2024年1月。世の中には困っている人がたくさんいる。

 

だが、娘(19)とちび(8)に言っておく。

 

彼らに手を差し伸べてよいかどうか、その方法は適切であるかどうか、手を差し伸べる前によく考えるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

あえて今まで触れずに来たが、正月に起きた地震のせいで、あの地方は大混乱の様相を呈している。

 

もちろん、地震による死亡者の発生をはじめ、そこに住む人々の家が無くなってしまったことなどは、あの地方にとっての一番の悲劇だが、ここでとうちゃんが言いたい『混乱』とはそのような自然災害の『結果』についてではない。

 

地震や津波などの自然災害が起きたことで、今まではぼんやりと寝ぼけたツラをして毎日をぼけっと生きていたくせに、いきなり目をキラキラさせて動き出すゴミクズどもが起こした大混乱のことを指している。

 

知っている限りでも、売れないYoutuber、似非活動家(NPO団体含む)、それにアホで無能な議員たちが、現地の迷惑も顧みずに乗り込んでいった。

 

こういうクズはそれこそ津波にさらわれて海の藻屑と消えてしまえばいい。

 

自己肯定感の低いバカが、「被災地の人を勇気づける!」と大言壮語してワンボックスにそこいらの適当な物資を積み込んで乗り込んでいったことで、本人は「自己肯定感がアップしてボクちんは世の中に必要な存在になれたんだ!」と大喜びだろうが、それ以上に現地の人々の迷惑になっていることに気づかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽系のアーティストや、絵本を送る漫画家などは、最たるものだ。

 

被災地に暮らす明日をも知れない人々に、音楽を聴いたり絵本を読んだりする余裕があると思っていること自体、クリエイター職に就いているという自負が生んだ誤った観念であり、善意の押し付けであり、一言でいえば傲慢不遜である。

 

 


 

 

 

 

とうちゃんは、若い頃にODAの仕事でトルコという国に赴任したことがきっかけで、トルコの人達と仲良くなり、帰国後も交流があった。

 

そしてそんな時↓これが起きた。

 

 

当時の政府や赤新月社と仕事上でつながりがあったので、この報告を耳にした直後に自費で渡土し、できることを探して右往左往した。

 

そして失望した。

 

自分の無能さに。

 

日本とトルコの情報中継の役には立ったかもしれないが、ただそれだけだった。

 

空港の滑走路に置かれた大量の避難物資を思い出す。

 

輸送する手段もなく夏の炎天下で腐っていく山積みのパン。

 

着古された大量の衣類。

 

仕訳が間に合わず、箱から出されぬまま放置された物資。

 

あの時、とうちゃんは「素人の自己満足行為がプロの活動を妨げる」という事実を嫌というほど知った。

 

だからそれに気づいてからはおとなしくしていた。

 

技術者としてできることを頼まれたら当然受けたが、自分から勝手に動くことは厳しく戒めた。

 

現地の端っこに居を構え、ラジオから飛び込んでくるニュースを、できるだけ平静を装って聞き続けた。

 

何もできない自分を責めながら。

 

結局、大した成果も出せぬまま帰国した。

 

あの時からとうちゃんは、己の未熟さを振り回して現場を混乱に陥れることはしないと誓った。

 

だからとうちゃんは「やらない善よりやる偽善」という言葉は大嫌いである。

 

 

「偽善はどこまで行っても偽善であり、それは善にはなりえず、むしろ悪である」という教えの方がしっくりくる。

 

なぜなら「偽善と思いつつ善をなすこと」は結果として「善そのもの」であるから、ここで語るには及ばない。善を行う行為はどのような思想によって行われても善だからである。

 

だが、迷惑系Youtuberや私人逮捕系Youtuberのように「自分では善を成しているつもり」で現地入りすることは偽善ですらない。

 

あれは悪である。

 

今回、被災地に乗り込んだ私人はすべてこの類であり、海の藻屑と化しても別に誰も困らない連中である。

 

自衛隊やプロの救命救急チームは私人ではないが、それ以外の私人が乗り込むことはどう見ても悪にしかならない行為である。

 

つまるところ、「仕事をしているふりを見せたい」「いいかっこを見せたい」「売名行為をしたい」「チャンネル登録者数を稼ぎたい」という理由ばかりで、本当に被災地の人々の気持ちを考えた行動にはなっていないのだ。

 

これを悪といわずに何と呼ぼう。

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、地震の話題についてはわざわざこのブログでは触れるつもりはなかったが、あまりにも周囲が騒々しく、また様々な情報も錯綜しているので、お前達もとうちゃんがどう思っているか気になっていると思い、考えをここに記すことにした。

 

結論だが、お前達に学んでほしい考え方は、以下のものである。

 

 

(↑こいつの句読点の使い方が滅茶苦茶なのは勘弁してあげてくれ)

 

 

 

 

何にせよ今の俺達にできることは、自分達の生活に影響が出ない程度の募金と、今まで通りの生活を粛々と続ける勇気である。

 

個人で被災地に乗り込んで被災者を少しでも救った気になるような、そういう端的で無意味で安っぽい行為をすることで、自尊心を満足させるようなつまらない人間にはならないでほしい。

 

彼らのしていることは、被災者をネタにして自己肯定感を高めているだけの、相手の気持ちも何も考えないレイプ行為に等しい。

 

『限定ジャンケン』でカイジを騙した船井のやってることも滅茶苦茶だったが、そんな船井ごときに突っ込まれてコケにされる自民党も、どうしようもない。

 

この国にはまともな政治家はいなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、俺達は、

被災地を見守りながら日常を送る

(そしてときどき募金する)

 

ただしNPOのほとんどは公金チューチュー尚且つ募金を中抜きして被災地に届けないクズ団体なので、ふるさと納税のような確実に自治体に貢献できる手段を選ぶべし。

 

なんにしても、これで終わりではない。

 

これから始まるのだ。

 

そして数年にわたって続くのだ。

 

日本の荒療治は。