鉢野在流はライトノベルがお好き!? -20ページ目

鉢野在流はライトノベルがお好き!?

ライトノベルを中心に創作、批評、文章研究などを書いていこうと思ってます。物書きからの目線で物事を見定めるようシンプルに分析できれば、と。

終わりのクロニクル1〈上〉 電撃文庫 AHEADシリーズ/川上 稔
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 ――かつて世界は、平行して存在する10個の異世界と戦闘を繰り広げていた。概念戦争と呼ばれるその戦争に勝利してから60年。全てが隠蔽され、一般の人々に 知られることなく時が過ぎた現在…。高校生の佐山御言は祖父の死後、突然巨大企業IAIより呼び出しを受ける。そして、この世界がマイナス概念の加速によ り滅びの方向へ進みつつあること。それを防ぐには、各異世界の生き残り達と交渉し、彼らが持つ10個の概念を解放しなければならないことを伝えられる。か くして、佐山は多くの遺恨を残した概念戦争の戦後処理として、最後の闘いに巻き込まれていくが……

 この作品の見所は、膨大な設定と途方もなく広い世界観。本作の作者が書く本は文庫本なのに鈍器と呼ばれるほどに分厚い。設定が細かく描写され、セリフの掛け合いの数も多く、世界観を説明するだけで、普通の文庫本一冊くらいの長さに及ぶことが多々ある。ゆえにライトな物語を望んでいる人には、あまりオススメできない。しかし、中二病を究極まで突き詰めた作品が読みたいなら、本作を手に取るべきだろう。中毒性は、古今東西のラノベで最も高い。これと双璧を張れるのは、され竜しか思い浮かばない。

 お気に入りのシーンは、主人公佐山とヒロイン?新庄が風呂に入るシーンですね。ネタバレにもなるので、色々禁則事項があるのですが、まぁ、主人公変態です。堂々とした変態なので、開けっぴろげにとんでもないことをヒロインに要求します、握ったりします。マロい。

 学べたところは、戦闘シーンですかね。本作の作者さんは、戦闘シーンを非常に濃く書く方で、長い。だけど、頭に浮かびやすい不思議。ラノベ界ではタブーと言われている人型ロボット(描写が難しいのでラノベに向かない)なんかも出てくるのですが、ソツがないですね、さすが。ただ、だからと言って、この方の文体や手法を真似てはいけません。真似ると、作品が辞書になってしまいます。ええ、私、やってしまいました。この御方だから許されるのであって、シロウトはまねしちゃダメです。真似するなら、徹底的に設定を細かく、それこそ段ボール箱いっぱいの設定資料くらいは書かなきゃダメですね。

 マロい度 ☆☆☆☆☆

 ――アヘッド! アヘッド! ゴーアヘッド!