最高裁ホームページの裁判例情報に改善要望 | 福岡若手弁護士のblog

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福岡県弁護士会HP委員会所属の弁護士4名によるBLOG
(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

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自由と正義2009年8月号の斎藤浩

弁護士の論稿にインスパイアされて

UPしています。このような取扱が

ひそかになされていたなんて、

ほとんど気づきませんでした。

なるほど、行政事件を取り扱う場合、

ときの国家権力と対峙する可能性が

高いことを宿命付けられていますから

そういう視点も持ちがちですね

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斎藤弁護士が使うもう1つのツールに

比べると、キーワードのフラッシュ

機能がついていない、条文検索が

ない、取り上げる判例数が少ないと

いった問題点があります。『行政訴訟の

実務と理論』にて指摘済みとのことで、

肝心の部分は下のとおりです。

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掲載選抜基準が公表されていず、

検索者としては、現在の最高裁の

考えからお薦めの判例、換言すれば

掲載されない判例に対する最高裁の

嫌忌が、選抜基準ではないかと

自然と考える。

 例えば、斎藤弁護士が原告代理人を

務めていた大阪高裁平成20年7月

31日判決は、行政事件訴訟法9条に

おける原告適格を要約したもので、

その領域では既に広く知られているが

裁判所ホームページには1年経っても

掲載されていない。

 行政事件訴訟法10条1項を多用する

東京地裁の杉原コート判決(平成19年

9月7日、平成20年5月29日、平成18年

9月29日、平成19年9月7日など)の

大半も裁判所ホームページには掲載

されていない。

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 かつて行政事件訴訟法9条の原告

適格に関する2項法文案作成にあたり

参考にされた最高裁判例が3つ存在した。

・伊達火力発電所関係埋立免許等

取消請求事件(昭和60年12月17日)。

・新潟空港定期航空運送事業免許

取消請求事件(平成元年2月17日)。

・もんじゅ原子炉設置許可処分無効

確認等請求事件(平成4年9月22日)。

 しかしこの3つのうち伊達火力の

最高裁判決は、なんと最高裁の判例集に

収録されていなかった。その時代の

主観で掲載判例を選抜するのは

歴史的悲喜劇というほかない。

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 斎藤弁護士は、アメリカのように

基本的に全ての内容ある判決を

裁判所ホームページに機械的に

掲載し、その評価を検索者に委ねる

よう改善すること等を要望している。

私もその方向に賛成であり、このブログの

記事が最高裁ホームページ改善の

後押しに少しでもなればと期待する

ろぼっと軽ジK