こんにちわ。

今日は雨で出かけることも無いので、

今週の展望について、ご参考までに。


今週の為替相場は、引き続きリスク回避の円全面高継続とオーバーシュート、その後の短期的なクライマックスによる円売り戻しをにらんだ展開となる。


欧州発の財政危機は、ドイツの単独カラ売り規制が火に油を注ぐ結果となった。世界の金融市場で政策不信、金融機関の間の相互不信とリスク回避、リスク資産圧縮に拍車を掛けている。


しかも市場の激しい変動率(ボラティリティー)が損失回避のヘッジ取引を機能不全に陥らせており、狼狽のパニック相場に拍車を掛けるという負の連鎖を助長。結果として安全逃避の円買いや、これまで積み上がってきた投機的な円売り(ショート)や高金利通貨買い(ロング)ポジションの反転逆流を招いている。


その中で来週は24-25日に米中戦略経済対話、26-27日のガイトナー米財務長官による英独訪問、26日のバーナンキFRB議長来日といった政策イベントが相次ぐ。各国が金融経済危機の本格再燃を阻止するため、改めて協調姿勢を打ち出すと市場の不安感が後退。パニック相場の中で激化してきた株安、米国債金利低下、資源安、円全面高に対し、過熱調整の巻き戻しが入る余地がある。


もっとも各国ともに、財政金融政策面での政策余地が払底している。ドイツや中国のように、他国との協調融和よりも自国の利益優先による単独行動も目立ち始めた。改めて「政策協調のバラつき」や「世界財政危機」の現実が露呈されると、底無しのリスク回避や現金化に拍車を掛けるリスクもゼロではない。


ちょうど世界の金融機関や機関投資家は、5月の月末や6月の決算期末が迫ってきた。その期限に向けて、利益確保や損切り、ポジション圧縮の津波が、先進国から新興国の各種市場に一段と広がる潜在余地も残されている。


一方、今回の危機相場を先導してきたユーロ全面安は一服している。同じく米国の株安に先行してきた金融株も、金融規制改革法案の進展による「不透明感の払拭」などから、下げ止まりの兆候が見られ始めた。追随する形で円全面高に歯止めがかかる前兆として注目されそうだ。


ただし、ユーロ/ドルでの調整的なユーロ反発とドル安が、ドル/円でのドル安に作用。円全面高を継続させる可能性も消えていない。


その他、過度に不安心理が蔓延しているだけに、ちょっとした好材料に反応しやすい地合いにも変容しつつある。米国の住宅指標や消費関連指標、GDP改定値などで「警戒ほどには景気は悪くない」という見直しが入る可能性もあるようだ。


それでは、今週もよろしくお願いします。


虚空菩薩