このあたりなら食べ物に困る事はないよ。クレアの口に合うかは心配だけど、すぐ先に川も流れてて果物も豊富で、動物も沢山居る。奥の方は人の気配がした。森の民は人間と干渉したがらないって聞いたから、この先は注意が必要だね。
そう言いながら、サキは手なれた様子で程よく焼けた骨付き肉をクレアに差し出した。
クレアはそれを受け取って恐る恐る口に入れた。途端に顔に笑みが広がる。
『おいしい!こんなに美味しいお肉は初めて!』
『お城で出される料理って、キツイ香辛料で味付けされてて冷めているのよ。焼きたてのお肉の皮がこんなにパリパリとした食感で美味しいなんて…』
良かった。クレアに合うかどうかだけが心配だったんだ。一応、香辛料も探してきたんだけど、この場所で宮廷料理っていうのもどうかと思ってね。そう言って、口元をほころばせながら、木の実や果実や香草を全員の前に差し出した。
それを見てリスティアが驚いていた。
凄い!こんな高価な果実や香草がこの辺にあったの?!コレなら宮廷料理を再現できますね。せっかくだから、私が使おうかな?ふふふ。そう言ってリスティアは果実を1つつぶして木の実を砕いて肉にまぶして最後にちぎった香草を振りかけた。そして、一口食べて満足するように一人頷きつつ、『クレア様、一口食べてみて』と、味つきの肉をクレアに渡した。
本当だ!お城で食べてるのと同じ味になったね。でも私は付けないほうが好きかも?
それを見ていたゼノンは、リスティアの真似をして味付けしてみた。『なるほど、こういう味になるのか。確かに口当たりが上品な感じでほのかな甘みも加わって今まで食べた事のない深みのある味になるな。王女様はこういう物を食べてたのか。しかし、こんな場所で再現できるのは凄いな』
『サキ様の愛のなせる業ですね』リスティアがクレアに向かって囁くように言ったら、クレアの顔が真っ赤になった。
クレアはリスティアに微笑んだ後、『サキ、ありがとう。私はもう王女じゃないからサキがいつも食べてる物で平気だよ。本当に今まで食べた物の中で一番美味しかった。お城に閉じこもってたら一生食べる機会なんて無かった。サキ、私は幸せよ連れ出してくれて本当にありがとう』
クレアがそこまで言った際、ゼノンとリスティアが同時に立ち上がっていた。ゼノンはリスティアに微笑んで頷いてサキとクレアに向かって言った。
『俺とリスティアは、ちょっともう一度、食後の散歩がてらに偵察してくるよ。明日の朝まで2人はゆっくりしててくれ』そう言うと、2人はすぐに見えなくなった。
『あ、あの・・・サキ?』クレアは突然二人きりにされて戸惑ってしまった。『どうやら、2人は気を使ってくれたみたいだね。クレア、僕もクレアと一緒に来れて幸せだよ』そう言って背後から覆いかぶさるようにクレアを抱き寄せた。
『今度こそ、邪魔は入らないのね』クレアは、過去にサッズの町のサキの部屋で迎えが来て妨害された事と、先ほどの2人が偵察中に帰ってきたことを思い出しながら、すねたような表情を一瞬だけ見せてサキの瞳をじっと見つめていた。
そう言いながら、サキは手なれた様子で程よく焼けた骨付き肉をクレアに差し出した。
クレアはそれを受け取って恐る恐る口に入れた。途端に顔に笑みが広がる。
『おいしい!こんなに美味しいお肉は初めて!』
『お城で出される料理って、キツイ香辛料で味付けされてて冷めているのよ。焼きたてのお肉の皮がこんなにパリパリとした食感で美味しいなんて…』
良かった。クレアに合うかどうかだけが心配だったんだ。一応、香辛料も探してきたんだけど、この場所で宮廷料理っていうのもどうかと思ってね。そう言って、口元をほころばせながら、木の実や果実や香草を全員の前に差し出した。
それを見てリスティアが驚いていた。
凄い!こんな高価な果実や香草がこの辺にあったの?!コレなら宮廷料理を再現できますね。せっかくだから、私が使おうかな?ふふふ。そう言ってリスティアは果実を1つつぶして木の実を砕いて肉にまぶして最後にちぎった香草を振りかけた。そして、一口食べて満足するように一人頷きつつ、『クレア様、一口食べてみて』と、味つきの肉をクレアに渡した。
本当だ!お城で食べてるのと同じ味になったね。でも私は付けないほうが好きかも?
それを見ていたゼノンは、リスティアの真似をして味付けしてみた。『なるほど、こういう味になるのか。確かに口当たりが上品な感じでほのかな甘みも加わって今まで食べた事のない深みのある味になるな。王女様はこういう物を食べてたのか。しかし、こんな場所で再現できるのは凄いな』
『サキ様の愛のなせる業ですね』リスティアがクレアに向かって囁くように言ったら、クレアの顔が真っ赤になった。
クレアはリスティアに微笑んだ後、『サキ、ありがとう。私はもう王女じゃないからサキがいつも食べてる物で平気だよ。本当に今まで食べた物の中で一番美味しかった。お城に閉じこもってたら一生食べる機会なんて無かった。サキ、私は幸せよ連れ出してくれて本当にありがとう』
クレアがそこまで言った際、ゼノンとリスティアが同時に立ち上がっていた。ゼノンはリスティアに微笑んで頷いてサキとクレアに向かって言った。
『俺とリスティアは、ちょっともう一度、食後の散歩がてらに偵察してくるよ。明日の朝まで2人はゆっくりしててくれ』そう言うと、2人はすぐに見えなくなった。
『あ、あの・・・サキ?』クレアは突然二人きりにされて戸惑ってしまった。『どうやら、2人は気を使ってくれたみたいだね。クレア、僕もクレアと一緒に来れて幸せだよ』そう言って背後から覆いかぶさるようにクレアを抱き寄せた。
『今度こそ、邪魔は入らないのね』クレアは、過去にサッズの町のサキの部屋で迎えが来て妨害された事と、先ほどの2人が偵察中に帰ってきたことを思い出しながら、すねたような表情を一瞬だけ見せてサキの瞳をじっと見つめていた。