文章がかたい、と書いて、どの漢字かなあとしばし迷いました。

 

 

「固い」じゃなさそう。

「堅い」だと真面目一方な人みたい。

「硬い」かな、やっぱり。

 

 

鉛筆の芯がかたいときも「硬い」ですね。

そもそも鉛筆そのものを「硬筆」といったりします。

「毛筆」に対する「硬筆」。

 

 

たとえ鉛筆で書いても硬い文章にはしたくない。

そんなふうに思われている方もいらっしゃることでしょう。

 

 

硬い文章って、どんな文章かしら。

用語が硬い。

文体が硬い。

内容が硬い。

見た目が硬い。

人間にたとえると「石部金吉」。

 

 

わたしはまず思うのです。

硬いっていけないこと?

 

 

硬い文章がその人の持ち味であれば、ぜんぜんいけないことではありません。

わたし自身、いまはですます体で書いているのでやわらかそうですが、

である体で集中してくるとどんどん硬い文章になります。

これこそハードボイルドだど(古い。もはや誰にもわからないトリオ・ザ・パンチのギャグ)。

そういう文体が好きなんですね。

 

 

簡潔である。

わかりやすい。

無駄がない。

クール。

そういう文章も印象は硬いです。

「硬質」といったらいいかな。

硬質な文章はかっこいいので、ぜひ推進してください。

 

 

それでも、自分の文章は硬すぎるな、と思われるようでしたら、

漢字の数を減らしてみてはいかがでしょうか。

前にも書きましたが、コンピュータやスマートフォンの変換を一度疑うといいと思います。

まちがっているのではないか、と疑うのではなくて、

自分はこの文字遣いでいいのかな、という疑い。

 

 

自分のなかのナチュラルなバランスよりも漢字が多めになっていると、

読んだときに「硬い」と感じます。

検討するプロセスが大切。

検討してみて、ここは漢字でいい、と思うなら漢字で構いません。

ひらがなにするとしっくりくる、と思うときにだけひらがなにしてみましょう。

 

 

硬い文章をやわらかくするにはどうしたらいいか。

最初に知ってほしいのは、硬くてもわるくないということ。

硬い文章のよさを再認識してください。

次に、自分のなかの硬軟の感覚と照らす。

やっぱり硬い、と思ったら、まずは漢字を減らしてみる。

文章はビジュアルなので、それだけで印象がぐっとやわらぎます。

 

 

いまの自分の文章を否定しないのが大前提。

自分の文章を目の前からどこかに押しやることになってしまいます。

文章は目の前に置いたまま、文章と相談する気持ちで、

自分のなかの感覚と揃えていくように、少しずつ変えてみてくださいね。

 

 

 

 

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