メルヴィルと王は対談していた。
『カストールが討ち死にしたそうだなメルヴィル。我が国の貴族制度は崩壊しつつある。我が娘クレアが生まれた際、3人の息子を持つアルフォンス家の者と結婚すれば、国は繁栄すると父王は思っていた。父王と妻に先立たれ、私の血筋はクレアだけだ。アルフォンス家が滅んだからには、我が国が生き残る道は、他国の王子と結婚させるしか道は無い。サッズの・・・東の町のサキなど、両親も不明な孤児ではないか。クレアと結婚など、話にもならん相手だ。年は離れているが、お主と結婚させる方がマシだ。それがサキと駆け落ちなどと、クレアはなんとしても連れ戻さねばならん。』
それを聞いた私は慌てて答えた。
『王様、私は生涯独身を貫くつもりです。本来私は、戦闘の最前線で戦ってこそ私なのです。今はこういった状態ですので、国政を任されてますが・・・。私も両親は既に他界して独り身です。サキと何も変わりません』
『しかしな、メルヴィル。このままクレアが帰ってこなければ、私の後継者はお主しか考えられんぞ。生涯独身などと、お主ならいくらでも相手が居るだろう?戦場から身を引いて、後継者を育てるだけじゃ駄目なのかメルヴィル?』
『貴族と言っても、ロイドと私は武勲だけの、名ばかりです。リリカとヘレネが治めるのも想像できませんし、奴隷制度のような事をしていたのは、アルフォンスだけです。そして自身が招いた罪で滅んだと私は思っています。時代が、貴族や奴隷などの制度を必要としてないのだと私は思います。もし、私が後継者になり、王として動かなければならなくなったとしたら、私は自分の後継者に、リックやサキを選びますよ。私なら、血筋にこだわらず、人徳にこだわります。王が私を選んでくださるように、私はサキの人徳は評価してますよ。クレア様の人を見る目も確かです。サッズの英雄としての評価もありますしね』
『お主はサキをずいぶん買ってるようだが、国を捨て駆け落ちするようなやつに任せる気にはなれんよ。確かに切れ者で庶民の英雄にはなれるのだろうが、その辺りが貴族と孤児の血筋の違いだよ。お主は人を使いこなせるが、サキは恐らく、なんでも自分一人でこなそうとするだろう。それでは、国は任せられん。とにかくお主はクレアを連れ戻す事と西の今後の対策を考えてくれ』
それを聞いた私は、反論しようとしたが、今は何を言っても無駄と判断して、サキの件は聞き流す事にした。サキ達には悪いが、今はこれ以上は力になれそうもない。
『西の対策ですが、ひとまずは総大将をリリカに任せるとしても、人材が足り無すぎますので、バルザックに関しては、こちらから動かずに様子を伺った方が良いと思いますね。スラム側の生き残りは、2人だけだと聞いてますので。放置しても被害は少ないと思います。その2人に100人を倒す力があるようなので、こちらから手を出すのは危険です。どうしても放置できないようなら、私が直々に討伐に向かいます。現在、私の配下ではリターとその後継者のリック。西はリリカとヘレネの他は、アリオスとバラン。そして南のロイドの配下のマルスとフレッドと言ったところしか、居ませんからね』
『カストールが討ち死にしたそうだなメルヴィル。我が国の貴族制度は崩壊しつつある。我が娘クレアが生まれた際、3人の息子を持つアルフォンス家の者と結婚すれば、国は繁栄すると父王は思っていた。父王と妻に先立たれ、私の血筋はクレアだけだ。アルフォンス家が滅んだからには、我が国が生き残る道は、他国の王子と結婚させるしか道は無い。サッズの・・・東の町のサキなど、両親も不明な孤児ではないか。クレアと結婚など、話にもならん相手だ。年は離れているが、お主と結婚させる方がマシだ。それがサキと駆け落ちなどと、クレアはなんとしても連れ戻さねばならん。』
それを聞いた私は慌てて答えた。
『王様、私は生涯独身を貫くつもりです。本来私は、戦闘の最前線で戦ってこそ私なのです。今はこういった状態ですので、国政を任されてますが・・・。私も両親は既に他界して独り身です。サキと何も変わりません』
『しかしな、メルヴィル。このままクレアが帰ってこなければ、私の後継者はお主しか考えられんぞ。生涯独身などと、お主ならいくらでも相手が居るだろう?戦場から身を引いて、後継者を育てるだけじゃ駄目なのかメルヴィル?』
『貴族と言っても、ロイドと私は武勲だけの、名ばかりです。リリカとヘレネが治めるのも想像できませんし、奴隷制度のような事をしていたのは、アルフォンスだけです。そして自身が招いた罪で滅んだと私は思っています。時代が、貴族や奴隷などの制度を必要としてないのだと私は思います。もし、私が後継者になり、王として動かなければならなくなったとしたら、私は自分の後継者に、リックやサキを選びますよ。私なら、血筋にこだわらず、人徳にこだわります。王が私を選んでくださるように、私はサキの人徳は評価してますよ。クレア様の人を見る目も確かです。サッズの英雄としての評価もありますしね』
『お主はサキをずいぶん買ってるようだが、国を捨て駆け落ちするようなやつに任せる気にはなれんよ。確かに切れ者で庶民の英雄にはなれるのだろうが、その辺りが貴族と孤児の血筋の違いだよ。お主は人を使いこなせるが、サキは恐らく、なんでも自分一人でこなそうとするだろう。それでは、国は任せられん。とにかくお主はクレアを連れ戻す事と西の今後の対策を考えてくれ』
それを聞いた私は、反論しようとしたが、今は何を言っても無駄と判断して、サキの件は聞き流す事にした。サキ達には悪いが、今はこれ以上は力になれそうもない。
『西の対策ですが、ひとまずは総大将をリリカに任せるとしても、人材が足り無すぎますので、バルザックに関しては、こちらから動かずに様子を伺った方が良いと思いますね。スラム側の生き残りは、2人だけだと聞いてますので。放置しても被害は少ないと思います。その2人に100人を倒す力があるようなので、こちらから手を出すのは危険です。どうしても放置できないようなら、私が直々に討伐に向かいます。現在、私の配下ではリターとその後継者のリック。西はリリカとヘレネの他は、アリオスとバラン。そして南のロイドの配下のマルスとフレッドと言ったところしか、居ませんからね』