グランド・ホテル追憶

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映画「グランド・ホテル」が公開されたのは1930年代。

とにかく巨きくて立派なホテルを舞台に、

グレタ・ガルボ演じる最盛期を過ぎたバレリーナをはじめ、

さまざまな宿泊客がそれぞれの客室で味わう人生の悲喜劇を、

同時進行で見せる演出が評価されアカデミー作品賞に輝いた。

ちなみに白黒である。

 

そのグランド・ホテルのイメージに最も近いのが

私の場合、グランドハイアットと言える。

といっても、ハイアットの開業は50年代だから

映画のほうが先を行っていたし、私のお気に入りの

日本初のグランドハイアットが福岡に誕生したのも

90年代になってからなので、新しくとも何ともない。

むしろノスタルジーに訴える作戦だったのか?

 

 

 

六本木のグランドハイアットに比べても、ロビーは開放的で

光の回り方、空気の入り具合、キャナル(人工運河)に通じる

水の流れなど、躍動感と静寂を両立させた設計が巧い。

博多っ子の情を感じさせる接客にも愛嬌がある。

 

 

 

カフェで語らう外国人の夫婦。

気取りはないが、美意識を感じさせる

くつろぎのスペースが、孤独の影を薄くする。

 

だれも行き先が無いわけではない。

でも、今は急がなくともいいんじゃないか?

せめて一杯の香り高いコーヒーか、

泡だつシャンパンを楽しむ間は。