朱色?
違う…
あれは、あの日の東雲色
東雲色の鳥
あなたは部屋に入って来て
頭にトンボの翅?
縦に数枚、まるで冠のよう…
「止まって」
その言葉にあなたは応えて
この指に止まり、優しく突っついた
「あなたの好きな食べ物は何?」
その問いかけに
あなたが残した人間の言葉
「喫茶店」…
公園の一角
過ぎた時間の点と点は
一瞬にして線となって目の前に現れた
見えない手に招かれ
目の前の自転車のカゴ
透明なトンボの翅の冠は
蝶となり
黄色く縁取られた翅は
透明さを際立たせ
妖精のような姿に…
駆け寄る間の数秒さえ
一生分の喜びに感じられた