3月某日。
天候は雨。
気温11度~3度くらい。
一週間以上経つが、今でも鮮明に思い出せる。
おそらくは今までの人生で一番勘の外れた一日であった。
あと一番思い込みに左右された一日でもあったろう。
あと一番自分が信じられなかった一日でもあったな。
あと一番いろんな乗り物で乗り物酔いした一日かもしれない。
あと一番何かあれがあれだった一日であった。
起床は午前6時。
うちのカリモク(安物)のソファを見ると良く見知った顔が。
ああ。
そっか。
俺、男を抱いちまったのか。
そんなことない。
そんなことないと自分に言い聞かせて支度する。
友人と寮を出たのが6時半くらいか。
ETCが付いている僕の車(通称昆虫)に乗り込む。
そう。
県外遠征である。
前日の晩に友人がうちに来て、どこ行こっか~?なんて話をした。
晩の1時を超えていた。
眠たかった。
しかしなかなか決まらない行き先。
何食べる?
何でもいい。
何処行く?
何処でもいい。
死ぬ?
うん。
こんな感じのやり取りしかできない優柔不断な僕。
よく愛想尽かされないもんだ。
そんなこんなで行き先は八方に決まった。
長野県である。
車で金沢東ICに乗る。
走る。
雨だねーテンション下がるわぁーなんて会話が交わされる。
JCTが見える。
富山方面と岐阜方面に分かれている。
岐阜方面に車を進める。
何の迷いもなく進める。
勘の良い方ならお気づきだろう。
ここで最初のミステイク。
糸魚川ICで降りたい僕らは富山方面に進まなければならなかった。
何故だろう。
東海北陸自動車道に乗らなきゃならないと頭の中は何故かそればかり。
おそらく。
おそらくだが、かつて東海北陸に乗らなきゃいけない場面で間違えた記憶が、僕をそうさせたんだと思う。
あの時は東海北陸に乗らなきゃいけないのにもかかわらず何故か金沢西ICから福井方面に車を進めたという。
間抜けを通り越して自分でもわざとやってるんじゃないかと錯覚する。
そんなことない。
そんなことないと言い聞かせて「ごめん、道間違えた」と正直に友人に告白した。
「見てなかった俺も悪いんだから気にすんな!」と許してくれた。
本来なら打ち首ではすまないミスだった。
しかも前科持ちだ僕は。
戦国時代の合戦に例えるならあれだ、川中島第四回戦だ。
武田信玄「早いとこ上杉ぶちのめしてお家に帰りたいお」
軍師「御屋形様、我に必勝の計有り」
信玄「苦しゅうない。申してみよ」
軍師「啄木鳥の計にて候」
信玄「ナニーソレー」
簡単に言うと、上杉の篭る妻女山に先鋒部隊が奇襲を仕掛け、慌てて山を降りた上杉軍を武田本隊が迎撃。
背後から先鋒隊が横槍ついて殲滅しちゃおうぜって作戦。
結局上杉に作戦を読まれて、先鋒隊奇襲前に山降りて武田本隊はフルボッコされる。
奇襲に失敗したと気づいた先鋒隊が急いで戦場に戻り、武田が息を吹き返して合戦は痛みわけに終わる。
という感じ。
そこで今回の僕を先鋒隊に置き換えてみる。
先鋒隊出陣→作戦を読んだ上杉、山降りる→先鋒隊迷子
→上杉、武田本隊に攻撃開始→武田耐える→先鋒隊遠回りして妻女山へ
→上杉、余裕→武田、全滅寸前→先鋒隊、妻女山に到着するも上杉いない
→上杉、武田がかわいそうになってくる→武田本隊全滅→先鋒隊合戦場に到着…
どうだろうか。
打ち首ではすまないミスだと思わんかね?
そんな僕をやさしく迎えてくれた友人に感謝したい。
結局飛騨清見ICを降りて松本方面へ走る。
途中迷子になりながら(有料トンネルを完全にスルーした結果)。
たどり着いた八方。
ゲレンデ左方にはジャンプ台。
ラージヒルとノーマルヒルという奴だろう。
圧巻だ。
駐車場を探すが、有料で近くのホテルの駐車場を借りるしかない感じだった。
スキー場の駐車場が見当たらないという。
しかたなく、その辺のホテルの駐車場を借りる。
準備して、さあお金を払おうと思ったところで2℃目(にどめ)のミステイク。
金払う場所がわからず「とりあえず券売り場で聞こう」ということになり。
午後券を購入し、聞く。
…どうやら駐車場の真正面にあるらしい。
駐車場まで歩いて戻り正面を見ると確かに、あった。
正味15分は無駄にした。
僕らは結構この時点で体力の消耗が著しかった。
なんせ3時間半しか寝てない。
まぁそれはおいといて。
そんなこんなで滑走開始は午後1時を回っていた。
シャバ雪だった。
長野なのにシャバ雪だった。
そりゃあ長野でも雨降ったらシャバ雪だろうな。
斜度のきつい斜面が多くて、グラトリの練習はいまいちはかどらない。
でもせっかくきたんだ。
途中挫折して「岐阜にしようぜ」とか言いながらも頑張ってたどり着いたんだ。
フリーラン中心の練習に切り替えると、斜度が何度だろうと関係なくなる。
楽しくなる。
こぶに足元をすくわれてこける。
楽しくなる。
ためしに360回そうとしてみる。
胸強打。
しばらくorz←こんな状態。
途中、自分のボードテクニックに酔う。
酔いしれる。
吐きそうになる。
リフトでも揺れで酔う。
吐きそうになる。
…楽しい時間はあっという間に過ぎ。
さあ帰ろうかといったところでラストミステイク。
車を止めた場所がわからない。
八方のゲレンデは最下層が4つのコースに分かれており、自分たちが一番最初に何処のリフトに乗ったのかを覚えていないと、帰りがやたらめんどくさいというシステムになっていた。
伝わらなかったら八方尾根で検索してコース情報でも見てください。
まぁしゃあないとボード担いで車を探す。
まずは自分たちが一番最初に乗ったリフトを探す。
ことごとくはずす。
もうめんどくさくなって適当にホテル街をアルクアラウンド。
(道が分かれてるけど)どっちかな?と聞かれ。
こっちだろ…と答えて歩き出す。
ことごとくはずす。
体力の限界に近づく…ていうか超えてる。
意味もなく走ってみる。
ばてる。
そんなことを繰り返して1時間半歩いた末に車にたどり着いたのであった。
正直、ボードを何回か置き去りにしようとした。
ごめんね。
帰りはさすがに正規ルートから帰りましたとさ。