結局、ホテルに3泊してきました。
快適でした。ホテル暮らしをしている人はこういう感覚なんだな~と思いました。
たまには外泊もいいかもしれませんね。
さて、
話かわって最近読んだ本に面白いことが書いてありました。
人が最も恐れることは、「大勢の人前で話をすること」だそうです。
確かに一理あります。私もそうです。
小さい頃から、人前で話す場面ではとても緊張しました。
小学生のとき、私のクラスでは「帰りの会」のときに「一分間スピーチ」というものがありました。
毎日交代で一人ひとりまわってくるんです。
みんなの前にでて、とにかくなんでもいいから一分間話すというものでした。
私はこれが嫌で嫌でしかたがなかった。
なんでこんなことをしなくちゃいけないのかと思っていました。
しかし、不思議なもので一年が経つころにはむしろ楽しみになっていました。
人前で話をすることは楽しいこと。そういうふうに思えるようになっていたんです。
今でも、人前で話すときは緊張はしますよ。
心臓の鼓動が聞こえてくるほどに緊張します。
しかし、同時にワクワクもしているんです。
私は去年とあるスキルアップの勉強会に参加しまして、そこのカリキュラムの一つにスピーチ力を鍛えるというものがあったのですが、
これがまたスパルタでして、会場の全員をスタンディングオベーションさせるまで、
一人ひとり何回もやりなおしというものでした。
みんなが立ち上がって拍手をするスピーチ、そんなスピーチをした経験は私にはありませんので、
どうしたものかと思いました。
しかしまあ、幸いにも準備の時間を30分頂けましたので、冷静になって何を話そうかと考えることができました。
まず始めに考えたことは、「自分は何を話したいか」です。
つまりそれは、「何を伝えたいか」ということです。
私は目を閉じて、静かに、自分の潜在意識にアクセスしました。
心の奥の自分自身の叫びにスポットを当てるイメージです。
しばらくすると心の奥のほうに、鍵のかかった部屋を見つけました。
私はマスターキーを手に持ち、その部屋のドアをあけました。
すると、そこから猛烈な勢いで大量のイメージが飛び出してきました。
すべて震災のイメージでした。
原発の爆発直後に実家に妹を迎えにいったときに見た、無人の街と化した実家の光景、津波で崩壊した友人の祖母の家を見にいったときの壮絶な光景、瓦礫処理のボランティアのときに見た光景、
それらが、心の奥の鍵のかかった部屋へ押し込められていたのです。
私の潜在意識は「これを伝えろ」と、私の意識をそこへ案内したのでしょう。
私は自分の潜在意識に従い、それを伝えることを決めました。
次に考えたのは、情報の整理です。
話すということは、聞く人のことを考えて整理しなければなりません。
①自分の見た光景、
②そこで住む人達に聞いた生々しい話
③それらを受けて自分がどんなことを感じ、どう思ったか
④この悲惨な出来事から学んだ教訓と、今後の復興への課題
⑤愛する人達と過ごす時間を普段から大切にすること
そういった項目をメモしました。
あとは、その項目にそって話をするだけです。そこに感情を込め、リアルに、自分の心の叫びをのせるだけです。
準備時間が30分ですから、原稿をまるまる用意することなどできません。
このスピーチの真意は、完璧で綺麗なスピーチをすることではなく、
不恰好でもいい、人々の心に伝わる何かがあること。真剣さ、熱さ、必死さ、そういったもので人々の心を打つことだろうと思いました。
そう判断したので、私は文章については何も考えませんでした。
私の前に数名がチャレンジしていましたが、一人も合格できずにいました。
やがて私の番がきました。
私はそっとステージにたちました。
緊張はピークに達していました。
私は緊張にのまれるのを避けるため、
一度、会場の隅から隅までを見渡してこの空間のすべてを把握した後、
目を閉じて深い呼吸を一回しました。
緊張がわずかに落ち着いた隙に、私は静かに話を始めました。
そして精一杯の自分の心の声を、吐き出しました。
………
…………。
ときどき、会場の全員に目線を合わせるようにして話をしていると、
驚くことに、
話しをしている途中、一人、また一人とスタンディングしてくださり、
目に涙をためて話を聞いてくれている人たちがでてきました。
そして、スピーチが終わる頃には全員が立って真剣なまなざしで話をきいていてくれました。
「これで私のスピーチを終わります。ご静聴ありがとうございました。」
と言った瞬間、ワーっと歓声と拍手がまきおこり、
皆がどっと私の方へよってきてくれて、「とってもいいスピーチをありがとう」と握手やハグを求めてきてくださいました。
私の集中はそこで切れ、何が起きたのかわかりませんでしたが、どうやら自分のスピーチは成功したようだという安堵感でほっとし、自然と涙と笑みがごちゃまぜになりました。
とても嬉しい経験でした。終わってからも緊張して手は汗ばんでいましたが、伝えたかったことが伝わった嬉しさで満たされていました。
その後、他の皆さんもふっきれたようで、素晴らしいスピーチをし皆さん合格しました。
最後に先生が、
「毎回、全員が合格するまではこの倍以上の時間がかかって深夜になることもあるが、今回は皆さんとても優秀でしたね」
とお褒めの言葉を頂きました。よかった~。
今回は私の例をお話しましたが、誰にとっても
人前で話すことは、とっても緊張するものだと思います。
しかし、同時にそれは、とても心地のいいものでもあると思います。
失敗したっていいんです。恥をかいたっていいんです。
緊張して声がふるえたって、足がガクガクしたって、
自分が伝えたいことを一生懸命に、精一杯に伝える。
自分を飾らずに、大きく見せようとせずに、ありのままの自分のまま、
自分の知っている言葉で、自分の気持ちを一番のせられる言葉で話すことに徹する。
それでいいと思います。
人前で話すことを恐ろしいと感じている人は本当に多いと思います。
私もその一人ですが、もしもそういうお役を頂いたときには、
開き直って、思い切ってやってみるのもいいかと思います。
以上です。
今からドトールでお茶してきます。