いま文章を書くときって、文字数についてはほとんど意識しませんよね。

Twitterの140文字は別として、SNSでもブログでも文字数に制限はありませんから。

 

 

原稿用紙で文章修業をしてきたわたしは、どうしても文字数が気になってしまいます。

文字数って、お皿か小鉢みたいなものだと思うのです。

言葉の料理を守る器。

だから大きさが決まっていないと料理を始めるにあたっての見当がつかない。

 

 

いまやそれは昔気質っていうのでしょうか。

テキストの依頼を受けると最初に「文字数はどのくらいですか」と聞いてしまいます。

依頼してくださる方には文字数のイメージはほぼなく、

 

「適当でお願いします」

 

といわれ、

 

「適当な文字数ってどのくらいだろう...」

 

としばし頭を抱えることに。

 

 

文字数の制限があることのメリットは、言葉を選ぶための緊張感が生まれることです。

あと40文字で終わらなければならない、と思うと締めの一文が出てくる。

または、締めの40文字を取っておくためには、このへんはタイトに書いておかないといけないな、と考える。

文字数節約のためにはいいかえが必要、なにかひとことでいえる表現はないかな。

頭のなかではいつでも残りの文字数を面積のように意識しています。

まさに、原稿用紙のまだ白い部分として。

 

 

文章を書く練習をするときにも、文字数を決めてみるのは有効だと思います。

文章を書くということは、言葉を選ぶということ。

 

 

究極は五七五の俳句でしょうか。

17文字の器に盛りつける季節の料理。

美意識の表現として、言葉でありながら映像的でもあります。

 

 

昨年の夏に書いた文字数についてのブログを再掲しますね。

原稿用紙に書く楽しみをあなたも。