。

「今のうち体を絞らないと・・・」「走りこみさせないと・・・」「あの性格直さないと・・・」と私は他人に言われるが、これだけはどうする事はできない、大人の物差しではまる少年ではない。

でも少年のスルーパスは6年生の試合で小野伸二バリのパスを見方に出す、6年生の親は大爆笑、試合中6年の親から声援が飛ぶ「キサ!無理して走らんでええでぇ」と(笑)

名前は金キサ、大阪第四初級学校に通っている、父母は民族学校の先生をしている。決して少年のサッカースタイルを理解している訳ではない。こんな出来事があった、昨年年末お父さんの実家山口に帰らなかった(三人兄弟の次男)お爺ちゃん、お祖母ちゃんが頼んでもガンと首を縦に振らない。

昨年私の次女(高校3年生)が初級学校の文集を家に持って帰ってきた「アッパ、ヴェジットのキサいるやろう・・・キサの作文読んでクラスのみんな泣いたよ」

その作文を手に入れた、内容は本人が1番愛している物に変身して本人について語る。

        「ぼくは宇部ハッキヨ(学校)」 3年 金キサ

ぼくは宇部ハッキヨ(学校)です。ぼくは三年前まで山口県の宇部で子供たちと勉強をしたり、遊んだりしていました。でも学生の数がへったので、ぼくは、廃校になることに決まりました。
キサ君はぼくが廃校になる一年前に大阪の学校に引っ越しました。そこから、キサ君と会うことはありませんでした。

今年の夏休み、キサ君がぼくのところへ遊びに来てくれました。だけどキサ君はぼくのところで来て大泣きしました。

キサ君はぼくのことなんて、すっかり、わすてちゃったと思っていたのにキサ君はちゃんとぼくのことをおぼえていました。

なんで、キサ君が泣いたのか、ぼくは知っています。
それは、三年前までぼくのすがたがあった所にもう、ぼくがいなかったからです。

キサ君はそれからぼくのことを思い出すと、よく泣いています。
だから、今日はキサ君に言いたいことがあります。

「キサ君、ぼくの姿は無くなっちゃったけど、キサ君がぼくを忘れないかぎり、ぼくは無くならないよ。ぼくはキサ君の心の中でずっとずっとのこっているよ。キサ君これからも、勉強やサッカーがんばってね。

これからは、ぼくの友達第四初級がキサ君を守ってくれるよ。だから、もう泣かないでね。」