――ブン、ブオーン



アーリャに言わせれば、下品な改造を施した車のエンジン音が窓から入ってくる。

アーリャとタイキは目を見合わせると、重い金属製のドアを蹴り開け、部屋の外へ飛び出した。

アパート前の少し広い空間に、数台の車とざっと見た感じで20人程の男達が道を埋めている。



「だからショットガンは無いと何度言えば…」



ギャングの面々に文句を付けながら、アーリャは瓶の酒をあおった。

ふと隣から臭う、柑橘系とアルコールの匂いにタイキは苦々しい顔をして呟く。



「パクって飲むな…正直、俺も飲みたい所だけどさ」



そして、アーリャはまだ半分以上残っている酒瓶にライターの炎を灯した。

勢い良く燃えるアルコール。



「タイキごめん、これフランベに使うわ」



そう言って、ギャングの集団の中に燃え盛る酒瓶を投げ込んだ。

パリン、と小気味いい音をたて、燃えるアルコールとガラス片が彼らを襲う。



「気にするな、アーリャは料理上手だし」



そんな事を言いながらタイキは、右手にマシンガンと左手にマチェットを握り締めている。

アーリャは弾倉を替えたマシンガンをコッキング。

銃口は走って来る男達をしっかり追っている。



「さ、修羅場を頑張るか」



タイキの言葉を合図に、アーリャはグッとマシンガンの引き金を引いた。



ブブ――ッ



固まっている敵はマシンガンのいい餌食だ。

一番近い男たちを始めに一人二人と血祭りにあげる。

タイキは階段を駆け下り、登ってくるギャング達を地の利を利用してマチェットで薙ぎ倒して行く。

アーリャは片足立ちで体の面積を縮め、被弾しないようタイキのバックアップ。

しかし、ギャングは早くも大勢で狭い所へ突撃するのは不利、と気付いたのだろう。

登って行く人数を減らし、銃を持った男達はタイキやアーリャを狙い、発砲する。

だが元来スナイパーであるアーリャの命中精度にかなう訳もなく、棒立ちで撃ってくるギャングは一気に人数が減っていく。

ついにタイキはアパートから降り立ち、残り数人の片付けに入った。



「あっという間だったなあ…もう少し骨が折れると思ったんだけど」



タクティカルリロードを行いながら、アーリャはトントンとアパートの階段を駆け下りる。