ヨシムが小脳梗塞で入院して監督不在で挑む事になった試合であるがヨシム不要論が巻き起こる結果とになった。
ヨシム不在である程度の危機感があったのかメンバーが自主的にミーティングを行い、意思統一をはかりヨシムの呪縛から解き放たれたようなのだ。
まあこれ以上、ヨシム不要論を展開してしまうと世論を先導して逆に内紛を巻き起こす結果となっても困るのでオシムが岡ちゃんにその座を奪われたようにヨシムも山ちゃんに奪われないようにDVDを観た感想をベイビーに書いて存在感をアピールすることにすのだ。
入院中にマンモが来た時に打ち合わせをした。
試合当日のポジションと注意点、誰かが疲れたりケガをした場合のポジションの修正パターン、得点状況によって俺がシュミレーションしてどう修正するかを話しておいた。
ディフェンスについてはマンモが自分の考えを伝えるつもりでいたようだ。
監督代行のヤマショーにも同じことと確認事項を伝えておいた。
当日はシバキョーをスタメンにしなければならない人数不足の状況だった。
現場に行けない指揮官は不安なものだ。
監督の采配が試合に左右される事はほとんどない。
が、たまにある。
それはゲーム中の修正でピッチ内にいるメンバーでは無理でピッチ外から修正しなければならない事がある。
これは「サッカーを知っている」ってことでできることではない。
「チームを知っている」ことが必要なのだ。
だから・・・、たぶん・・・、きっと・・・、俺は必要・・・、なような気がする・・・・。
全体的に観て落ち着いたムードのゲーム運びだったように思う。
「深追いしないディフェンス」がそれを象徴していたのだろう。
得点シーンも全ていい得点だった。
1点目はDVDを観ていると「フォーッ!フォーッ!」と左サイドを駆け上がる人影が声を上げる。
右サイドでボールを持ったユウはあきらかに左サイドにパスをする姿勢に入った。
そして声の主、タカシにユウからパスが出て左足でゴールした。
右サイドのユウからフォアサイドに空いたスペースへ走りこんだタカシヘのパスで勝負アリ。
ゴール後の「粥‘ll be back」のメッセージを掲げるタカシの映像を観て・・・、ヨシムは泣いた。
この得点はユウがボールを奪うの前のシバキョーのディフェンスも褒めてあげるべきだ。
縦を切ったシバキョーに対して無理やり縦パスを入れたエスペランサディフェンダーは中にしぼっていたユウにボールを奪われた。ココから得点に繋がったのだ。マンモのいう「奪ってからの方がチャンス」を証明した場面だ。
2点目のユウとマーシーのコンビネーションも良かった。
右サイド敵陣深くでのユウのスローインに対して縦に走り込むマーシー。
ついて行くディフェンダーの背後にボールを入れるユウ。
マーシーは反転してディフェンダーを振り切りボールに追いつき左足でゴールした。
これってサインプレー?アイコンタクト?けっこうスタンダードなプレー?とにかくいいプレーだった。後日行われた日本代表vsオマーンの試合でまったく同じ場面があったがこの時は松井のスローインを俊輔が右足でボールタッチをミスしている。マーシーは俊輔以上だったのかも。
3点目はカウンター。
自陣右サイド深くで奪ったボールをすばやくトップで待ち構えるダイにパス。
ダイは前を向いて突っかけ、中央から押し上げてきたユウに落とす。
いつもならダイはそのままドリブルしボールを奪われていたが「落とせ」の声にユウにボールを預けている。
練習の縦パスゲームのコーチングと合宿のカウンターの練習が生きた場面なのだ。
この落しの間に左からタカシ、右から前ちゃん(たぶん)が駆け上がる。
ユウは短いドリブルの後で左サイドを選択してタカシにパス。
タカシは落ち着いて出てきたキーパーの頭上を越えるループシュートでゴールした。
縦に入れて落とした「タメ」が左右のサイドが上がる時間を与えた。
ダイが落とさずにそのまま突っかけたらダイの位置まで左右のサイドが上がるのに時間がかかりパスのタイミングが難しくなっただろう。
お手本のようなみごとなカウンター攻撃だった。
4点目はボランチに入っていた和久ちゃんの積極的な攻撃参加のドリブルが相手ディフェンスにはじかれペナルティエリアやや外の中央にいたダイに渡り振り向きざまのシュート。
一度はブラックされたもののこぼれ球をボレーでゴールした。
フォアードとしてのゴールへの意識の高さの表れたゴールだった。
ちなみに最初にシュートブロックした相手選手はふっ飛んでいた。
そんな感じで4-0の勝利。
攻撃面ではいい攻撃が目立った。
試合後半のユウと前ちゃんのポジションチェンジもいい感じだった。
今後は決めて代わるのでなく試合の流れの中で中でポジションチェンジが有効な場面をもっと模索して成熟させていって欲しいのだ。
ディフェンス面でも見ている以上にプレーしているメンバー自身が落ち着いてやれたようだったのでよいでしょう。
あえて細かい問題点を挙げるとすると後半マーシーの2点目の後すぐの相手フリーキック。
右サイドからオフサイドラインを引いて守るノマドディフェンスとキーパーの間にボールを入れられフリーで合わせられている。
この時、マンツーマンを振り切られたことに目が行きがちであるがこの場面では相手の攻撃が4人に対しノマドディフェンスはマンツーマンで付いた4人とフリーのマンモの5人。
この場面ではちょっと人数が足りないように思う。
オフサイドラインを引いている以上、マンツーマンでは振り切られる可能性がある。
キックの瞬間にラインを上げてオフサイドを取らずにオフサイドラインからヨーイドンでしっかりマンツーマンにつくなら人数が少なすぎる。4人に対し7人から8人はディフェンスに戻りたいところだ。
それとラインを引いて守るならキーパーとの位置関係も考えなければならない。
ほぼ直接狙ってこない位置なのでラインの裏はキーパーがケアしたいところだ。
これ以外の同じような相手フリーキックはオフェンスが3人であったためケアできていた。
それとマンモがゴールキックをして相手ディフェンダーに跳ね返されたボールが相手フォアードに渡りフリーでシュートされた場面。
この場面はマンモ以外のボランチを含めたディフェンス陣はヤンマーが蹴る時と同じようにラインを上げて安心してしまっていた。
マンモがゴールキックをするのだからオフサイドはない。
相手フォアードをフリーにしていたのは危険だった。
最後にもうひとつ。
「深追いしないディフェンス」について確認しておきたい。
これはあくまで後方のバランスが取れている時に当てはまるのであって前がかりになり人数をかけた攻撃になってしまった場合にボールを奪われた時などバランスが崩れ後方の人数が足りなくなっているので出来るだけ早く誰かがボールにプレスに行かなければならない。
前の人間が戻ってプレスするのか後の人間がプレスに行って遅らせて前の人間の戻る時間を作るのか、どちらかをしなければならない。「ヤバイ」と思ったら追う事だ。
「やり過ごす」癖だけはつけてはいけない。
最後にちょっと問題点を挙げてみたが全体的にいい試合だったからこそあえて細かいところを探してみた。ちょっと姑の小言のようになってしまったが小脳の血管が詰まっているので許して欲しいのだ。
4-0の完勝!みんなよくやりました!
ヤマショーお疲れさんでした。
ゲームセットで引き上げる時の「よしお~!」の連呼に再び胸が詰まったヨシムなのであった。