去年のことだったと思いますが、ある方から

「読点というのは、文章のなかのどこにつけたらいいのでしょうか」

というご質問をいただきました。

 

読点。

「、」ですね。

 

読点は一つもつけなくても一つの文章は書けます。

あるいは、文節ごとにつけても文章は読めます。

 

文節の見分け方は「ね」をつけて意味が通じるかどうか。

たとえば、いまのこの上の文章だったら。

 

文節の(ね)見分け方は(ね)「ね」を(ね)つけて(ね)意味が(ね)通じるか(ね)どうか(ね)。

 

(ね)を読点に変えてみると...

 

文節の、見分け方は、「ね」を、つけて、意味が、通じるか、どうか。

 

ここまでつけると、まるでマラソン完走後の人みたいになってしまいますね。

つけても意味は通じるけれども、読む人にはわかりにくい。

 

では、どのくらいの数を、どこにつけたらいいのか。

 

結論からいうと、正解はありません。

基本自由。

 

これは覚えておいてくださいね。

文章はいつも「基本自由」です。

どんなテーマで、どんなふうに書いてもいい。

 

ただ、自分以外の人に読んでもらう文章であれば、

相手が読みやすいように、

自分の意味したいところができるだけまっすぐ伝わるように、

工夫をする必要があります。

 

読点に関していえば、文節と文節の間ならば、好きなところに好きなだけつけて構わない。

ただ、目的としては(一般的には)読者の理解を助けるために打つ。

わたしはそう考えています。

 

読点がここにあったほうが読みやすい。

文章の意味が過たずに伝わると期待できる。

そんな場所に打つ、と意識してみてください。

 

細かくいうと、ひらがなと漢字の並びや文章のリズムで、

打ったほうがよい場所があったり、打たなくても大丈夫になる場所があったりします。

その都度ご自分の感覚に照らして検討されるとよいでしょう。

 

羽生さくるの文章教室では、エッセイを対面で添削しますが、

読点についても、ヒアリングしながら模索していきます。

自分らしい文章を書くには、読点もまた大事なポイント。

ゆっくり時間を掛けて、自分らしい打ち方を創っていきましょう。