20180121 宮古島ワイドーマラソン参戦記(後編) | MY FAVORITE SPACE

20180121 宮古島ワイドーマラソン参戦記(後編)

(前編からの続き)
いよいよ宮古島ワイドーマラソン当日の様子を書いていきます。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(まずはレース概況から)

宮古島ワイドーマラソンの100kmの部は島を1周するコースとなっています。厳密に言うと途中の小島に寄ったり、岬で折り返したりしますので単純な1周ではありません。

でも、それが当レースの「スパイス」になっていると今は思います。単純にグルリと回るだけなら後半は終わりのない砂糖きび畑を延々と走る実に退屈なコースになってしまうでしょう。

GPSウォッチから吸い上げたデータを地図にプロットしてみました。上部に2ヶ所飛び出た部分がありますが、伊良部島と池間島をそれぞれ往復する部分です(来間島は橋の途中で折り返し…)。そしてトレースは70km地点で途絶えてます。

残念ながら70kmでリタイヤしました…
ショボーン

その先は80km地点の東平安名崎を経た後、ひたすら西へ西へと向かいゴールに向かうはずでしたが残念ながら力尽きました。

前半は何とかペースを維持しましたが、40km超えたあたりから暑さが厳しくなり急激にペースが落ちました。70km地点までは意地で歩き通した感じです…
( ̄∇ ̄*)ゞ

こちらが翌朝の宮古島毎日新聞の一面です。
ちなみに100kmの部は577人が出走し、329人が完走したそうです。完走率は57.02%だったようです。う~ん、かなり低かったんですね。みんな暑さでやられてしまったのでしょう。
紙上に「熱い走り」とありますが、「暑い走り」の間違いでは?

ちなみに過去の完走率はどんな感じだったのでしょうか?

【過去の完走率】
以下のように概ね70%を超えるのが通常のようですが、時として2016年のように悪天候が原因で大きく下がることもあるようです。

     2017年  73.1%
     2016年  60.3%(注)
     2015年  72.6%
     2014年  70.1%

(注)2016年の大会って?
ネット上でその様子を調べてみると、その日はとんでもない暴風雨だったようで、時間降水量100mm超を記録。道路もそこらじゅうで冠水するという災害レベルの悪天候だったそうです。
(写真はネット上からお借りしました)

まあ、2016年をさらに下回るということは、いかに過酷な状況だったかを如実に示すと言えましょう。天気が良いのはいいことですが、あまりに良すぎるとこういうことになるんですね。
昨年の酷暑の野辺山を思い出します…


ちなみに同紙上で数名のコスプレランナーが紹介されてました。
左端が幻のコスプレランナーのクレオパトラさん。右端が赤い彗星のシャア・アズナブルさんです。何とNAOANもカードキャプターさくらとして右から2番目に登場しました♪
(^o^)v

取り上げていただき光栄です!
m(_ _)m

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(ここから当日の様子)

起床は午前2:30。それなりに熟睡することができました。ただ体調は万全ではなく、朝食後に風邪薬を服用しました。

朝食はホテルでお弁当を準備していただきました。ワイドーマラソンの特別対応のようです。ワイドーマラソン自体は既に28回目の開催ということもあり、地元としても恒例行事となっていることから受入体制もスムーズなんでしょうね。

お弁当は炭水化物メインのボリューミーなもの。ウルトラ前のエネルギーチャージには最適かもしれませんね。

ホテルの部屋でお弁当を食べた後、レースの準備をしながらタクシーの待合せ時刻の4時を待ちます。

4:00にタクシーに乗り、会場に向かいます。
勿論ホテルで仮装してからタクシーに乗り込みます。運転手さんもびっくりしたことでしょう(笑)。

そんな訳でさくらはタクシーで会場に乗り付けます…

おはようございます、さくらです♪
まだ真っ暗ですね…
今日は100kmマラソンのために宮古島までやってきました!
\(^o^)/

スタート会場ではさくらのことを白山白川郷や四万十で目撃された方が多くおられ、沢山の方にお声掛けいただきありがとうございました♪

ウルトラマラソンはフルマラソンと比べると参加規模はそれほど大きくないはず。それにもかかわらずこうして二度三度別の地でお会いすることがあるということは、いかにウルトラマラソン教の熱狂的信者(重度のウルトラマラソン依存症患者?)が多いかと言えましょう。

