土曜日。

昨日も書いたが、午前中は急遽呼び出されて出勤。

適当に仕事をこなし、「あとは来週月曜日~」と午前中で退社。

帰宅して嫁ちゃんのご飯をいただき、透析の準備。



今日の技師は過去記事にも出てきた穿刺と冗談が上手い男性技師。

適切なニックネームがつけられないので、土方歳三と名づける。

俺「思うんですけどね」

土「はい」

俺「ここのところQB200で回してもらっているんですが」

土「そうですね」

俺「だったら17Gに戻してもらえませんかね、穿刺針」

土「(俺)さんは太い針は嫌いですか?」

俺「……(これ、ジョークの前振りだぞ、きっと)……誰だって嫌だと思いますが」

土「そうですね。透析効率を上げるには針を太くすることは必要ですが、(俺)さんの場合、そんなに慌てて効率を上げる必要もないですし、17Gに戻しましょうか」

俺「助かります。いずれQBを250とか300とかにする時は、ちゃんと16Gを受け入れますけど、QB200だったら16Gの必要はないし、何か損している感じがして」

土「そうですね。痛い思いをして16Gで穿刺されているのに、QBが200のまま。確かにこれは損をしたと感じてもおかしくありません」

俺「なんかその言い方、不意打ちでブラックジョークが来そうな感じで身構えちゃうんですけど」

土「あ、ばれましたか。なら今日は止めておきましょう。ではさようなら」

俺「いやいやいやいや! 穿刺はしてくださいよ! 5時間の間、ただ横になりに来たわけじゃないんですから! 早くブスッとやってくださいよ!」

突然のことで17Gの針の準備ができず、今日は16Gで穿刺してもらい、せっかくだからQB220で回してもらった。

だが、やはり後で家に帰って見てみると、16Gの穿刺跡のかさぶたは大きくて痛々しかった。

17Gならこんなふうにならないのになーと思いつつ、技師うっちーが「いずれは15Gあたりも考えています」という言葉を思い出して身震いした。

まあ、それは俺の予後を考えて言ってくれているのだろうし、そうなった時に考えることにして、今は忘れることにした。




土方さんに穿刺してもらっている最中、神穿刺の女性技師えっちーがやってきた。

え「(俺)さん、ご依頼の書類ができました」

この人は余計なことを喋らないし、どちらかと言うと愛想もよい方ではないが、以前の記事にも書いたように、何だかすごく神秘的な魅力を感じる不思議な人なのだ。

俺「書類って……ひょっとして年金のですか?」

え「そうです。お金をいただかないと渡してはいけないと言われているので、先に請求書を持ってきました」

俺「はいはいはい! 払います払います! 喜んで払います!」

というわけで速やかに代金を払い、年金申請に必要な診断書を渡してもらった。

これで明日、レターパックで保険会社に年金申請ができるようになった。いやー、長かったけど、これでようやく障害年金の申請ができる。

穿刺を終えた土方さんに、去っていったえっちーの本名を再確認。

記憶と照合したところ間違っていなかったことがわかり、これで完璧に彼女の名前は覚えたので安心して、アテンダントの検温とドクターの回診を終えて寝た。

これ以外に透析についてのトピックはなく、5時間のOHDFを終えて帰途についた。

(血圧がすっかり安定していい感じ)



今日は3時間ほど寝たのだが、その後は何となく目が冴えてしまったため、シナリオの原稿を書き始めたのだが、あまり気分が乗らない。

なのでこういう時は好きな音楽を聴くのが一番と、Webでジューダスプリーストのロックの殿堂パフォーマンスのムービーを見た。

 

 

 

いやー、まさかAnotherThingをギター3本とドラム2台で聞ける日が来ようとは!

レスビングスも懐かしいが、とにかく俺が嬉しかったのは、ステージ下手(しもて)でフライングVを弾いていたKK.Downingの姿が見られたこと。

KKは70歳なんだよなー。

もう年なんだから、あんまり無理しないでくれよ、とエールを送る。

それにつけてもジューダス自体は、ロブの存在価値もほとんど無くなって、もうバンドにアルバムを買うだけの魅力ははっきり言って残ってないと思う。

古参ファンが惰性で応援しているケースが多いのではないか。

こう言ってる俺もガル時代のファーストから全部のアルバムを持っているけど、ロブが抜けた後にリリースされた「ジャギュレイター」を最後にアルバムを買うのは止めた。

実質「ペインキラー」が最後のジューダスのアルバムといまだに思ってる。

 

(「ジャギュレイター」も売らずに取ってあるけど)

後にKK'S PRIESTのボーカルとして戻ってくるティムオーウェンスが、ロブのかわりに歌っていたアルバムは一枚も持っていない。

その後、ロブが復帰してからリリースしたアルバムも一切買っていない。

再びジューダスの血脈を耳にしたのは、KKが結成したKK'S PRIESTのファースト「サーモン・オブ・ザ・シナー」だ。

こっちの方がよほど往年のジューダスらしく、聴いていて気持ちがいい。

その少し前に発表された本家ジューダスの「ファイヤーパワー」も試しに聴いてみたけど、ダメだった。

魂に響かなかった。

だけど「サーモン・オブ・ザ・シナー」は響いた。

あのアルバムのPVを見た時は、大好きなKKが戻ってきてくれたと思うと感涙にむせび泣いた。



晩年のジューダスは、トラヴィスのドラムは好きだったけど、KKの代わりにリッチーフォークナー、グレンの代わりにアンディスニープが弾いているジューダスなんて、ジューダスじゃないと思ってた。

グレンとKKのツインこそがジューダスの魅力じゃなかったのか。

ナイトレンジャーのブラッドギルスとジェフワトソンみたいに。

それにしても、ジューダスの魅力は色あせたものよ。

アーティストも年を取るのだから、経年劣化は仕方がない。

だが、若手を育てて血脈をつなぐという作業は可能ではないのか?

それこそKKがやったように。

今回のロックの殿堂パフォーマンスでは、代役アンディではなくグレンが登壇していたらしいけど、彼も病体を押しての出演だからなのか、往年の勢いやカリスマは見られなかった。

最初は「あれ? グレンどこ? いないの?」なんて思っちゃったし。

イアンは遠くから見てもプレイスタイルで一目瞭然だったからいいけど。

とにかく、ステージ下手(しもて)でKKが元気にリフを刻んでいる姿が見られて良かった。

そうそう、彼らを「ジューダス」と呼ぶことをサゲてくるにわかどもに言いたい。

お前らは昨今の慣例に従って「プリースト」と呼ぶのが王道だと思ってるだろうが、俺達にとって彼らは死ぬまで「ジューダス」なんだよ。

ロブが「ジューダスではなくプリーストと呼んでくれ」と言っても、嫌だ。

でも、KKがそう言ったら考える。

というか、俺の中ではKK'S PRIESTこそが「プリースト」であり、ジューダスはジューダスでしかないのだ。

とにかくあと15年、KKがPRIESTを結成した69歳までは、何としてでも生きる。

このブログの一番最初の記事にも書いたが、彼がバンドを再結成した69歳まで血液透析で元気に生きることが今の俺の目的。

穿刺針のゲージを太くされようが、QBを上げられようが、予後をよくするためなら何でもする。

そしてその年になれば、チビ(7)もめでたく22歳だし、一人前に育った息子を見れば、もうこの世に悔いはないはずだから。

 

大好きなKKのギターを聞きながらあの世へ行ければいいと思った。