表参道のカフェは大賑わいだった。
外の中庭で待つ人々は真夏の暑さで熟れた果物のように
言葉や匂いや呼気を発散し、透明ビニール一枚を隔てた
天国を眺めてた。そこに自分の席は空いてないか?と。
仲の良いカップルを見るのは好きだ。二人だけの会話、
二人だけの距離感、二人だけの秘密、二人だけの未来。
過去の相手から学んだものの再現もあるだろうけれど、
その瞬間にしか感じることのできない情景もある。
だから礼儀として撮る前に声をかけるべきなのだが
天使の休息を邪魔をしたくない私は、心の中で
詫びる。敬う。祈るようにシャッターを切る。
