木曜日。

今日は午前中の出勤を休みにして障害関係の手続きで役所を回り、午後から透析。

今日の穿刺は神技師えっちー。

最近、えっちーが来るとテンションが爆上がりになるのだが、これは他の技師さんに大変申し訳ないと思う。

大変申し訳ないと思いながらも、今日も的確な神業で無痛穿刺完了。

しかもまた、針を入れた場所が最高によくて血管痛も皆無。

心の中で「毎回刺してくれませんかねー」と言いたかったが、それでは有難みも薄れるだろうし、一所懸命にやってくれている他の技師さんにも悪い。

だが、やっぱり無痛で穿刺してくれて、5時間チクリともしない透析は最高。

 

夢があるよ。

で、ついその夢を追っちゃうんだよ。

え「痛くないですか?」

俺「ぜーんぜん。本当に上手ですね。本当にまったく痛くないんですよ。……って、いつも同じこと言ってますね。俺」

え「いえ、だからエムラクリームのせいですし、あと場所がたまたま良かっただけです。……って、私もいつも同じこと言いますけど」

俺「今日の透析は爆睡できるなー。ありがとうございます」

え「いえいえ」

と言ったのにも関わらず、痛みがまったくない状態での透析も珍しいので、今日は久しぶりに5時間すべてをシナリオ作成に充てた。

これをしているとあっという間に5時間が過ぎてしまうのだ。

途中で看護師のやっちーがフットチェックをしに来てくれた。

血管の具合を見るためにつぼを押してくれるのが地味に気持ちよく、お金を払うからもっとやってもらいたいと思ってしまう俺は老害予備軍だろうか?

看護師さんに迷惑を掛けるわけにはいかないので、そのうちフットスパに行くことにする。





終わり1時間前くらいになって、どこからか看護師さんの声が。

看「〇〇さーん。起きてー」

看「目え開けてー」

看「寝ちゃだめよー」

看「ほら、帰る支度してー」

どうやらこの間バナナ事件を起こしたボケ老人が、また何かしでかしたらしい。

看「ここは泊まれないのー」

看「ホテルじゃないんだからー」

看「〇〇さんが帰ってくれないと私達も帰れなくなっちゃうー」

看「起きてー」

看「目え開けなさいよー」

看「だめよ寝ちゃー」

声だけが遠くから聞こえるが、身を起こしてそっちを見ることもできず。

ただ、想像するに、じいさんが透析を終えたのにもかかわらず、眠いから寝ていくなんて言ってるんだろうなーと思う。

ほんと、看護師さんを困らせないでほしいもんだ。

しばらくして老人もいなくなり、看護師さんの声も聞こえなくなった頃、返血が始まった。




今日の抜針は看護師のこっちー。

うっちーやら、えっちーやら、もっちーやら、よっちーやら、やっちーやら、こっちーやら、自分でも書いていてわけがわからなくなりそうである。

こっちーは初めて顔を見る看護師さんだが、返血が終わっていないうちからベッドサイドに待機してくれて、とても丁寧に抜針してくれた。

その後、神のえっちーが止血チェックをしてくれて、今日は終わり。

帰ってきてシャント肢がとても痒くなり、ちょっと掻いたら脱血側の穿刺跡に血がにじみ始めたので、慌てて再度止血。

5分で止まり、事なきを得た。

んー?

穿刺跡の周囲が真っ赤にかぶれていたので、テープが違うことに気づく。

ひょっとしてえっちー!

アレルギー非対応のテープで止めてくれましたね!

……でも、恨まないよ、えっちー。

5時間のあいだ無痛で透析が受けられるのなら、テープかぶれなんて何でもないのさ。