幸一と静香は、2人で久しぶりに外出している。
特にあてもなく、街へ散歩に来たのだが・・・
静香は、2人で出かけるのが嬉しいみたいで、かなりテンションが高い。
自然に、僕の右腕に左腕を絡めてくる。何時ごろからだろうか、
これが2人の自然な外出スタイルになったのは・・・。
初めはかなり照れくさかったのに、今では2人とも、これが当たり前になっている。
『幸一さん、あそこにリサイクルショップがある。ちょっと覗いて行こうよ。』
静香は、幸一の顔を見上げながら言う。本来、ファッションに気を使う年頃の静香だが、外出でも安物のカジュアルスタイルだ。2人の財布事情だと仕方が無い事だが、給料入ったら、お洒落な洋服でも買ってやりたいなぁ・・・・。
『幸一さん?』
静香がきょとんとした顔でこちらを見てる。
『あぁ、ごめん、ちょっと考え事してた。よし、じゃあ寄り道していくか。』
そう言って、静香をつれてリサイクルショップの店内に入った。
古物商なんて言うと、昔は、暗い、汚い、買いにくいの3kって印象があったけど、
最近は、そんな店は探す方が難しいほど、綺麗なものだ。
この店は、その中でもかなり綺麗な部類に入ると思う。
時計やバッグ、宝飾品などがメインらしい。
『うわぁ、このピンク色のバッグ新品みたいに綺麗だね、幸一さん。』
静香がバッグのコーナーを見ながら言った。
静香の目線の先にある綺麗なピンク色のバッグを僕は見た。
エルメスのバーキン、ブーゲンビリアだ。とても僕が買えるような代物ではない。
目立たない場所に小さく書いてある値札には7桁の数字が並んでいる。
中古ですら、給料三ヶ月分以上のお値段だ。
ブーゲンビリアは花の色に由来しているらしく、花言葉にあやかって、
男が女にプレゼントするって、何かの雑誌で見た記憶がある。
『あ、あぁ可愛いバッグだよね。』
値段は可愛くないけどなぁ。などと、僕が、内心思いながら、動揺しつつ答えると、
静香も値段に気がついたみたいで、動揺している。
『あ、でも、えっと・・・私はこういうバッグは好みじゃないなぁ』
静香は、そういいながら、時計のコーナーへ移動した。
ちょっと情けない気持ちになってしまった。
静香がブランド服を着て、あのバッグを持ったら絶対似合うと思う。
静香は、ひいき目無しで見て、その辺の女より美人だ。
それを輝かす事の出来ない、自分が悲しくなった。
『幸一さん・・・えと・・・お店出よう・・・。』
静香が、僕の気持ちに気づいたのか、出口の方へ腕を引っ張った。
僕は、静香に連れられるままに、店を後にした。
僕が何も言えずに黙っていると、
『ふふふ、幸一さん、えっと、あのお店じゃ、勉強にならないね。扱ってるものが
高級すぎて、リサイクルって感じじゃないし。私は、あのお店嫌いかも。』
静香は僕を気遣うように言ったが、僕の耳には入っていなかった。
『幸一さん!』
静香は突然大きな声で、僕を呼んだ。
驚いて、静香の方を向くと、静香は僕の頭の後ろに手を回し、
自分の唇を合わせてきた。
周りの通行人がジロジロとこちらを見てる。
唇を離すと、静香は、
『私は、幸一さんだけ居ればいい。他には何もいらないよ』
と、頬を赤らめながら囁いた。
特にあてもなく、街へ散歩に来たのだが・・・
静香は、2人で出かけるのが嬉しいみたいで、かなりテンションが高い。
自然に、僕の右腕に左腕を絡めてくる。何時ごろからだろうか、
これが2人の自然な外出スタイルになったのは・・・。
初めはかなり照れくさかったのに、今では2人とも、これが当たり前になっている。
『幸一さん、あそこにリサイクルショップがある。ちょっと覗いて行こうよ。』
静香は、幸一の顔を見上げながら言う。本来、ファッションに気を使う年頃の静香だが、外出でも安物のカジュアルスタイルだ。2人の財布事情だと仕方が無い事だが、給料入ったら、お洒落な洋服でも買ってやりたいなぁ・・・・。
『幸一さん?』
静香がきょとんとした顔でこちらを見てる。
『あぁ、ごめん、ちょっと考え事してた。よし、じゃあ寄り道していくか。』
そう言って、静香をつれてリサイクルショップの店内に入った。
古物商なんて言うと、昔は、暗い、汚い、買いにくいの3kって印象があったけど、
最近は、そんな店は探す方が難しいほど、綺麗なものだ。
この店は、その中でもかなり綺麗な部類に入ると思う。
時計やバッグ、宝飾品などがメインらしい。
『うわぁ、このピンク色のバッグ新品みたいに綺麗だね、幸一さん。』
静香がバッグのコーナーを見ながら言った。
静香の目線の先にある綺麗なピンク色のバッグを僕は見た。
エルメスのバーキン、ブーゲンビリアだ。とても僕が買えるような代物ではない。
目立たない場所に小さく書いてある値札には7桁の数字が並んでいる。
中古ですら、給料三ヶ月分以上のお値段だ。
ブーゲンビリアは花の色に由来しているらしく、花言葉にあやかって、
男が女にプレゼントするって、何かの雑誌で見た記憶がある。
『あ、あぁ可愛いバッグだよね。』
値段は可愛くないけどなぁ。などと、僕が、内心思いながら、動揺しつつ答えると、
静香も値段に気がついたみたいで、動揺している。
『あ、でも、えっと・・・私はこういうバッグは好みじゃないなぁ』
静香は、そういいながら、時計のコーナーへ移動した。
ちょっと情けない気持ちになってしまった。
静香がブランド服を着て、あのバッグを持ったら絶対似合うと思う。
静香は、ひいき目無しで見て、その辺の女より美人だ。
それを輝かす事の出来ない、自分が悲しくなった。
『幸一さん・・・えと・・・お店出よう・・・。』
静香が、僕の気持ちに気づいたのか、出口の方へ腕を引っ張った。
僕は、静香に連れられるままに、店を後にした。
僕が何も言えずに黙っていると、
『ふふふ、幸一さん、えっと、あのお店じゃ、勉強にならないね。扱ってるものが
高級すぎて、リサイクルって感じじゃないし。私は、あのお店嫌いかも。』
静香は僕を気遣うように言ったが、僕の耳には入っていなかった。
『幸一さん!』
静香は突然大きな声で、僕を呼んだ。
驚いて、静香の方を向くと、静香は僕の頭の後ろに手を回し、
自分の唇を合わせてきた。
周りの通行人がジロジロとこちらを見てる。
唇を離すと、静香は、
『私は、幸一さんだけ居ればいい。他には何もいらないよ』
と、頬を赤らめながら囁いた。