『失礼します』
そう言って、ルブロとヘレネがリリカの部屋に入った。ルブロはリックとの戦いで、なすすべなく破れた事の謝罪をするつもりで、落ち込んだ様子でリリカの方を見て、先客が居る事に気がついた。その顔を見て驚いて謝罪の事など飛んでしまっていた。
『フレッド様!それになんと、ガザン様か!私です。フェリアスとロザリーの息子のルブロです!』
それを聞いたガザンはルブロを見て顔をほころばせながら言った。
『おぉ、あのルブロか!ずいぶん立派になったな。あの2人も今のお前の姿を見れば喜ぶ事だろう。このような場所で亡き戦友の息子に出会うとは運命を感じるなフレッド』それを聞いてフレッドはガザンに軽く頷いた後、リリカ達に説明しはじめた。
『リリカ様、私とガザン、そしてルブロの両親は過去に様々な冒険を共にした戦友なのです。フェリアスはロザリーを庇って命を落としてしまったが、その時ロザリーはルブロを身ごもっていた。私達は、それで冒険者をやめ、互いに別の道を歩む事になったのですが、私はロイド様に出会い今の地位に、そしてガザンは一人で冒険を続けてた際に、手に入れた1本の槍に魅入られ鍛冶屋になった。ロザリーは一人でルブロを育ててたが、病で命を落としてしまった。私とガザンはたまにルブロに剣術を教えたりなどしていた訳です。そしてルブロはカストール様に仕える事になった。
よもやこのような場所で、ルブロに出会うとは・・・我らが冒険者をしていた頃は、果たせぬ試練など存在しなかった。なんという吉兆だ!』
それを聞いていたリリカとヘレネもこの出会いに驚いていた。そして何よりもルブロの過去に・・・それにしても、フレッド殿の仲間の息子とは、ただの兵士にしては強すぎると思ったが、血筋からして相当な剣士で、先生も優秀となれば納得という物だ。
一時の間をおいて、落ち着きを取り戻したルブロは、リリカに謝罪した。『リリカ様、リックとの対戦ですが、真に申し訳ございません。私の現在の全力で持って対戦したのですが、リックはまだ余力を残しておりました。バルザックと互角に戦える実力だと私は思いました。そして、私ではまだバルザックには傷一つ付けれないであろうことも思い知らされました。リリカ様のご期待にこたえられず残念です。どのような処罰も覚悟しております』
それを聞いてリリカが口を開こうとしたところで、鋭い眼光をしたヘレネに気がついて驚いた。何だあの瞳は、涙で潤んだような瞳の中に、まるでリックに最後の攻撃を仕掛けた際のルブロの瞳のような鋭さをはらんでいる。私は、生まれて初めてヘレネの瞳から逃げてしまった。そして、言おうとしていた言葉を言った。
『罰など無い。ルブロは見事な戦いを見せてくれた。相手が強すぎたのだ。おぬしの忠誠の証もしかと見せてもらった。最後の攻撃は捨て身だった。よくぞあそこまでリックの力を引き出してくれたな。我が隊ではお主でなければ出来ぬ事だ。頭を上げてくれルブロ…』その後、何か続けるつもりだったのか、ボソリと言葉にならない声を出して言葉をとめてしまった。そして、再びヘレネの目を見ると涙が流れていた。先ほどまでの鋭さは消え去っていた。
そう言って、ルブロとヘレネがリリカの部屋に入った。ルブロはリックとの戦いで、なすすべなく破れた事の謝罪をするつもりで、落ち込んだ様子でリリカの方を見て、先客が居る事に気がついた。その顔を見て驚いて謝罪の事など飛んでしまっていた。
『フレッド様!それになんと、ガザン様か!私です。フェリアスとロザリーの息子のルブロです!』
それを聞いたガザンはルブロを見て顔をほころばせながら言った。
『おぉ、あのルブロか!ずいぶん立派になったな。あの2人も今のお前の姿を見れば喜ぶ事だろう。このような場所で亡き戦友の息子に出会うとは運命を感じるなフレッド』それを聞いてフレッドはガザンに軽く頷いた後、リリカ達に説明しはじめた。
『リリカ様、私とガザン、そしてルブロの両親は過去に様々な冒険を共にした戦友なのです。フェリアスはロザリーを庇って命を落としてしまったが、その時ロザリーはルブロを身ごもっていた。私達は、それで冒険者をやめ、互いに別の道を歩む事になったのですが、私はロイド様に出会い今の地位に、そしてガザンは一人で冒険を続けてた際に、手に入れた1本の槍に魅入られ鍛冶屋になった。ロザリーは一人でルブロを育ててたが、病で命を落としてしまった。私とガザンはたまにルブロに剣術を教えたりなどしていた訳です。そしてルブロはカストール様に仕える事になった。
よもやこのような場所で、ルブロに出会うとは・・・我らが冒険者をしていた頃は、果たせぬ試練など存在しなかった。なんという吉兆だ!』
それを聞いていたリリカとヘレネもこの出会いに驚いていた。そして何よりもルブロの過去に・・・それにしても、フレッド殿の仲間の息子とは、ただの兵士にしては強すぎると思ったが、血筋からして相当な剣士で、先生も優秀となれば納得という物だ。
一時の間をおいて、落ち着きを取り戻したルブロは、リリカに謝罪した。『リリカ様、リックとの対戦ですが、真に申し訳ございません。私の現在の全力で持って対戦したのですが、リックはまだ余力を残しておりました。バルザックと互角に戦える実力だと私は思いました。そして、私ではまだバルザックには傷一つ付けれないであろうことも思い知らされました。リリカ様のご期待にこたえられず残念です。どのような処罰も覚悟しております』
それを聞いてリリカが口を開こうとしたところで、鋭い眼光をしたヘレネに気がついて驚いた。何だあの瞳は、涙で潤んだような瞳の中に、まるでリックに最後の攻撃を仕掛けた際のルブロの瞳のような鋭さをはらんでいる。私は、生まれて初めてヘレネの瞳から逃げてしまった。そして、言おうとしていた言葉を言った。
『罰など無い。ルブロは見事な戦いを見せてくれた。相手が強すぎたのだ。おぬしの忠誠の証もしかと見せてもらった。最後の攻撃は捨て身だった。よくぞあそこまでリックの力を引き出してくれたな。我が隊ではお主でなければ出来ぬ事だ。頭を上げてくれルブロ…』その後、何か続けるつもりだったのか、ボソリと言葉にならない声を出して言葉をとめてしまった。そして、再びヘレネの目を見ると涙が流れていた。先ほどまでの鋭さは消え去っていた。