勿論、NAOANもそのうちの一人ですが(笑)。
(σ≧▽≦)σ

5:00の号砲とともに577人の100kmウルトラランナーが一斉にスタートします。
さあ、このうち何人のランナーが生き残ることができるでしょうか?

会場周辺は照明により明るくなってますが、スタート会場を出ると辺りはまだまだ漆黒の闇。空を見上げれば満天の星空です。

暫くはキロ7分程のユルいペースで進みますが、隊列もバラける頃にややペースを上げて行きます。暗闇なものだから、スピード感がよく分からない。気が付いたらオーバーペース気味になっていたりします。

エイド自体は過不足なく丁度いい間隔で設置されています。特に「宮古島らしさ」というものはありませんが、水分、炭水化物、フルーツなど栄養補給には十分と言えます。

6:50伊良部大橋に差し掛かります。この時間帯、東京では既に明るくなってますが、宮古島は遥か西。そのため夜明けが遅いのです(逆に日没は遅く、19時頃まで明るい)。

ようやく辺りが明るくなり始めました。振り返ると朝焼けの下、ランナーのヘッドランプが列を成しているのが見える。

これから暑い1日が始まる…
プンプン

伊良部大橋を渡り切ると島には入らず折り返します。

伊良部大橋です!
全長3540mで、通行料を徴しない橋としては日本最長なんだそうです。
ん?往復するわけですから、この区間だけで7kmもあるんですね~

伊良部大橋を渡り切ったところにあるエイドにて。こちらで小休止です。

バナナ🍌いただきました♪
しっかり補給しましょう。

宮古島の至るところにある「宮古島まもる君」です。記念撮影させていただきます!

伊良部大橋をまた本島に向かって走り出します。今度は明るくなったので、橋の全貌が見えてきました。

東の空から控えめですが、太陽が顔を出します。それにしても橋がジェットコースターのようですね!
びっくり

記念撮影をしたりしながら悠長に走ってきたため、いつの間にか周囲のランナーも少なくなってきました。
でも、既に20℃を超えているため、あまり焦らず行きます。今のところ「完走目的」ならそれほど大きく遅れているわけではありませんし…

朝から蒸し暑くてなかなかしんどいですが、何とか4分の1を超えました。
平良地区を駆け抜けます。
ε=┌(;・∀・)┘

平良地区は宮古島の中でも中心的な場所であり、官公庁や港湾施設、飲食店や宿泊施設の大半が存在します。
それだけに早朝ながらギャラリーも多く、走り甲斐があります。

それでも宮古島の暑さは半端ではなく、走り続けるのは容易ではない。

ここは「さくらカード」の魔法で難局を打破するしかない!
d(⌒ー⌒)!

(ここから一部フィクションあり…)


どのカードさんがイイかな~
o(^o^)o


レリーズ!
あっ、間違えた!違うカードだ…
ヾ(・д・`;)

ほえ~!間違って「パワー」のカードを使ったらランナーさんが横綱さんになっちゃった!
!!(゜ロ゜ノ)ノ

この後、さくらとこの横綱さんは暫くの間抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げるのであります。

あれれ?見覚えがある風景…
向こうに見えるのは確か市役所。
そうか!宿泊先の近くまで走って来たんだ。
宮古島は土地勘がまったくない。
おまけにスタート地点から暫く暗闇の中を走ってきたため、正直なところどこをどう走っているのかサッパリ分からなかったんです。

前日も散歩で訪れたら平良港を通過!


