古い古い過払い金と不法行為の成否 | 福岡若手弁護士のblog

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福岡県弁護士会HP委員会所属の弁護士4名によるBLOG
(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

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http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090904111519.pdf


広島高裁の判断に対する上告だが、

なぜ過払いで不法行為の論点が

出てきたかというと!?

 第1取引は1980/11/12~

1997/1/13→過払金266万

0791円がいったん発生。

 第2取引は2004/9/29~

2007/1/5→過払い金は

発生していない。

※某情報筋ではこの最高裁

判決の当事者はプロミスとか。

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 広島高裁は、第1取引に

ついて消費者金融の

不当利得10年の消滅時効の

援用を認め、かつ、第1取引に

ついて不法行為構成による

損害請求を認めなかったドテッ

つまり、借主の負けである。

2009/9/4最高裁2小は次のように

判示して、借主の請求を斥けた。

ⅰ、一般に貸金業者が、借主に対し

貸金の支払を請求し、借主から

弁済を受ける行為それ自体は、

当該貸金債権が存在しないと

事後的に判断されたことや、

長期間にわたり制限超過部分を

含む弁済を受けたことにより、

結果的に過払い金が多額になった

ことのみをもって直ちに不法行為を

構成するものではない。

ⅱ、不法行為を構成するのは、

上記請求や受領が暴行脅迫を

伴うものであったり、貸金業者が

当該貸金債権が事実的法律的

根拠を欠くものであることを

知りながら、又は、通常の貸金

業者であれば容易にそのことを

知りえたのに、あえてその請求を

したなど、行為の態様が社会通念に

照らして著しく相当性を欠く場合に

限られる。

 この理は、当該貸金業者が

過払い金の受領につき民法704条

所定の悪意の受益者であると推定

される場合においても同じ。

ⅲ、当時、貸金業法43条1項のみなし

規定が存在し、しかも、その適用

要件の解釈につき下級審裁判例の

見解は分かれていて、最高裁の

判断も示されていなかった。

この場合ⅱには該当しない。

 この最高裁判例は、第1取引の

消滅時効を封じる法律構成として

不法行為を用いることを完全に

シャットアウトしてしまったのでは

ないでしょうか。

 判タ1308号111頁に載ってます

ろぼっと軽ジK