鉢野在流はライトノベルがお好き!? -10ページ目

鉢野在流はライトノベルがお好き!?

ライトノベルを中心に創作、批評、文章研究などを書いていこうと思ってます。物書きからの目線で物事を見定めるようシンプルに分析できれば、と。

宇宙兄弟(1) (モーニングKC)/小山 宙哉
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 ――2025年、NASAは日本人宇宙飛行士・南波ヒビトを含む、第1次月面長期滞在クルーのメンバーを発表。時を同じくして日本では、自動車の設計をしてい た南波ムッタが会社をクビに。大きく異なった運命を歩んでいたふたりの兄弟。しかしそれぞれの未来が、幼少時代に交したある約束によって、動き出そうとし ていた……

 この作品の見所は、物語。宇宙飛行士物のマンガですと、プラネテスやパスポート・ブルー(両作品とも名作です)を思い出し「半端な覚悟じゃ宇宙飛行士物は書けないぞ」と考えなが読んでいましたが、半端じゃない覚悟で書かれている作品でした。現実の職業を題材にする場合はどうしても現実と比較されがちで、書く方もそれに捕らわれ、設定がガチガチでセリフがやけに長文気味の作品になる傾向が強いのですが、本作はほどよい説明とテンポのいい親しみ易い物語になっていて、万人受け間違い無しの作品に仕上がっています。

 お気に入りのシーンは、主人公の弟ヒビトが月で起きたハプニングに対処するシーンですね。宇宙科学の知識やヒビトの判断力に脱帽しっぱなしのシーン。内容を詳しく話したいですけど、これからの展開の基幹になるであろう話なのでネタバレは避けます。



鉢野在流はライトノベルがお好き!?
ブライアンあんた最高だぜ(・´з`・)b 

 学べたところは、柔軟なストーリーテリング。マンガでストーリーテリング? と訝しむ人がいるかもしれませんが、本作はマンガという情報が濃密化されている媒体を余すことなく分かりやすく読者に伝える技術で書かれた作品だと私は感じましたね。キャラ、物語、設定、構成、これらの配分を間違うと本作のような専門知識だらけの作品は簡単に傾いてしまいます。セリフが長い、絵がごちゃごちゃしてる、設定資料集みたい。そういったマンガは数多くある中、本作はそれらの配分を絶妙なセンスで成立させています。丁寧に読んでいけば、どこを盗めばいいかきっと見えてくるはず。勉強になりましたね。

 夢を追いかける度 ☆☆☆☆☆

 ――俺は心配してねえから、祈らねえ――