鉢野在流はライトノベルがお好き!? -45ページ目

鉢野在流はライトノベルがお好き!?

ライトノベルを中心に創作、批評、文章研究などを書いていこうと思ってます。物書きからの目線で物事を見定めるようシンプルに分析できれば、と。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)/紅玉 いづき
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 ――魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物 の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まり は、美しい月夜だった。―それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語……

 この作品の見所は、透明な作風。一切のライトノベルらしさを排除し、童話風に仕立てた作品ですが子供騙しなどではなく、大人でも女性でも感動を覚えられる傑作です。この作品に大賞を与えた電撃の懐の深さ、流石、ラノベ界の覇権レーベルであるなとしみじみ感じました。

 お気に入りのシーンは、夜の王とミミズクが出会うシーンですね。ミミズクの自虐というか、そういう風に『ちょめちょめ(ネタバレですので伏せます)』されてしまったセリフに胸が打たれました。こういったキャラは記号として、ラノベやエロゲーに出てきますが、彼女はそういっったあざとさを一切感じず、ただ、透明に壊れてしまっています。

 学べたところは、ラノベという枠組みに捕らわれる必要がないということですね。必ずしも、萌えや、燃えがなくとも、純粋に誰かに物語を伝えないという気持ちさえあれば傑作は生まれる。しかし、現在の新人賞の状況からこのようなピュアな作品が生まれるかどうかは、少し首を捻りたくなりますが。

 一般人に勧められる度 ☆☆☆☆☆

 ――だいじょうぶだよぉ-。私人間じゃないよーぉ。あたし家畜だよぉー。だからー食べてよ-。お願いだよー