WHO(世界保健機関)が発表した2023年版の世界保健統計によると、日本人の平均寿命は世界トップの84.3歳。男女別にみると、男性の平均寿命はスイスに次いで世界第2位の81.5歳、女性は世界第1位の86.9歳。今回はAERAdot.(2023/11/11)の記事を参考にし【日本の女性の長生きの秘密】を占いの原理から解いていきます。

大阪医科薬科大学の本庄かおり教授は、日本の女性が長寿であことの要因として、比較的教育水準が高いことや、肥満者の割合が極めて小さいことなどを挙げている。

また、日本の女性は他国に比べて喫煙率が低いことや、健康を害するほどの飲酒をする人の割合も低い傾向にあることも要因だという。

WHOは職業や所得、教育や文化などの社会性と、健康との関係について【社会的地位・経済的水準の低い人ほど寿命が短い】。病気の罹患率や死亡率が高い傾向にあるとしている。

だとすると、社会的地位が低い日本の女性が、何故、世界一長寿なのか❓❓疑問が湧いてくる。

政治、経済、教育、健康の分野で、男女格差を示すジェンダーギャップ指数(2023年)は、日本は146ヶ国中、125位です。社会的地位が低い人は短命だというWHOの指標とは合っていない。

【社会と健康】に関する諸外国の研究結果からすれば、必ずしも社会的地位が高いとは言えない日本人女性が、世界で最も長寿であることには矛盾があります。この疑問はいまだ解き明かされてはいないと、本庄教授はいう。

日本のジェンダーギャップは教育、健康の分野では大きな問題はありません。

問題とされるのは女性議員や、女性リーダー不足の政治、男女の賃金格差等の経済の分野です。いわゆる【女性の社会進出が遅れている】ことに起因する問題です。

その背景には【男は働き、女性は家庭を守るという、男女の役割分業意識】があると、本庄教授は指摘する。この性差分業の生活観は【陰陽五行思想】に由来するところが大きいのです。

古臭いと敬遠されがちな陰陽五行の考え方は、悠久の時の移ろいを経て、現代でも私達の生活の中に脈々と息づいているのです。

占学・算命学に【性差集合論】という考え方があります。私達は【人と人の間】にいます。たがら【人間】と言うのです。人間はどこかの集団に属していないと生きていけません。

人間社会は集団生活が基本です。社会生活を機能させるには【男の本質】と、【女の本質】を尊重する必要があります。

男は【陽】、女は【陰】です。明るい昼間は陽で、外で集団で働く時です。夜は陰で個々に家で眠ります。このことからも解るように陽の男は【集団行動】、陰の女性は【個人行動】が本質です。

男は集団で働き、女性は家で家事や育児など、個人作業をするのが自然界の法則なのです。現代は女性も外でフルタイムで働く時代です。

それは、個人行動が本質の女性が組織内でで働くことは、男性よりはるかにストレスを抱え込むことにもなります。

昔は子育ても、自然界の法則に従い男の子と女の子は区別していました。男の子は外で仲間と元気に遊ばせました。女の子は家でお琴やお花、お茶に手芸、お手玉や毬つきなど、一人でも楽しめるように育てました。

集団行動が本質の男は孤独に弱いところがあり、個人行動が本質の女性は孤独に強いという性差があります。このことは、老境に入ってからの【メンタルヘルスにも男女差】として表れます。

日本のサラリーマンは会社人間が多く、職場での時間が長い傾向があります。そのため地域参加の機会が少なく、地域の人との交流が苦手と感じる人が多いのです。

それ故に、定年退職後の人間関係が妻だけになってしまいがちです。だから、孤独に弱い男は妻に先立たれると孤独・孤立に陥りやすいのです。

一般的に男の意識は会社・社会の方に向いています。一方、【社会進出が遅れている】という女性の目は、家庭の方に向いています。

それ故、女性は若い頃から友人や地域住民、子どもの親同士など、多様な人間関係を形成する機会も多く、職場以外の人とのつながりを持ちます。

高齢者の一人暮らしが健康に良くないことは、世界的な関心事です。実際に海外の多くの国の研究では、配偶者を失うことは、男女ともに健康へのリスクとなることがわかっています。

本庄教授は高齢者のメンタルヘルスに関して、日本人の性差の特異性を挙げている。配偶者を失うことの影響がみられるのは、男性に限られる傾向だという。これは日本独自の現象だとも言う。

また、本庄教授は、高齢男性は家族との同居より、一人暮らしの方が幸福感が下がるのに対し、女性は幸福感が上がる傾向にあるという。背景には家事負担から解放される点を挙げている。

それに、高齢女性の死亡リスクも、夫が生存しているケースより、夫と死別した人の方が低いという。これには、海外の研究者達は【不思議な現象だと、戸惑いをみせている】という。

日本の高齢者のメンタルヘルスの実態は、何故諸外国とは違うのだろうか。はっきりしたことは私もわからない。

ただ、昭和、平成の初期の好景気の時代、多くの男が仕事だけでなく、マージャンをするのも、お酒を呑むのも、休日にゴルフをするのも会社の人と言うように、会社人間化していました。家庭を疎かにし、妻との深い絆を構築しなかったことも影響しているのでは❓、と思います。

では何故、女性は男性より長生きするのでしょうか❔❔❔

女性の方が長寿なのは世界共通のようです。富裕国においては、その傾向は顕著だという。

その理由として、ホルモンの影響をはじめとする生物学的な性差があるという。しかし、それだけでは全てを説明できないと、本庄教授は言う。

WHOは裕福な国において、男性より女性の平均寿命が長い理由を【衛生・保健に対する観念が男女で違う】こと。

そして、【同じ病気に罹患したとき、男性は女性より医師の診察を受けて薬を服用する割合が低い】ことなどを挙げている。

本庄教授はこの点について、日本の男性は仕事中心の生活を送ることが多く、時間的に職場に長く拘束され、病院に行くのを後回しにしてしまう傾向があると言う。

一方、女性は育児や介護など、家族のケアをする役割を求められてきた。それ故に、自分自身の体調にも注意を払い、男性より自分の身体にも注意する。困ったら誰かに相談するという習慣も身に付いているのではと、性差による意識の違いを本庄教授は指摘する。

皮肉なことに、日本社会の問題点と言われている【女性の社会進出の遅れが、長寿に寄与している】ようですね。

古来、【禍福はあざなえる縄の如し】という言葉があります。運命学の視点からすると、長寿国は長生きする社会環境にある反面、社会保障費などの財政負担が大きくなるという面も併せ持つということです。