楽天グループの【総帥・三木谷浩史氏】が、32歳で楽天を立ち上げて四半世紀が経過。時代の風に乗り、日の出の勢いで伸びてきた楽天グループの業績が、ここに来て無謀な携帯参入と言われたモバイル事業が足を引っ張り、巨額の赤字を抱えている。それだけではない。若者を中心に楽天グループ中枢の【楽天市場離れ】が進んでいると一部メディアが報じている。プロ野球楽天ゴールデンイーグルスの売却の噂など、グループ解体の可能性すらささやかれている。どうも、楽天グループに暗雲が立ち込めているようです。


それに、三木谷氏の評判がよくないと巷間言われている。【《最後の海賊》楽天三木谷浩史はなぜ嫌われるのか】というタイトルの本も出版されており、【三木谷氏の不人気の噂は事実】のようです。時代の寵児としてIT社会を牽引してきたスター経営者・三木谷氏の評判が何故悪いのか。今回は運命学の視点からその謎を解いていきます。


三木谷氏の運命で特筆すべきことは、大運天中殺期間中に楽天を創業し、運を陽転させ事業を成功させたことです。天中殺の時に創業するのはタブーだと思う方も多いかと思います。大運天中殺は月運天中殺、年運天中殺とは意味合いが違うところがあります。先ず、大運天中殺について簡単に説明しておきます。


占学・算命学では人間の寿命を120年と考えます。そして、10年を単位に自分を取り巻く風が変わると考えてみてください。その風の性質に合わせ追い風にすると生きるのも楽になりますが、向かい風だと息苦しくなり、生きるのが辛くなります。120年間の中の20年間、風が強くなる時期があります。それを【大運天中殺】と言います。強くなった風を追い風にすると上昇気流に乗り大偉業を成し遂げたりもします。これを陽転と言います。反対に向かい風が強く進路を塞がられたりします。これを陰転と言います。三木谷氏は陽転しましたが、陰転して転けたのが元日産会長のカルロス・ゴーン氏です。


三木谷氏の大運天中殺は【23歳から42歳】の20年間です。大運天中殺の始まりの23歳の年に一橋大学を卒業し日本興業銀行(現みずほ銀行)入行しています。興銀ではM&A(企業の合併・買収)分野で買収のアドバイザー役を勤め、顧客の中にはソフトバンクの孫正義氏がいたという。ハーバード大学ビジネススクール(HBS)に社費留学し28歳でMBAを取得。1997年32歳で楽天の前身を設立。三木谷氏の成功の鍵はこの経歴にあります。何故ならば、それが三木谷氏の【人生の道しるべ・宿命に沿った生き方】だったからです。


大運天中殺の初めの5年間を【起中殺】と言います。飛行機に例えると離陸時のシートベルト着用時です。この期間は大勝負をかけるようなことや非道徳的なこと、派手なことは避ける方が賢明です。23歳からの10年間、三木谷氏を取り巻く風は石門星の集団の中で協調性や社交性を磨き人脈を築く性質でした。後の10年間は貫索星が巡ってきて独立心が旺盛になり、仕事運が上昇する期間です。三木谷氏は大運天中殺の運気に乗り短期間で楽天グループを急成長させました。しかし、古来【禍福はあざなえる縄の如し】と言います。吉凶は表裏の関係にあるのです。大運天中殺の追い風に乗り、事業は急成長しましたが、三木谷氏の人間力の成長が事業の発展のスピードについて行けず、世間から嫌われる原因の一つ、【傲慢さを生出すこと】になったかと推察します。


昭和の終わりから平成初期、【ニュービジネスの旗手】と言われた人達には広報力豊なイメージがありました。その代表が三木谷氏です。三木谷氏は興銀ではM&A分野に携わり、HBSでMBAを取得するという超エリートサラリーマンでした。脱サラの理由として、HBS学内では【自分で起業することが最も優秀で尊敬されるという雰囲気があり、それに触発され独立の志が芽生えた】と言う。


それに帰国後、阪神・淡路大震災で親戚を失い【一度きりの人生なら独立し、当時メディアで注目を集め始めていたインターネットの世界に挑戦する方が未来が広がり、ロマンがある】と考えたと言う。この【ロマンの起業ストーリー】には世間の耳目を集める物語性もあり、当時、三木谷氏は【時代のヒーロー】として数多くのメディアに取り上げられていました。


