この人には勝てない・・・。
サーシャは木刀を上段に構えたリックと相対してすぐに感じていた。
隙がまったくない。
上段から打ち込めば払われて胴を打たれる。
中段からなぎ払えば、届く前に上段から打ち込まれる。
フェイントもまったく通じそうにない。
普通に戦ったら勝ち目はない。
『本気で・・・いきますね。』
サーシャは迷いを振り払い木刀を横に構えた。
手を伸ばしきった状態で漢字の一の字のような構え。明らかに普通じゃない。
リックは驚きながらも、受けの形を崩さない。
『はぁ!』
サーシャは横に回転しながら遠心力を生かし攻撃に出た。
リックはその攻撃を木刀で防いで反撃しようとして思いとどまった。
これは誘いだ・・・攻めたらまずい・・・。
サーシャは防がれた反動を利用して逆回転するようなステップを踏み、更に回転の速度が増している。右回転、左回転、攻撃を繰り返すたびに速度が加速する。
『トルネードスラッシュ!』
掛け声と共に凄まじい上段切りを放った。
左右からの攻撃で横への動きを封じられたところに、上段からの凄まじい一撃。
全員が息を呑んで見守っていた。
サーシャの攻撃は空を切っていた・・・。
大技を外した隙をリックは見逃さずにサーシャの木刀を払い勝負はついた。リックの勝ちだ。
『参りました。私の負けです。噂どおりの強さですね。何回やってもたぶん結果は一緒でしょう。』サーシャは全力を出し切ったようで満足気だ。
『いや、サーシャさんも凄い技だった。あの攻撃の前に反撃に出てたら最後の攻撃はかわせなかったよ。アッシュとサキが凄いと言うだけの事はある。』
リックとサーシャの会話にアッシュが割り込んできた。
『サーシャ・・・俺との勝負の際は全力じゃなかったのか?あんな技出されてたら俺なら負けてたぞ!』アッシュは驚きながらサーシャに言った。
『手を抜いたわけじゃないのよアッシュ。この技は危険すぎるから父に、いざと言う時以外は使わないように言われてるの。リックさんと対峙した時、私の技じゃ全て返されるって感じて、トルネードスラッシュを使ってもリックさんなら大怪我しなさそうだったから・・・。』
『確かに、アッシュだったら木刀でも頭かち割られてたかもな、凄い技だった。』
サキがアッシュをからかうように言った。
『2人とも凄かったよ。お疲れ様。』リリーはリックが勝ったので嬉しそうだ。
『俺にとってもアルフォンス家の2年間は無駄なだけじゃなかったんだよ。ザクトとガイの攻撃を避けずに受け続けた2年間で寸前の見切りと、受け流す力を身につけたんだ。』
リックはリリーに微笑みながら言った。
サーシャは木刀を上段に構えたリックと相対してすぐに感じていた。
隙がまったくない。
上段から打ち込めば払われて胴を打たれる。
中段からなぎ払えば、届く前に上段から打ち込まれる。
フェイントもまったく通じそうにない。
普通に戦ったら勝ち目はない。
『本気で・・・いきますね。』
サーシャは迷いを振り払い木刀を横に構えた。
手を伸ばしきった状態で漢字の一の字のような構え。明らかに普通じゃない。
リックは驚きながらも、受けの形を崩さない。
『はぁ!』
サーシャは横に回転しながら遠心力を生かし攻撃に出た。
リックはその攻撃を木刀で防いで反撃しようとして思いとどまった。
これは誘いだ・・・攻めたらまずい・・・。
サーシャは防がれた反動を利用して逆回転するようなステップを踏み、更に回転の速度が増している。右回転、左回転、攻撃を繰り返すたびに速度が加速する。
『トルネードスラッシュ!』
掛け声と共に凄まじい上段切りを放った。
左右からの攻撃で横への動きを封じられたところに、上段からの凄まじい一撃。
全員が息を呑んで見守っていた。
サーシャの攻撃は空を切っていた・・・。
大技を外した隙をリックは見逃さずにサーシャの木刀を払い勝負はついた。リックの勝ちだ。
『参りました。私の負けです。噂どおりの強さですね。何回やってもたぶん結果は一緒でしょう。』サーシャは全力を出し切ったようで満足気だ。
『いや、サーシャさんも凄い技だった。あの攻撃の前に反撃に出てたら最後の攻撃はかわせなかったよ。アッシュとサキが凄いと言うだけの事はある。』
リックとサーシャの会話にアッシュが割り込んできた。
『サーシャ・・・俺との勝負の際は全力じゃなかったのか?あんな技出されてたら俺なら負けてたぞ!』アッシュは驚きながらサーシャに言った。
『手を抜いたわけじゃないのよアッシュ。この技は危険すぎるから父に、いざと言う時以外は使わないように言われてるの。リックさんと対峙した時、私の技じゃ全て返されるって感じて、トルネードスラッシュを使ってもリックさんなら大怪我しなさそうだったから・・・。』
『確かに、アッシュだったら木刀でも頭かち割られてたかもな、凄い技だった。』
サキがアッシュをからかうように言った。
『2人とも凄かったよ。お疲れ様。』リリーはリックが勝ったので嬉しそうだ。
『俺にとってもアルフォンス家の2年間は無駄なだけじゃなかったんだよ。ザクトとガイの攻撃を避けずに受け続けた2年間で寸前の見切りと、受け流す力を身につけたんだ。』
リックはリリーに微笑みながら言った。