これも、前のブログに書いてたやつです。エピキュリアンの後日談のような感じで、
アンナチュラルと黒の密売人(未完)と連動してました。
では、スタート( ̄▽ ̄;)
休日の午前9時。幸一は何気なく散歩に出かける。
特に、これと言った用事があるわけではない。
足が、自然に最寄のコンビニエンスストアに向かっていた。
コンビニまでの途中・・・道の脇には、小さな三毛猫がいた。
親猫は何処にいるのだろう?などと、考えていたらコチラを見て、『ニャー』と鳴いた。
あいにく、餌になるようなものなど持ってないので、
そのまま素通りし、コンビニへ向かった。
意味もなく、適当な雑誌を立ち読みし、カップラーメンと、缶コーヒーと、ポテトチップを買おうとして思い当たり、手で開けれるタイプの猫餌の缶づめを1つ購入した。
先ほど来た道を、そのまま引き返して家へと向かう。
その途中、背後からものすごいスピードで、車が追い抜いていった。
ちょっとふらついて歩いてたら、ぶつかっていたかもしれない。
あの車は、自分が働いてる工場で作ってる車だな…。
そう思いながら苛立ちを抑えて歩いていると、道の先に、来る時には無かった血を引きずった後が続いていた。
先ほど、子猫が居た場所だ。
辺りを見渡したが、血を引きずった後だけで、死体すら残っていない。
わずか15分の出来事だ。
朝から、嫌な気分になってしまった。
あの猫の、親は何処にいるのだろう、自分が製造に関わってる車で・・・・
餌はどうしようか、などと考えていたら、苛立ちが抑えられなくなってきた。
猫の立場で考えれば、道路も車もないほうがいい。車の出した排気ガス、カーエアコンで、オゾン層も破壊され、住み心地のいい空き地には、必要の無い駐車場が作られ、さまざまな迷惑を受けているのは猫なのに、人間は知らん顔で、猫にはまったく必要の無いものを造っては地球を破壊している。
挙句に、ひき逃げだ。
自分が猫だったら暴動を起こしそうだ。
『人間を滅ぼすべきだ!時は来た!みんな!今こそ立ち上がるのだ!』
そうやって仲間を集める事だろう。
と、また思考が暴走してしまった。
そんな事を考えている間に、気がつくと、家の前まできていた。
自分は、ボロアパートで彼女と2人暮らしをしている。
貧しい家庭で、大学に行く金もなく、公立高校を卒業しすぐに就職したが、給料の安い工場で、ばかばかしくなり、現在は、期間契約の社員として自動車の工場で働いていた。
彼女、静香は、生活の足しにするため、普段、古本屋でアルバイトをしている。
なにやら、リサイクル関連の仕事がしたいらしく、色々勉強してるみたいだ。
自分の会社の寮では、彼女と同居できない為、このアパートを借りたのだ。
今は、貧しいながらも、2人で幸せで静かな生活をしている。
『幸一さん、おかえりなさい。』
何処となく古風な感じのしゃべり方をする静香。一歩引いた感じの話し方が自分は好きだ。自分が気落ちした様子を感じ取ったのか、『幸一さん、何かあったの?』と聞いてきた。
朝から、静香にまで気分を悪くさせる事はない。と思い、黙っていようと思っていたのだが、聞かれて答えない方が、もっと気分悪くなりそうなので、話す事にした。
『猫が人間を滅ぼす為に、暴動を起こそうとしている。』
自分がそう切り出しながら、ガラステーブルの横にコンビニの袋を置き、ダブルのソファの左側に座ると、、静香はお湯の入ったポットを持ってきて、自分が座ってるソファの右側の、いつもの位置に座った。インスタントコーヒーを2人分作りはじめている。
いつのまにか、この状態が2人の基本スタイルになっている。
自分がソファの左側に座り、静香が右に座る。話し始める前にコーヒーを2人分作る。
いつのまに、これが当たり前のことになったのだろう…。
話を切り出したのに、別の事で考え込んでいると、
『猫ちゃんが、武器を集めて、集会開いてるところを見たのかな?』
と、微笑みながら話の続きを促してきた。
『いや、近々そういう光景を見ても可笑しくないと思える、悲しいものを見たんだ。』
そう言いながら、先ほど見た光景をありのまま説明すると、
静香は悲しそうな表情を浮かべた。
『酷いね。猫ちゃん可哀想・・・。』
静香は目に涙をためて右手を口に当てている。静香も猫の味方らしい。
やっぱり、話すべきじゃなかったな。と後悔した。静香の泣き顔は見たくない。
『朝から嫌な話をしてごめんな静香。もう忘れよう。』
静香の頭を撫でながら言い、コンビニ袋から猫缶をだしてテーブルに置いた
言いながらも、こうして都合の悪い嫌な事は全て忘れられていくんだな・・・。
などと、考えていた。
『そうだ、アパートの裏に、でっかい猫ちゃんが居るんだけど、あの子にあげるね。これ。』
静香は、そう言って真っ赤な目で無理に笑いながら、猫缶を掴んだ。
『そんな猫が居るのか?』
自分は、このアパートに入ってから見たことがない。。
『すっごい大きくて、見たら幸一さん絶対驚くよ。ふふ、この辺のボス猫かも
この前もアパートの階段登ろうとして、踏み外して落ちてて、可笑しくて、ふふふ』
そんなドジな猫がボスだったら、人間には勝てないな・・・。などと思いながらも、
