羽生さくるの文章教室の基本コースでは、2回めに400文字の「自己紹介文」を推敲し、完成させます。

これはいわゆる「プロフィール」とは違っていて、自分自身について語るつもりで書いていただくものです。

 

 

「プロフィール」は客観的に出身地や出身校、職歴、趣味、特技、などを書いていきますね。

ブログやSNSには必要なものですし、ビジネスでは名刺に載せたりもする重要な文章です。

ただ、わたしにはちょっと違和感を感じるところもあります。

自分のプロフィールを書いているのは誰なのか、という点です。

 

 

たとえば、わたしがプロフィールに「文章教室での丁寧な授業には定評がある」と書くとしましょう。

生徒さんたちから評価をいただいていることはありがたいことですし、丁寧な授業となるよう努めていることも確かですが、それらのことをこの文章に書いている人は「誰」なのか、が気になってしまうわけです。

 

 

自分のことを客観的に見つめるのは大事。

でも、プロフィールに自分で「定評がある」と書くのはどうも気が引けるなあ、というのも正直な気持ちです。

自信がないからではなくて、書きかたなんですよね。

 

 

それで考えたのが、データ的なプロフィールに自己紹介の文章を添えるという方法です。

名刺に載せるには200文字くらいが限界かも知れませんが、SNSやブログ、HPやイベントの告知文であれば400文字あっても大丈夫でしょう。

「わたし」(一人称は自由です)が「わたし」について、顔を隠さずに語るのがいいと思います。
 

 

そういうわけで「羽生さくるの文章教室」の最初の課題を「400文字の自己紹介文」にしました。

生徒さんには「初対面の人に自分を知ってもらうときに話したいことを、自分の言葉で書いてみてください」とお願いしています。

 

 

これがじつは、なかなかのチャレンジになることが、授業を重ねるたびにわかってきました。

はっきりいうと、客観的に書くほうが楽なのです。

つまり「丁寧な授業には定評がある」の書き方ですね。

初対面の人を前にして「わたしの授業は丁寧で定評があるんです」と口でいえたらかなりの人ですよね(笑)

自分の顔を相手に見せて、同じ内容をいうとしたら、どんな言葉を選べばいいか、それを考えなくてはなりません。

 

 

シンプルにいいましょう。

自分がほんとうにしていることや思っていることを書き、人からほんとうにいわれたことを書く。

これが基本ですね。

そこをじっくり考えていけば、自分を正しく評価して、自信をもって自分を紹介する文章が書けます。

 

 

このように「自己紹介文」の課題に取り組んでもらうと、生徒さんにある解放感が訪れることがわかってきました。

自分は自分をこんなふうに思っていたんだ、と気づいたり、こんな自分でいることを認めていいんだ、と理解したりするからだと思います。

推敲の過程にわたしというオブザーバーがいて、言葉を一つ一つ吟味し、最良の形で定着させるお手伝いをしていることもあるでしょう。

 

 

自分について書くことは、自分を大きく肯定するための一歩である。

生徒さんを見て、わたし自身、改めてそのことを知るようになりました。

 

 

(この項つづく)

 

 

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 羽生さくるの文章教室」個人授業を開催しています。

4回でプログラムを構成しました。

各回120分の対面スクーリングです。

場所は都内のカフェなど、オンライン受講も可能です。

第1回 ライティングの基本とワーク

    自己紹介文の準備

第2回 自己紹介文の添削・講評

    800字エッセイの準備

第3回 800字エッセイの添削・講評

    手紙の準備

第4回 手紙の講評

    ライティングセッション

後日、ライティングセッションのフィードバックをお送りします。

 

受講料は1回の授業につき¥7,700円(税込)になります。

また1回ずつの単発の講座もお受けいたします。

受講料は同じく¥7,700円(税込)です。

 

 

【受講生の方々へのお願いと免責事項】

 

文章の完成後に教室外で発表される際にはご自身の責任において読者の方々への十分なご配慮をお願いします。

教室外で万が一トラブルが生じましても、羽生さくるは責任を負いかねますことをご了承ください。

 

 

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