リックはリリカ達に別れを告げ城下町に戻っていた。リリーは目覚めたのだろうか?リックは寺院への道を急いでいた。寺院には人の気配が無かったのだが、リックが周囲を見渡してると2人が現れた。「リリー!良かった目が覚めたんだな。俺は西の港町にリリカ様に会いに行ってたんだが、そこで、アッシュとサーシャに会ったよ。と・・・話したい事は山ほどあるんだけど、お前が心配で戻ってきたんだよ。もう大丈夫なのか?」

それを聞いてリリーはリックに頷いた
「えぇ、私は大丈夫よリック。私おばあさんに魔法を教わってたの。もう私はみんなの足手まといで居たくないから」それを聞いたリックは慌てて言った

「リリー!お前は無理をしないでくれ。おばあさんの魔法の副作用で苦しんだのを忘れたのか?」
それを聞いて、おばあさんがリックに言った。
「リック、力のない者は流れに逆らえない。その流れが耐え難いものに向かってても、流されるしかないんだよ。力のある者は流れを作れる。そして周りの流されてる者たちを救う事もできるんだ。お譲ちゃんは、仲間が強大な力で流された時に助けられる力を持ちたいと願ったんだ。そして、力を持つ者はその力が強ければ強いほど苦しむ事も覚悟の上で私に教わりたいと言ったのだよ」

「リック、私のことは心配しないで皆が困ったとき私が力になれるように、私頑張って魔法を覚えるから・・・」
リリーの言葉が終わる前に、リックは反論した。
「心配するななんて無理に決まってるだろう!俺はお前に苦しんでほしくないんだよ。どうして・・・」そこで言葉を止めリックは少し考えてから、お婆さんに話しかけた。

「おばあさん、お願いします。リリーに魔法を教えるなとは言いません。私にも、私にもリリーと一緒に魔法を教えていただけませんか?今は、私も用事が済みしばらくは自由に動けます。そして、西の港町でリリカ様に氷の刃を貰いました。リリーとは離れたくないし、この武器を使いこなせるようにもなりたい。駄目でしょうか?」

それを聞いたおばあさんはリックの剣を見た。「ほぅ、なるほどねぇ面白い武器を手に入れたね。やはり、あんたも数奇な運命を辿る宿命にあるようだ。私も巻き込まれているようだがね…フフフ。確かに、今のお前さんじゃ、その剣の力を10分の1も出せないだろう。お譲ちゃんもリックとは離れたくないのだろう?」それを聞いたリリーは、お婆さんに頷いた。

「まぁ、いいだろう。ココまで巻き込まれたら2人まとめて面倒見てやろうじゃないか」そう言ってから2人に聞こえない声でボソリと続けた。

隣の国で不穏な気配もあることじゃしな・・・