普通。人間というものは死を恐れる。
だから死体に出会う事も滅多に無いのだろう。
無意識によけてるから。

 アレだ。去年の九月に私が取った行動って。
【例外中の例外】なんだと想う。


 いや。普通なら保健所なり市役所の清掃課なりを
呼んで【死体を始末する】のが普通の人間のやり方だと想う。

 ましてやここは日本。日本には【穢れ】(けがれ)と
言う独特の思想があり、特に赤不浄(血の穢れ)と
黒不浄(死の穢れ)については神格者ですら怖がる有り様。

 実を言うと死体に触れたぐらいで
穢れたりしないけどな本当は。これも生贄
=神聖なるものへの捧げものに対する、黄泉のもの
=穢れたものと言う考え方の積み重ねに過ぎないが。

 さすがの私でも黄泉の竃のお櫃の蓋が開いてる
真っ最中はそうはいかん。それがちょうどお盆最終日だった。
そして私が出くわしたのは【でっかいでっかい足高蜘蛛サイズの女郎蜘蛛】
だったのだ(滝汗)それに出会ったのはちょうど、遠隔地で術者が
心臓発作起こして倒れただろうという、まさにその当日だった。


 昔から蜘蛛は平気だが何故か【女郎蜘蛛】だけは
どうしても触れない。多分、タランチュラに
模様が似てるからかもな。色はこっちの方が鮮やかだが。
若死にした南米系の前世。その時代の幼少時に
毒の強い種類のタランチュラに刺されてから
丸三日、生死の境をさまよって以来、大分、長い間は
蜘蛛は見るだけでもダメだったから。


 腹抉られて死んだ女郎蜘蛛には罪は無いが。
ちょうど例の本が届いた直後でまだ敏感だったから
見た時に吐き気がこみ上げたのは間違いなく
タランチュラ系に刺された記憶の影響だと想う。