太陽が高く昇るとともにパワーアップ!
エイドを通る度にズラを外して豪快に被り水をします。
それにしても、宮古島では至るところにハイビスカス🌺が自生してますね♪
南国ムード満点です!
d(`・∀・)b

平良を過ぎるとサトウキビ畑が増えていきます。栽培が盛んなんですね。
ちなみに宮古島には製糖工場がありまして、今回もレースの途中で通過しています(まだ暗い時間帯だったので分かり辛いですが)。

今の時期は「製糖期」にあるらしく、至るところでサトウキビの刈取りが行われてます。現地の方に聞くところによればサトウキビにも糖度による等級があるそうで、買取り価格にも差が出るそうですよ。

こんな感じの道が延々と続きます。
お店等はほとんどありませんが、まだ時折民家はあります。

また、サトウキビの刈取りをしている方も時々見かけます。ちなみにサトウキビってどうやって栽培するかご存知でした?

さくらは初めて聞いたんですが、30センチくらいの苗(カットしたサトウキビに根が生えた状態のもの)を植えて育てるのだそうです。

30km地点のエイドです。
もうここらへんは人がいる施設はエイドしかありません。今日は暑いからボランティアさんも大変ですね。

ちょっとコースから外れますが、コースから海がキレイに見えるスポットがありましたので、ちょっと寄り道します。

今日は晴れてるから海の色が映えます♪


おや?こちらにも宮古島まもる君発見!


あ、幻の仮装ランナー・クレオパトラさんだ!全国至るところで走っておられる方で「仮装界(?)」では有名な方です。いつかどこかでお会いできるだろうと思っておりましたが、ここ宮古島の地でお会いすることができました♪
記念にパチリ!
(^o^)v

狩俣地区を通過します。左手はスーパーマーケット的な店舗です。「購買組合」という名称が何やら昭和チックな雰囲気を醸し出していますね。宮古島を走っていて感じたのは、この「昭和チックな雰囲気」が随所に残っているということです。
決して「時代遅れ」という意味ではなく、今やかえって懐かしさと同時に新鮮な印象を受けます。

お?遥か先には海にかかる大きな橋!
その先にあるのが池間島です。
ほえ~!あんな遠くまで行くの?
( ; ゜Д゜)

あまりに遠くまで見渡せると、かえって気分が萎えるものですね…

横綱さ~ん、待って~
この後、さくらは横綱さんに追い付くことはありませんでした…
( ;∀;)

池間島に向かって海上の橋を渡ります!

「世渡橋」だそうです。何か意味深なネーミングですね(笑)。

今日は晴れているからいいけど、遮るものがないから悪天時は強風に煽られるかもしれませんね。今日は暑いけど、この時期にこれだけ美しい景色が見られたのは幸せかもしれない…

どうです、この海の色!
宮古島は山がなく、海に注ぐ大きな河川がないから陸地の土砂が海に流れることがないのでこれだけ海の透明度が保たれるんだそうです。
まさに奇跡の島です♪
d(`・∀・)b

世渡橋を渡ってすぐに池間大橋に入ります。

池間大橋の途中で40km地点を通過します。

池間大橋を渡り切ると目の前にエイドがあるとともにお土産店があります。やはり風邪気味だったところに暑さが疲労に拍車をかけたようで、体力回復するために少々こちらで休憩させていただきました。

基本的に辛党なさくらですが、今日は疲れているせいか無性に甘いものが欲しくなり、柄にもなくソフトクリーム🍦をいただきました。
紅芋とバニラのミックスで、とても美味しかったですよ♪

池間島大橋を折り返したところに景色が良さげなスポットがありましたので寄り道します。

いや~、こんな景色見たことありません!
海ってこんなにキレイだったんですね♪

池間島と池間大橋をバックに記念撮影。丁度旅行中のご夫妻がおられましたのでシャッターを押していただけました。とても良い記念になりました。ありがとうございます♪
照れ

