前座試合の相手は大阪出身の日本リーグ選抜だ。選抜監督は当時ヤンマーの監督であった釜本さん。嘘みたいな本当の話。

日本リーグと大阪社会人リーグの実力の差は今のJリーグと高校サッカーのレベルの差と思う。
大阪協会主催の代表戦なので、大阪出身のリーグ選抜選手と大阪社会人5連覇の大阪チュックダンの前座試合になったと思うが 誰が見てもミスマッチ。

選抜チームには山野兄弟、西村(現日本代表U-20監督)などそうそうたるメンバーが揃っていた。こちらは学生時代、公式戦の経験のないメンバー。

でも先輩たちは一言「技術は俺たちが上。いかに走り負けないかだ・・・」平気で言ってのける。何よりも20メートル横の相手ベンチに釜本さんが座る、確かに燃えない訳がない。

先輩たちは試合までの一ヶ月間、夜遊びを控えて、週1回の練習を週3回して、練習の7割はシャトルダッシュの繰り返しと長距離走。残りの3割の練習はトライアングル(三角パス)で攻め上がる決め事だけ・・・

前座試合の結果は1対0で俺たちが勝った。もう一度試合をしたらチンチンにやられたと思う。リーグ選抜の敗因は 頭から俺たちを相手していなかった油断からきている。

でも試合に勝ったが、その後の俺たちのチームは大阪社会人1部で一度も優勝出来ていない。凄い先輩たちも1年後にはサッカーをやらなくなった。先輩たちは燃え尽きた。遊びでサッカーやっていたのに、一瞬の夢を見て夢を叶えたのだから・・・

夢は叶う為、一生懸命働く・・・選抜選手はアマチュアに負けた事にプライドがズタズタになったが、先輩たちは勝った事でサッカーに燃え尽きた。

私は前座試合翌日に退部届けを出す、辞めた・・・その後サッカーは二度とやらなかった。理由は簡単、先発メンバーから外された。サッカー選手は下手くそでも自分が一番サッカーが上手いと思う自尊心が強いアホが多い。