日曜日。
今日は温泉旅行の初日。
なので今回のブログは、自分達のための覚書として行程を記すだけとなる。
このためオチらしいオチはないし、盛り上がりらしい盛り上がりもない。
つまり他人が読んでも何の意味も価値もない内容。
今日は旅行へ行く日なのに、午前10時過ぎまで家でダラダラと過ごす。
昨晩遅くサンタさんが娘とちび(7)にプレゼントを持ってきてくれたので、それらを確認。
娘はスマートウォッチとアフターショックのBluetoothヘッドホン。
石投げを深く反省したちび(7)は、本人が希望していたLEGOブースト。
みんなでこたつに入り、貰ったプレゼントに興じているうちに、出掛けるのが面倒になる。
嫁「行きたいんやけど、面倒くさいちゅー気持ちも湧くのは何でやろなー」
俺「旅行なんて大体はそんなもんだよ。行けば楽しいことがわかってるのに、なぜか自分の中の天邪鬼が囁くんだよね。面倒くさいって」
嫁「ほなら、行くか」
俺「行くに決まってるよ。でも、面倒くさいけど」
スマートウォッチをスマホとペアリングしている娘と、レゴブーストを組み立て始めようとしたちび(7)を叱り飛ばし、出発。
道路を走っていると、対向車線のみならず、こちらの車線も車が多い。
嫁「何でこないに混んどるんやろうな」
俺「暇な連中が多いんだよ。俺達みたいに」
嫁「土日の一泊でないだけ感謝すべきやろな。しかし、日月でこないな混み方しとるようじゃ、週末に出掛けるのは考えた方がええかもしれん」
俺「確かに」
日本人が同時に動く季節は極力外に出ないスケジュールで生きてきたのに、最近はコロナの影響なのか、こんなふうに連中とカチ合うことが多くて嫌になる。
空いている曜日と時間帯を再度研究し直す必要が出てきたかもしれない。
ちび(7)「おなかすいたー」
俺「そういえば、そろそろ昼だな」
で、第一次休憩ポイントに着いてみれば、駐車場は満車。
大量の人間の波。
日曜日だから仕方がないにしても、多すぎる!
嫁「あかん! ここはスルーしよ!」
俺「そうしよう」
ちび(7)「おなかすいたー」
嫁「次のチェックポイントへ急ぐで。あそこは空いてるはずや」
俺「OK」
駐車場をスルーして入り口から出口へ抜け、更に進む。
嫁「今日は天気もええから、みんな巣から出て来おったのかな」
俺「冬休みに入ったってこともあるんじゃない? うちと同じ理由」
嫁「作戦の詰めが甘かったか」
俺「今回は仕方ないよ。思い立ってから一週間しか経ってないし、日取りを選ぶ時間もなかったから」
嫁「しかし……鬱陶しい車の多さや……」
本当に人混みが嫌いな一家である。
第二ポイントに着いたのはお昼過ぎで、ここもそれなりに人は多かったが首尾よく昼食を取ることができた。
俺「よし。腹いっぱいになった。これで夜まで大丈夫だな」
嫁「んなら、先に墓参り行かへんか?」
先祖代々の墓の掃除のことを言っている。
実は今回は墓参りを最初から行程の一部に組み込んでいるのだが、当初の予定では二日目のはずだった。
俺「明日でもよくない? 予定では明日行くはずだったじゃん」
嫁「それでもええが、こういうことは優先順位を間違えるとあかん。ご先祖あってのうちらじゃ。つまり、うちらの都合よりもご先祖の都合を優先するべきや。ちょうど今、チェックインまでに中途半端な時間が生じたのも、満腹になって精神的に余裕ができたのも、天の導きや」
俺「言われてみればそうかもな」
というわけで方針変更し、少しコースは外れるが、明日の行程の一部になっていた墓参りに向かうことにした。
山々に囲まれ、自然の美しい場所にある霊園に向かう。
ちび(7)「おはかだー」
俺「久しぶりだな。春以来か」
嫁「コロナで一家全滅の憂き目に遇い、その後はあんたのシャント手術やら導入透析やらでなかなか来れんかってん、今日はしっかり掃除させてもらうで」
俺「だな」
4人で草をむしり、墓石を掃除し、花を手向け、手を合わせる。
