競馬をやる人は特に、競馬をやらない人でも読んで欲しい一冊。


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落馬脳挫傷-破壊された脳との闘いの記録- 石山衣織著


2007年2月阪神競馬場の障害レースで落馬し脳挫傷を負ったジョッキー石山繁の奥さんである

石山衣織さんの日記(に加筆修正したもの。Writer付きかな?・笑)です。


闘病記として描かれる石山の姿。それを支える妻。

こんな奇麗事で簡単なものではなく、奥さんの偽りない心情が吐露してあり、

それが我々読み手の心を締め付けてきて、生とはなにか、自分ってなんなのかを

非常に考えさせられます。リアルすぎます。


一番辛いのが、肉体回復後に訪れた「アイデンティティの喪失」、

「記憶・言語障害」の後遺症と言う非常に残酷な点。

夫が夫で無くなり、妻を妻と、自分が自分と認識できない。

娘、息子の判断が出来ない。底無しの食欲。

人格が変わってしまい怒りの感情しか出せない夫(見舞いに来る人にも悪態)。

記憶が出来ない、思い出せない、まるで赤子のような夫。

人格までも変わってしまった夫を支える苦しみ、

普通である人への嫉妬・恨み。


なぜ日記をつけて、且、本にして出版できたんだろう。。。。

負の感情、夫の変わり果てた姿、普通であったらしまっておきたい事柄だと思います。

本には脳挫傷を支える人たちに向けて・・・・とか書いてあったけど

そんなことだけではないはず。


競馬場で心なく「落馬してまえー」とかヤジってるおっちゃんどもはこの本を読むがいい。

命の次に大事なお金を投じているのはわかりますが、騎手たちは命を懸けてます。


障害レースも昼前の余興ぐらいにしか考えてなかったけど、

競馬への見方がこれから変わりそうです。


ちなみに石山ジョッキーは徐々に自我をとりもどしつつあるそうです。

一刻もはやい回復を願ってやみません。