羽生さくる文章教室では、文章を書きはじめる前に決めておくことを順番に沿ってお話しています。

きのうからこちらでもその講義をしています。

 

 

順番のすべてはこちらです。

 

① 誰に向けて書くか。

 

② どんな気持ちを伝えたいか。

 

③ どんなモードで書くか。

 

④ なにをテーマに書くか。

 

 

きょうは二番めに決めること、どんな気持ちを伝えたいか、です。

 

 

どんな気持ちを伝えたいか。

たとえばラブレターなら。

 

「すき」

 

最初から最後まで「すき」がすべて。

ではないでしょうか。

 

もう少し言葉を増やすと、

 

「あなたがいとしい」

「あなたがたいせつ」

「あなたにあいたい」

 

なんて、だんだんほっぺが赤くなってきますが。

気持ちを伝えたくて書く文章ナンバー1ですね。

 

 

堅い理由で書くお手紙でも、気持ちが先にくるとわたしは思います。

たとえば、お礼状。

 

「ありがとう」

 

この「ありがとう」は言葉ではなくて、感謝が湧いてくるときの温かく潤った心です。

 

 

同じように、お詫び状ならば、

 

「ごめんなさい」

 

ですね。

 

 

書く相手が目上の方や、お得意様のように気の張る方だったとしても、

伝えたい気持ちはシンプルに「ありがとう」や「ごめんなさい」。

ここをクリアにしておくことで、文章がたしかなものになります。

 

 

「お礼状」を書こう、「お詫び状」を書こうとするのではなく、

「ありがとう」を伝えよう、「ごめんなさい」を伝えよう、と決めましょう。

 

 

自己紹介の文章を書くときには、

 

「はじめまして」

 

これも言葉ではなくて、初めて会う人を前にするときのどきどき感や、

これから仲よくなれるかな、とわくわくする気持ち。

新しい服を着て、初めて街に出るような気持ち。

そんな気持ちを胸にきゅっと抱きしめてください。

 

 

エッセイでも、わたしの場合は、読む人に楽しんで欲しい、共感して欲しい、にこにこして欲しい、

というような、待ち合わせしたともだちに会う5分前のような気持ちをフィックスしています。

 

 

①で決めた「あの人」に、②こんな気持ちを伝えたい。

ここまでで、文章にいちばん大切な基礎の部分ができました。

一休みしてお茶を一杯。

あの人のイメージを高めて、気持ちの隅々までよく味わってください。

 

 

 

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