静香の笑いに釣られて自分も微笑んでいた。
アンナチュラルと黒の密売人(未完)と連動してました。
では、スタート( ̄▽ ̄;)
休日の午前9時。幸一は何気なく散歩に出かける。
特に、これと言った用事があるわけではない。
足が、自然に最寄のコンビニエンスストアに向かっていた。
コンビニまでの途中・・・道の脇には、小さな三毛猫がいた。
親猫は何処にいるのだろう?などと、考えていたらコチラを見て、『ニャー』と鳴いた。
あいにく、餌になるようなものなど持ってないので、
そのまま素通りし、コンビニへ向かった。
意味もなく、適当な雑誌を立ち読みし、カップラーメンと、缶コーヒーと、ポテトチップを買おうとして思い当たり、手で開けれるタイプの猫餌の缶づめを1つ購入した。
先ほど来た道を、そのまま引き返して家へと向かう。
その途中、背後からものすごいスピードで、車が追い抜いていった。
ちょっとふらついて歩いてたら、ぶつかっていたかもしれない。
あの車は、自分が働いてる工場で作ってる車だな…。
そう思いながら苛立ちを抑えて歩いていると、道の先に、来る時には無かった血を引きずった後が続いていた。
先ほど、子猫が居た場所だ。
辺りを見渡したが、血を引きずった後だけで、死体すら残っていない。
わずか15分の出来事だ。
朝から、嫌な気分になってしまった。
あの猫の、親は何処にいるのだろう、自分が製造に関わってる車で・・・・
餌はどうしようか、などと考えていたら、苛立ちが抑えられなくなってきた。
猫の立場で考えれば、道路も車もないほうがいい。車の出した排気ガス、カーエアコンで、オゾン層も破壊され、住み心地のいい空き地には、必要の無い駐車場が作られ、さまざまな迷惑を受けているのは猫なのに、人間は知らん顔で、猫にはまったく必要の無いものを造っては地球を破壊している。
挙句に、ひき逃げだ。
自分が猫だったら暴動を起こしそうだ。
『人間を滅ぼすべきだ!時は来た!みんな!今こそ立ち上がるのだ!』
そうやって仲間を集める事だろう。
と、また思考が暴走してしまった。
そんな事を考えている間に、気がつくと、家の前まできていた。
自分は、ボロアパートで彼女と2人暮らしをしている。
貧しい家庭で、大学に行く金もなく、公立高校を卒業しすぐに就職したが、給料の安い工場で、ばかばかしくなり、現在は、期間契約の社員として自動車の工場で働いていた。
彼女、静香は、生活の足しにするため、普段、古本屋でアルバイトをしている。
なにやら、リサイクル関連の仕事がしたいらしく、色々勉強してるみたいだ。
自分の会社の寮では、彼女と同居できない為、このアパートを借りたのだ。
今は、貧しいながらも、2人で幸せで静かな生活をしている。
『幸一さん、おかえりなさい。』
何処となく古風な感じのしゃべり方をする静香。一歩引いた感じの話し方が自分は好きだ。自分が気落ちした様子を感じ取ったのか、『幸一さん、何かあったの?』と聞いてきた。
朝から、静香にまで気分を悪くさせる事はない。と思い、黙っていようと思っていたのだが、聞かれて答えない方が、もっと気分悪くなりそうなので、話す事にした。
『猫が人間を滅ぼす為に、暴動を起こそうとしている。』
自分がそう切り出しながら、ガラステーブルの横にコンビニの袋を置き、ダブルのソファの左側に座ると、、静香はお湯の入ったポットを持ってきて、自分が座ってるソファの右側の、いつもの位置に座った。インスタントコーヒーを2人分作りはじめている。
いつのまにか、この状態が2人の基本スタイルになっている。
自分がソファの左側に座り、静香が右に座る。話し始める前にコーヒーを2人分作る。
いつのまに、これが当たり前のことになったのだろう…。
話を切り出したのに、別の事で考え込んでいると、
『猫ちゃんが、武器を集めて、集会開いてるところを見たのかな?』
と、微笑みながら話の続きを促してきた。
『いや、近々そういう光景を見ても可笑しくないと思える、悲しいものを見たんだ。』
そう言いながら、先ほど見た光景をありのまま説明すると、
静香は悲しそうな表情を浮かべた。
『酷いね。猫ちゃん可哀想・・・。』
静香は目に涙をためて右手を口に当てている。静香も猫の味方らしい。
やっぱり、話すべきじゃなかったな。と後悔した。静香の泣き顔は見たくない。
『朝から嫌な話をしてごめんな静香。もう忘れよう。』
静香の頭を撫でながら言い、コンビニ袋から猫缶をだしてテーブルに置いた
言いながらも、こうして都合の悪い嫌な事は全て忘れられていくんだな・・・。
などと、考えていた。
『そうだ、アパートの裏に、でっかい猫ちゃんが居るんだけど、あの子にあげるね。これ。』
静香は、そう言って真っ赤な目で無理に笑いながら、猫缶を掴んだ。
『そんな猫が居るのか?』
自分は、このアパートに入ってから見たことがない。。
『すっごい大きくて、見たら幸一さん絶対驚くよ。ふふ、この辺のボス猫かも
この前もアパートの階段登ろうとして、踏み外して落ちてて、可笑しくて、ふふふ』
そんなドジな猫がボスだったら、人間には勝てないな・・・。などと思いながらも、
静香の笑いに釣られて自分も微笑んでいた。