今日は土曜日出勤。

でも半日だけで、午後は透析。

うーん、しかしいくら午後透析とはいえ6連勤はきついなー。

 

 

今日の穿刺は技師ではなく看護師さんの、よっちー。

よっちーは今まで何度も止血シールの貼り換えをしてくれたり、時々は止血をしてくれたりと、たびたび会っているのだが、穿刺をしてくれたのは今日が初めて。

いつだったか「技師だけじゃなくて看護師も穿刺ができるんですねー」とうっちーに言ったら笑われて、「何を言うんですか。彼女達のが上手ですよ」と諭されたこともある。

よっちーがほぼ痛みもなく2本の針を入れてくれた直後、インカムで呼ばれてしまったので、たまたま通りかかったやっちーが交替して固定をしてくれた。

俺「やっちーさんは、ここに初めてお世話になった時にお会いしてますよね」

や「そうそう。覚えててくれましたか」

俺「ところで変なことを聞きますけど、さっきの看護師さんて、よっちーさんでいいんですよね」

や「そう、よっちー。ベストオブ可愛いちゃんだよ。うちのクリニックのおすすめ」

俺「まあ、よっちーさんが可愛いのも認めますが、皆さん可愛いですよ」

や「お上手ですねー」

言った後でヒヤッ。

こういう発言が受け取られ方によってはセクハラになるのだ。

だからこの話題はこれで終了。

俺「ところでやっちーさん」

や「はい」

俺「今、私はこのクリニックのスタッフ全員の顔と名前を覚えようと思ってるんですけど」

や「それは壮大な計画ですね」

俺「看護師さんって、何人いらっしゃるんです?」

や「15人です」

俺「あー、そりゃ無理かも。覚えるの」

や「そうでしょう。それにみんなフェイスガードして、マスクして、体型も似たり寄ったりだと、区別がつかないよね」

俺「あ、わかってもらえます? この苦労」

や「だからってわけじゃないけど、あたしはチョンチョンにしてるのよ」

説明しよう。やっちーのヘアスタイルはプリティなツインテールなのだ。

俺「なるほど。それで覚えてもらうわけですか」

や「髪型くらいしか区別できるポイントないでしょ? でも、患者さんの中にはすごい人がいて、スタッフを声で区別する人もいるよ」

俺「おお! それはかっこいい! 耳の良い人なんでしょうね」

や「それは知らないけど」

と言いつつテープで固定してもらい、5時間OHDFスタート。

(↓こんな絵しかなかった……)



 

ところが。

 

今日は気が立っていたのか、バイオリズムの巡り合わせが悪かったのか、やたらと血管痛がする。

たまたまニッキーが通りかかったので、ヘルプをお願いした。

ニ「痛いんですか?」

俺「そうなんですよ。よっちーさんは上手に入れてくれたし、穿刺痛は全くなかったんですけど、チクチクしちゃって」

ニ「わかりました。それじゃ針の位置を直してみましょう」

俺「……」

二「どうですか?」

俺「うーん、変わったような、変わらないような……」

二「実はぼく、何もしてません」

俺「おいおいおい!」

二「これは大事なことなんですけど、プラシーボって知ってます?」

俺「それを今ここで解説する!?」

二「ご存じならいいんですけど、これってすごく重要なんです。患者さんの痛みさえ取れれば、実際に針を動かす必要はないんです。動かしたことでもっと痛くなることだってありますから」

俺「だけど、いきなり種明かしされても面白くないなー」

二「それじゃ今度は本当に見てみますね。うーん、ちゃんと入ってるなあ。きれいなもんですよ」

俺「それはわかってます。よっちーさんが丁寧に入れてくれたんだし。でも痛いものは痛い」

二「それじゃ、更にいじってみますね」

俺「……」

二「どうです?」

俺「何かチクチクが取れてきたような」

二「(俺)さんはプラシーボ発言をする必要はありません。正直に言ってください」

俺「ほんとだって。取れてきた取れてきた」

二「だからぼく、何もしてませんよ」

俺「おいこら!」

二「嘘です。針先を少し引いてみました」

俺「あのねぇ……」

二「でも、どうです? 痛みは」

俺「プラシーボじゃなくて本当に薄らいできました」

二「よかった。それじゃこれで様子を見ておいてください」

そこへよっちーが通りかかり、テープを止め直しているニッキーを見て。

よ「あら? 痛くなっちゃった?」

これを肯定したら、穿刺をしたスタッフに「あなたの刺し方に問題があったため血管痛が出ています」と言っているようなものなので、とっさに出た言葉が。

俺「プラシーボです!」

よ「?」

俺「というか、気のせいでした!」

よ「そうですか」

よくわからないリアクションでうやむやにできたので、まあよし。

 

しかし、名前と顔を覚えるプロジェクトの完結は遥かに遠い。