楽しげに誇らしげに唱和する
時計達の姿は、まるで生まれ
出でたばかりのように
輝きに満ちて、少し前まで
朽ち果て、錆の浮いた状態
だったとは、とてもでは
ないが信じられないだろう。
再会と再開の喜びを歌い上げる
二種類の時計達につられて
私の方も覚えず微笑でも
浮かべていたのか、続く
低音域を司る淑女の皆様は
ちょっとだけ、悪戯っぽく
歯車の音を立てた。
【え…少しだけ…。
笑んでいる、ですって?】
きっと人間の姿をとって
いられるなら、くすくすと
笑われている事だろう。
少しからかいが過ぎると
内心で頬を膨らませるような
気持ちになりながら、また
竪琴を構えてまろみを帯びた
艶やかな低音域を奏でる。
【あまりにも、からかいが
過ぎますよ、グランドマザー
クロックの皆様方。
さて、淑女の皆様方…。
艶味(あでみ)の深い
低き音色を奏でる準備は
いかがでございましょうか?】
すると、小振りな作りの
柱時計…グランドマザー
クロック達は、少し慌てた
ように音を奏で出す。
その音は先に奏でている
置き時計や掛け時計の音と
ぴったりと重ね合い、和音の
合唱へ更に物憂げな低音域が
加わる。
残るは最低音のグランド
ファーザークロックだけだが
…案の定、苦々しげに背を
向けていた…拗ねているのだ。
私は少し気配を消して
真横に忍び寄るとグランド
ファーザークロックの目前に
竪琴を翳して恭しく一礼する。
【長らくお待たせ致しました。グランドファーザークロックの
皆様方…深くまで広がる
最低音にて音色を奏でる時が
とうとう参りました。
皆様方の音色をいざ
お聴かせ下さいますよう…。】
私が一礼と共に間髪入れず
礼法に則った挨拶をこなした
事に驚きながら、竪琴の導く
音色に合わせてグランド
ファーザークロック達も
最低音を奏で始める。
高音域、中音域、低音域、
最低音域の第一から第四音域
の時計達の時計に備わった
鐘の音が重なり一つの旋律が
完成する。
最高音は勿論…。
私の奏でる竪琴の音色。
時計達が全て、それぞれに
定められた音を金色の竪琴を
爪弾き零の旋律を奏でて
最後の音域…第零音域として
時計達の音色に加わると彼らが
一層、高らかに旋律を
歌い上げる。
こうして、私が時の狭間で
生まれて初めて紡いだ旋律は
時計交響曲第零番という名を
戴き、全ての時の歪みを糺す
旋律として命を得たのだった。
時計達の姿は、まるで生まれ
出でたばかりのように
輝きに満ちて、少し前まで
朽ち果て、錆の浮いた状態
だったとは、とてもでは
ないが信じられないだろう。
再会と再開の喜びを歌い上げる
二種類の時計達につられて
私の方も覚えず微笑でも
浮かべていたのか、続く
低音域を司る淑女の皆様は
ちょっとだけ、悪戯っぽく
歯車の音を立てた。
【え…少しだけ…。
笑んでいる、ですって?】
きっと人間の姿をとって
いられるなら、くすくすと
笑われている事だろう。
少しからかいが過ぎると
内心で頬を膨らませるような
気持ちになりながら、また
竪琴を構えてまろみを帯びた
艶やかな低音域を奏でる。
【あまりにも、からかいが
過ぎますよ、グランドマザー
クロックの皆様方。
さて、淑女の皆様方…。
艶味(あでみ)の深い
低き音色を奏でる準備は
いかがでございましょうか?】
すると、小振りな作りの
柱時計…グランドマザー
クロック達は、少し慌てた
ように音を奏で出す。
その音は先に奏でている
置き時計や掛け時計の音と
ぴったりと重ね合い、和音の
合唱へ更に物憂げな低音域が
加わる。
残るは最低音のグランド
ファーザークロックだけだが
…案の定、苦々しげに背を
向けていた…拗ねているのだ。
私は少し気配を消して
真横に忍び寄るとグランド
ファーザークロックの目前に
竪琴を翳して恭しく一礼する。
【長らくお待たせ致しました。グランドファーザークロックの
皆様方…深くまで広がる
最低音にて音色を奏でる時が
とうとう参りました。
皆様方の音色をいざ
お聴かせ下さいますよう…。】
私が一礼と共に間髪入れず
礼法に則った挨拶をこなした
事に驚きながら、竪琴の導く
音色に合わせてグランド
ファーザークロック達も
最低音を奏で始める。
高音域、中音域、低音域、
最低音域の第一から第四音域
の時計達の時計に備わった
鐘の音が重なり一つの旋律が
完成する。
最高音は勿論…。
私の奏でる竪琴の音色。
時計達が全て、それぞれに
定められた音を金色の竪琴を
爪弾き零の旋律を奏でて
最後の音域…第零音域として
時計達の音色に加わると彼らが
一層、高らかに旋律を
歌い上げる。
こうして、私が時の狭間で
生まれて初めて紡いだ旋律は
時計交響曲第零番という名を
戴き、全ての時の歪みを糺す
旋律として命を得たのだった。