①みーんみんみん辺りにはミンミンゼミの鳴き声ばかり響き渡っている。だが道端に転がってる死体はアブラゼミばかりだ。聞こえる声は圧倒的にミンミンゼミばかりなのに、見かける死体はアブラゼミばかり。ミンミンゼミはどこで死んでいるのだろう?地味な圧倒的多数のアブラゼミと考えるべきなのだろうか


②声は静かだが、圧倒的に数が多いアブラゼミ。そう考えれば、道端に転がってる死体にも納得できるというものだ。声の目立つミンミンゼミは、実は少数しか存在しないのだ。だから死体を見かけることも少ないのだ。ジージーと小声でしか鳴かないアブラゼミ。


③見かけるセミは、こいつ等ばかりだ。決して目立つ声ではないが、確かにジージーと鳴いている。みーんみんみんと大声でわめき散らす、少数のミンミンゼミは滅多に見かけない。声は目立つのに見かけないのだ。ふと、自分はミンミンゼミかアブラゼミか?と考えてしまった。


④人と同じ事ばかりして、決して目立たないジージーと小声で鳴く大勢のアブラゼミと、圧倒的自己主張で、みーんみんみんと大声で鳴く少数のミンミンゼミ。自分は、ミンミンゼミに近いかもしれないと思ってしまった。目立ちたがりと言う訳ではないけど、少数派の自己主張タイプだと思うからだ。


⑤生き方としては、アブラゼミ的な生き方の方が楽だと思うけれど、ミンミンゼミはやはり、ミンミンゼミとしてしか生きられない。大声でみーんみんみんと自己主張するしかないんだ。声の大きさで、他の声を掻き消すくらいの気持ちでいないと駄目なんだ。