前回→http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=fatoma&articleId=10851290034&frm_src=article_articleList&guid=ON
「…ライバー、脱出するよ」
「あいよ」
ブロロッと輸送車のエンジンが低く唸りを上げた。
ケイトは銃口を霧の中に向けながら、車へ駆け寄ろうと足を踏み出そうとした。その時。
「ライバぁあああああッ!!」
そんな雄叫びを上げながら霧の中から飛び出した黒い影。
坂を駆け下りるどころか、ハードル無しのハードル走のように跳ね降りてきた。
そして、目の前の岩を避ける事はせずに、位置エネルギーの勢いのままジャンプ。
――どべちゃ
影は思いっきりぬかるみに着地。
そして、呆然と立ち尽くしているケイトに顔をキリッと向けた。
「助けてに来たぜ」
「自分のナリ見て言えジャップ」
チッとケイトは、ズブズブとスネまで泥に埋まった男…タイキに吐き捨てる。
あはははは、と流れ弾が掠める状況にも関わらず、呑気にぬかるみから脚を引き抜こうとしている。
「いやあ、戦場も深みにハマっちまったなあ…これぞ本当の泥沼ってヤツか」
「誰が上手い事言えと」
それでも笑顔で、タイキは脚が濡れて気持ち悪い猫のように、脚を振って泥を落としている。
その奥でパカッと輸送車の運転席が開いた。
「ようよう、タイキじゃねーの」
「ライバーさん、お久しぶり」
「アーリャのヤツはどうしたよ? 死んだ?」
「上の方でゲリラの連中を抑えてるよ、弾薬切れたら来るんじゃないかな」
マズルフラッシュが未だ消えない上の方をあごでしゃくった。
そのタイキの背中からズルズルとヴィスカが滑り降りる。
「あら、ちっこいのが居る」
「ガキで悪うござんした…イテ」
タイキの横でヴィスカは痛みが残る足首を回してみる。
腫れているらしく、綺麗に回らない。
流れ弾が飛んでくる場所では処置しようもないので、固く結ばれた靴紐を解いた。
「そんなんでいいのか?」
不安げなタイキが見つめる中、ヴィスカは乱暴に手を動かしている。
グイグイと靴紐を引っ張ると、最初幅に余裕があったブーツをギッチギチに紐で締め、片結びで再び固く結び付けた。
「これで少しはマシ」
。
「…ライバー、脱出するよ」
「あいよ」
ブロロッと輸送車のエンジンが低く唸りを上げた。
ケイトは銃口を霧の中に向けながら、車へ駆け寄ろうと足を踏み出そうとした。その時。
「ライバぁあああああッ!!」
そんな雄叫びを上げながら霧の中から飛び出した黒い影。
坂を駆け下りるどころか、ハードル無しのハードル走のように跳ね降りてきた。
そして、目の前の岩を避ける事はせずに、位置エネルギーの勢いのままジャンプ。
――どべちゃ
影は思いっきりぬかるみに着地。
そして、呆然と立ち尽くしているケイトに顔をキリッと向けた。
「助けてに来たぜ」
「自分のナリ見て言えジャップ」
チッとケイトは、ズブズブとスネまで泥に埋まった男…タイキに吐き捨てる。
あはははは、と流れ弾が掠める状況にも関わらず、呑気にぬかるみから脚を引き抜こうとしている。
「いやあ、戦場も深みにハマっちまったなあ…これぞ本当の泥沼ってヤツか」
「誰が上手い事言えと」
それでも笑顔で、タイキは脚が濡れて気持ち悪い猫のように、脚を振って泥を落としている。
その奥でパカッと輸送車の運転席が開いた。
「ようよう、タイキじゃねーの」
「ライバーさん、お久しぶり」
「アーリャのヤツはどうしたよ? 死んだ?」
「上の方でゲリラの連中を抑えてるよ、弾薬切れたら来るんじゃないかな」
マズルフラッシュが未だ消えない上の方をあごでしゃくった。
そのタイキの背中からズルズルとヴィスカが滑り降りる。
「あら、ちっこいのが居る」
「ガキで悪うござんした…イテ」
タイキの横でヴィスカは痛みが残る足首を回してみる。
腫れているらしく、綺麗に回らない。
流れ弾が飛んでくる場所では処置しようもないので、固く結ばれた靴紐を解いた。
「そんなんでいいのか?」
不安げなタイキが見つめる中、ヴィスカは乱暴に手を動かしている。
グイグイと靴紐を引っ張ると、最初幅に余裕があったブーツをギッチギチに紐で締め、片結びで再び固く結び付けた。
「これで少しはマシ」
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