3月12日から宮城県へ行っていた。
北大病院に勤める恩師からの要請で応援に行ってきたが、正直少しばかり疲れた。
ここへ帰ってくると別世界に来たように平和を感じる。
11日の震災では家の近所の道路にも、若干ひび割れが入ったものの、
建物にも、部屋にも被害は殆どなくて良かった、の一言。
家族にも優作にも、何もなくてほっとしている。
仙台に出かけるにあたって、実家に預けていた優作が心配だったので、
昨夜帰ってきたのだが、いつも通り良い子でお留守番をしてくれていた。
今日はゆっくり過ごして、一緒に寝ることにする。

僕の車はガソリンを食らうので、現地では調達に苦労したけれど、
こちらでは馴染みのスタンドで簡単に給油することができた。
予備タンクも積み込んだので、これでしばらくは問題なく走れると思う。
日本では無用の長物だと思っていたH2の巨体だが、今回のような被災地では、
瓦礫を難なく踏み越えて進むのに、大いに力を発揮してくれた。
見る影もなく泥だらけになってしまったけれど、直ぐに仙台に戻るので汚れたボディーはそのままで。
一線を退いて数年経つ僕に、たいした事は出来ないけれど、少しでも人の役に立てればと願って、
応援に参加することを決めた。

現地で持ち歩いていたクラシックⅡが壊れてしまったので、家にある予備を持って行く。
首にかけて走り回るにはチェストピースがでかくてちょっと重いけれど、ポッケに入れて歩けば良い。
機動力に関してはクラシックⅡ S.E.だが、音量や明瞭さはこのカーディオロジーⅢに分があるかもしれない。
TRIBUTE TRIBUTE
持ち歩きにはマスターカーディオロジーでも良いが、重い点ではこっちも同じ。
高齢で痩せた人を診るのに小径のダイアフラムがあった方が便利なので、こっちを優先で使うことにする。
新生児では、どちらの機種も用が足りないので、あいにく持ち合わせがない。
以前学生に良い聴診器選びについて質問を受けたことがあるけれど、
心臓でも呼吸器でも雑音のない環境でじっくり診るのでなければ、それ程大きな違いは感じられない。
LittmannでもWelch Allynでも入手しやすいものを選べば良い、もちろん日本のメーカーでも同じ。
機種による優劣も特別心配には価しないし、消耗品であることは言うまでもない。
使い方もあると思うが、やはり壊れるときには壊れるのが聴診器だと思う。
良く聞こえるものでも聴診のエキスパートでなければ、聴診のみで確実な診断をくだすことは難しいと言える。
まずはⅠ音、Ⅱ音の状態から正常であるかを、聴き分けることがいちばん大切なことで、
そこにⅢ音やⅣ音の出現を見つければ異常ということ。
正常でない要素を見つけるために必要な機能は、オモチャの聴診器でさえなければどの機種も備えている。
要するに自分が使いやすいものを選び、好きな色を持つ事が良いのだと思う。
ひとつだけ言えるとしたら、100gという重さでも、1時間首にかけていればそれなりに苦痛になるということ。
長時間首にかけて仕事をする環境にあるひとは、出来るだけ軽いものを選ぶに越したことはないと僕は思う。

今思い出してもあの惨状は別世界のことのように思える。
明後日には現地に戻るが、気合いを入れないと戻るのが難しいと思えるのは何故だろう。
喉元過ぎれば・・・・という言葉があるけれど、まさに今はそんな気分である自分が少し情けない。