嫁「ご先祖様、今年はいろいろあったが、道を踏み外さずに生きて来れたのは、ご先祖様のお導きあってのことじゃ。感謝しますよって、来年もよろしく頼むで」
俺・娘・ちび(7)「よろしくお願いします」
嫁「よし。これで今年の締めの一つは終わった」
娘「それにしても、何度来ても景色のいいところだねー」
俺「いずれ俺もここに入るからな。町中のごみごみした人混みだらけの所なんか冗談じゃない。死んだ後ぐらいは、連中から遠く離れた場所で静かに過ごしたい」
嫁「あんたらしいわ」
墓参りを終えた時点で午後三時を回ったので、宿へのチェックインは可能となった。
だが、素泊まりのため夕飯がない。
そこで道すがらスーパーマーケットへ寄り、夕食の弁当やら総菜やらを買い込む。
旅先でハズレの飯屋に入って落胆するくらいならと全員が思っているため、異議なく地元のスーパーに寄り、大量の食料を買い込んだ。
もちろん、食事をするために店先に並んで待つなんて論外。
こういう時は持ち込みが一番なのだ。
宿に着いたのは午後五時半。
チェックイン時に嫁ちゃんがスタッフと話したところ、曜日が曜日なので客は少なく、フロア全体が貸し切り扱いとのこと。
俺達が宿泊する部屋のフロアには、俺達しか泊まらないらしい。
こんな巡り合わせが嬉しいのだと思いつつ、荷物を置いたらさっさと風呂へ向かう。
大浴場はもちろん温泉のかけ流し。
これが今回の大目的なので、気が済むまで温泉につかった。
ちび(7)「あついよー。もうでようよー」
俺「もうちょっと」
ちび(7)「ぼく、でてるよー」
俺「遠くへ行くなよ。脱衣所で涼んでいなさい」
風呂から出たら、大浴場のそばに併設されていた小さなマッサージコーナーで足つぼマッサージ機を体験したりし、冷水器で冷たい水を飲んだりして、ちびと遊ぶ。
その後、女湯から出てきた嫁ちゃんと娘と合流し、部屋へ戻って夕食。
お弁当、お惣菜、スープ、サラダ、デザートに甘い物、飲み物たくさんを机の上に並べてパーティ。
お腹もいっぱいになったところで。
嫁「もう一度温泉に行ってきたらどうや」
俺「うーん……それはいいんだけど……温泉効果かな……何だか眠くて……」
気がついたらベッドに転がったまま気絶していたらしく、1時間ほど時計の針が進んでいた。
嫁「麻雀、借りてきたで」
俺「えー。こんなところまで来て、本当にやるの?」
ちび(7)「やる!」
俺「東風戦を2回までにしような」
1回目はちびのバカ勝ち。
2回目はちびの箱割れぶっとびで終了。
俺「気が済んだか?」
ちび(7)「もういっかいやりたい!」
俺「いや、もう十時近いからやめよう。明日もあるし」
ちび(7)「えー」
嫁「早く寝とかんと、明日がきつくなるで。ぼーっとしたまま寝不足で車に乗っていても、つまらんやろ?」
ちび(7)「わかった。ねる」
俺と娘はベッドで、嫁ちゃんとちび(7)は畳の上に布団を敷いて寝た。
今日一日を振り返ると、大した観光地を巡ったわけでもないし、豪勢な食事を取ったわけでもない。
だが、こうして家族で一緒に行動しているだけで、それなりに楽しい一日を終えることができた。
旅行なんて、そんなもんでいいのかもしれないと思う。
あえて言うなら、カプセルトイのコーナーがある場所なんかに立ち寄って、名所のピンバッジみたいな思い出アイテムを買いたかった。
だが、そういった場所は、得てして人出ですごいことになっていたので、今回は全面的にあきらめた。
それと、もう一つ大事なこととして、今日の宿がよかったら再訪するつもりで施設の見定めを行ったのだが、結果は満場一致で再訪確定。
次は年明けのタイミングで、また一泊二日の温泉旅行に来ようという話になった。
温泉卓球やビリヤード、ゲームコーナーのメダルゲームや射的で遊びたい、などの意見も出たので、これらは次回に実現するつもり。
無駄にお金ばかり掛けなくても、貧乏一家の温泉旅行はこんなもので十分。
楽しい一日が無事に終わったので良かった。