彰人は、車のバックから、包帯を出し、肩の傷を抑えつつ、破れたたジャケットを捨て、別のジャケットに着替えていた。そして、車を駐車場に止めて、しばらく歩いていた。そして何時ごろからか、ある気配に気がついていた。何時からだ?女につけられてる・・・。普通のヤツなら気づかない距離をずっと保って、コチラの速度に合わせて歩いている。ちょっとまずいかもしれないな、この女は、先ほどの雑魚とは違う。

彰人は、さりげなく振り切ろうとしてるのだが、距離がまったく変わらない。黒のブルゾンに、ショートパンツ、銃を隠せて動きやすいスタイルだな・・・。だが、この女・・・もしやアイツか?

『貴方にコレをあげるわ。私が一番好きな花。この花の花言葉は・・・貴方しか見えない・・・。』彰人は、2年前の夏の事を思い出していた。お互い協力し合い、何度もピンチを乗り越え、友情は感じていたが、美しい部類の女だが、私には、女として愛する事は出来なかった。遠い昔の事のような気がする…。

間違いない。この尾行の仕方は千尋だ。彰人は逃げるのを止め、彼女が近づいてくるのを待つことにした。彰人の意図を悟ったのか、彼女は近づいてきて、ブルゾンの胸の内ポケットに手をいれ・・・ピンク色の花のついた枝を1房出して、投げてよこした。ブーゲンビリアだ。

『2年ぶりだね。彰人さん。私が銃を出してたら、命が無かったよ。』と薄笑いを浮かべた。

『こんな尾行ができる女は、一人しか知らなくてね。命がけで顔を見たくなった。やはりお前か千尋。』彰人は薄笑いを返しながらそう答えた。2人は、そのまましばらく並んで歩き、喫茶店に入りテラスの席に座った。

『私を消しに来たのか千尋?』彰人は席に着くなり語りかけた。千尋は、軽く睨みつけると、『私に貴方は消せない。2年前にそう言ったはずだけど?解ってて誘ったくせに・・・。今なら、貴方の気を引く事ができそうで、組織を抜けてきたとしたら、どうする?』と、囁くように言うと、薄く微笑んだ。

『私が、組織を滅ぼそうとしてると知ったら、協力できるか?私が必要としてるのはそういう女だ。』彰人がそう言うと千尋は・・・・『そんな女は・・・・私以外考えられないね。』と、真顔で答えた。

まさか、千尋を追っ手によこすとはね。運は私にあるのかもしれない。しかし、いきなり話しかけず、しばらく後をつけてから、銃を出すフリをして、花を投げてくるなんて相変わらずだな。私を撃つ隙を与えても撃ってこなかった。千尋は2年前と変わってない。信用できる。

『で、考えはあって?いくら彰人さんでも、まさか正面から乗り込まないよね。』考え込んでいると、千尋から話しかけてきた。

壁|ー゜)コッソリ2011年6月29日に書いたやつですね…。未完
これ書いてて、自分にはアクション、バイオレンス系の才能は無いなと、強く思ってしまい未完で放置という状態に…色々試してるんですよw