世の中“結果が全て”という風潮があるけれど、果たしてそんな単純なものなのか? 試行錯誤で行きつ戻りつしながらも、自分なりのポリシーというか哲学を持って歩むことって、相当に尊いことのように思う。
そりゃ誰だって、できるだけ早く結果が欲しい。期待が大きいほど、結果を早いタイミングで求められる。でも、結果だけを求めた拙速な行動は、得てしてその後の長くて深いトンネルを掘ることにもつながるように思えてならない。
2008~2009年シーズン、スペイン・カタルーニャの名門F.C.バルセロナは、国内リーグとカップ戦、そしてUEFAチャンピオンズ・リーグまでをも征して、トリプルクラウンに輝いた。永遠のライバルでもあるレアル・マドリーをはじめ、強豪ひしめくリーガ・エスパニョーラにあって、最も攻撃的で最も美しいFootballを貫いた彼らは、バルセロニスタのみならず相手チームのサポーターからも大きな拍手で賞賛された。
確かに『莫大な資産を持って有名選手を集めたからだ』という批判もあるけれど、ローマでのマンチェスター・ユナイテッド戦のスターティングメンバーのうち、7人がカンテラ(下部組織)出身という事実! そんな選手たちを擁したからこそ、スペイン代表チームは2008年のヨーロッパ選手権を征することができたのでは?
もちろんここまでの道のりは平坦ではなかったし、また歴史が支えてきた部分も少なくはない。
この哲学にこそ、今のJリーグの首脳陣、いや企業の経営者にも、学ぶところ多しとみたが…。