撮影のあとレースに戻りますが、暑さがより強烈になりなかなかペースも上がらなくなります。歩きも入れながら何とかレースを続行します。

11:25 46.5km地点のレストステーションにヘロヘロになりながらも到着。スタートから6時間25分要してます。こちらは第1関門も兼ねており、閉鎖時刻は13:00です。

約半分の距離の関門の閉鎖時刻がスタートから8時間というのはかなり緩めな設定ですね。どう考えても前半8時間かかって、後半の54kmを6時間で走りきるというのはかなり無理な設定かと…

まあ、それだけ競技性は薄めで、宮古島を思う存分楽しんでほしいという意図なのでしょう。

こちらではパンやおにぎり、そして「ゆし豆腐」が振る舞われます。

さくらも腰を下ろしておにぎりとゆし豆腐をいただきます。ゆし豆腐に味噌を入れると「濃厚な豆腐の味噌汁」に変身します。

この時点でかなりバテており、食事が喉を通らない状況でしたが、ここで補給を怠るとハンガーノックになることからゆし豆腐でおにぎりを何とか胃に押し込みます。

また、あまりにも暑いため木陰で30分ほど横になりました。

12時前にはレストステーションを出発します。残り7時間で54kmを走りきる必要があります。前半並のペースを保つことができれば完走は十分に可能だ。

でも、今の体調でそれはかなり難しい。走ったり歩いたりで辛うじて距離を伸ばしている状況。徐々に敗戦色が濃厚になってきました。

ランナーとのスライド区間を抜けると自分との闘いだ。人家すらなく延々と続くサトウキビ畑、上からギラギラと照りつける太陽…
聞こえるのはザワワザワワと風にそよぐサトウキビの葉が擦れる音だけ…

それでも歯を食い縛ってラン&ウォークで食い下がります。あとはどこで自分と折り合いを付けるかだ…

さくらも疲労の色を隠せない。
エイドごとに盛大に被り水をして気合いを入れて走り(歩き)続けます。
50kmを越えると各エイドでのリタイヤ者が急に増えてきた。

うなだれて収容を待つランナー…

コース途中で大の字になるランナー…

もはやサバイバル戦の様相を呈してきた。
昨年の猛暑の野辺山を思い出す…

道端の自販機がオアシスに見える…

60km地点を通過
少し日が陰ってきたので下りでペースを上げるものの、長くは続かない。

80km関門まであと15kmかぁ~
果てしなく遠い…

何だか日に焼かれて疲労感が滲み出てますね。
ようやく東平安名崎が遠くに見えてきました。

どんな景色が待っているんだろう♪
行ってみたい…
行けるかな…
おねがい

70km地点到達です。
粘りに粘ってここまで距離を伸ばしましたが、次の80km関門(東平安名崎)まで残り25分となりました。もはや万策尽きたようです…

さくらのワイドーマラソンは70km、10時間55分で終了しました。

見ることができなかった80km地点、どんなところだったんだろう?

こちらが80km地点の東平安名崎なんだそうです。キレイな岬ですね♪素晴らしい天気だった今回行ってみたかったなあ…
( ;∀;)
(写真はいずれもネットからお借りしました)

ちょうど収容バス(マイクロバス)が到着したので乗せていただくことにしました。他にもリタイヤしたランナーがおられたので満員にならないうちにリタイヤ申請してしまいます。

自力で戻ってくることができなかったスタート兼ゴール地点。既に到着した100kmランナーもおりましたが、まだまだ序盤。ゴール地点にいる大半は黄色いゼッケンの22kmランナーのようです。

19:30から交流パーティーがありますが、開始まで3時間以上あるためタクシーでサクッと会場をあとにしました。

やはりリタイヤ後のゴール地点というのは居心地がよろしくないものですから(笑)。

敗者は早々に去ることにします…
ショボーン

(波乱のアフター編に続く)