起業動機を、運命学の視点から三木谷氏の本音の部分をを探ると、そこには面白いものが見えます。持って生まれた先天の気を数値化したエネルギー指数、標準値180~220に対して三木谷氏は166と低パワーです。そこから判断して三木谷氏は組織向きの人ではありません。組織や上司の思いを忖度し、それに合わせていく集団性、団体行動が苦手ところがあります。興銀でのM&Aの仕事には燃えるものがあったが、行内の雰囲気には馴染めないものがあったかと推察します。


それに、宿命に【御山の大将思考の天将星】があります。そこに冒険心をくすぐる時代の先端をいくインターネットという対象を見つけ脱サラをしたと推察できます。【低パワーのエネルギー指数と天将星】という宿命の組み合わせは、往々にして【ワンマン体質】を生みます。追い風が吹く大運天中殺の約10年間、Jリーグヴイッセル神戸やプロ野球楽天球団、楽天証券などを買収し、事業拡大をするなどワンマン性はプラスに作用していました。しかし、大運天中殺が終わると次第にワンマン性の弊害が出るようになり、三木谷氏の評判は悪くなっていきます。


大運天中殺期間中は【仁義礼智信の五徳】では、三木谷氏は仁徳を重んじる時でした。東日本大震災の被災者を支援するなど、【弱い人に寄り添う姿勢】を示していた。楽天市場への出店企業も【仁徳の精神】から、大多数がその辺の商店街にありそうな店だったという。【シャッター街と化した商店街の店がインターネットで大成功するチャンスをつかめるかもしれない】、楽天市場はそんな弱者の味方のイメージだったといいます。


報道されている三木谷氏の足跡を検証していくと、大運天中殺中は運命の風を追い風にしていたのが、それが明けるに従い、向かい風にする言動が多くなり好感度を下げていく姿が見えてきます。当時、三木谷氏を取り巻いていた運命の風の性質は【玉堂星の慈愛、伝統の知恵】でした。


しかし、三木谷氏は低迷すプロ野球楽天に業を煮やし、打順や選手の起用法まで事細かく介入。それに、【楽天の社内の公用語を英語】にすると言い、英語コンプレックスの多くの日本のサラリーマンの感情を逆なでしたりもしました。過剰な現場介入、社内のルール変更を独断で進めるなど、傲慢な姿勢が目立つようになります。松下幸之助氏など、昭和の【人は宝】という経営に学ぶべきところを、合理主義のアメリカ式思考がマイナスに作用したようです。


そして2018年、三木谷氏を取り巻く風の質が【龍高星の創造と破壊】に変わると共に携帯事業に参入します。楽天モバイルは携帯電話サービスの目玉として【1ギガまで0円の料金プラン】を打ち出し、世間の注目を引きつけました。三木谷氏は《コロナ禍で国民がたいへんな時、データーをほとんど使っていない人からお金を取ることはしたくない》。それに対し、採算性を問うアナリストに対しては《楽天モバイルに加入した人は、楽天市場での買い物が増えることが分かっている。モバイルで稼げなくても、帳尻は合う》と、【我に勝算あり】と、大見得をきっていたという。


その舌の根も乾かない一年後、0円プラン廃止の声明を出します。多くのユーザーから、《え~っ、詐欺じゃん。楽天モバイル、解約します》と、SNS上には怨嗟の声が渦巻いたと報道されている。この逆風に三木谷氏は強がりの発言をした。《0円のユーザーがいなくなって、熱量のあるユーザーがとどまる。ビジネスとしての質を上げるということか》という、記者の誘導質問に引っ掛かり、《ぶっちゃけそういうこと。まあ、お金を0円で、ずっと使われても困っちゃう》と、上から目線の利用者を小馬鹿にした、言う事と行動が違う見識のない発言をしたのです。


【口が達者な者は口で失敗する】という運命の法則があります。何故、三木谷氏は軽々な発言をしたのだろうか。実は楽天が携帯事業に参入した2018~2019年、三木谷氏は【年運天中殺】だったのです。大運天中殺では【龍高星の動乱の風】が吹き、それに年運天中殺が巡ってくれば【やたらと動きたく】なります。その運命の風に吹き飛ばされて動いてしまったようです。


楽天グループは【無謀な携帯参入さえなければ優良企業】と言われている。基地局建設には膨大な設備投資が必要であり、契約件数の伸びに比べて膨らみ続ける有利子負債。前途は多難に見える。平成、令和を代表する辣腕経営者・三木谷氏が自らの天中殺の時に始めた携帯事業、楽天グループは今後、どうなっていくのだろうか❓❓